みきさま超大作「奏」まとめ

みきさま(@umechan0110)の超大作 #奏 まとめ。 BGMは「奏」
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미* @umechan0110

26.「でも、お前はもっと最低だよ。1番辛いのは誰なの?誰が支えてあげるの?」やめて。「自分の意思で死ぬなんて、馬鹿のする事だよ」口の中で血の味がした。「痛いだろ?当たり前だよ…だってお前は健康で、生きてるんだから…」それを聞いた瞬間、涙を抑えられなかった。 #奏

2012-09-18 21:31:35
미* @umechan0110

27.「ヒョン、俺は…」本当にその通りだった。俺は、生きている。「馬鹿だな…もっと早く泣けよ。俺の前で、我慢するな」肩を抱くヒョンの腕は、力強かった。「どうしたらいいか、分からないんだ」簡単に受け入れられる事じゃないんだ。俺は、彼女のために一体何が出来る? #奏

2012-09-18 21:32:45
미* @umechan0110

28.「泣いたっていいよ…だけどキュヒョナ、あの子もきっと、泣いてる」背中を押された気がした。「俺…ちょっと、行ってきます」全力で走りながら、電話を鳴らした。彼女は出ない。「早く…早く出て」さっきまで一緒に居たのに、どうしようもなく彼女に会いたかった。 #奏

2012-09-18 22:00:22
미* @umechan0110

29.キュヒョンに知られてしまった。本当は何も気付かれずに、お別れしたかったよ。だってあなたは、優しい人だから。きっと私を見放す事なんて出来ないでしょう?あなたを、置いて行きたくないんだよ。何度も鳴り響く携帯を見つめたまま、出る事は出来なかった。 #奏

2012-09-18 22:37:47
미* @umechan0110

30.死ぬって、どういう事?辛いかな?痛いかな?きっと私は、悲しい。「キュヒョン…助けて」呟いた言葉が何の意味もなさない事は、知っていた。孤独に押し潰されそうだよ。私が生きて来た意味はあったの?携帯が鳴り止んで、ドアをノックする音が聞こえた。 #奏

2012-09-18 22:49:40
미* @umechan0110

31.「…入るよ」電気も付いていない部屋の中で、彼女はベッドの端で丸くなっていた。その背中がやけに小さく見えて、そのまま消えてしまいそうで。「勝手に離れてくなんて、俺…許さないよ」そっと髪に触れる。「最後まで…一緒にいるから」堪らなくなって、後ろから抱き締めた。 #奏

2012-09-18 23:01:07
미* @umechan0110

32.その瞬間声を上げて泣き出した彼女を見て、俺は腕に力を込める。もう、俺に出来る事は、何でもしようと思った。「怖いよ…」「大丈夫」「助けて」「分かってる」幸せにしてあげたいんだ。笑ってる顔が見たいんだ。そのためなら俺は、何だってする。 #奏

2012-09-18 23:15:20
미* @umechan0110

33.「キュヒョン、歌って」出会った時から言ってたよな。俺の歌声が好きだと。それから俺は自信を持つ事が出来たし、人生が変わった。今の俺が居るのは、お前のお陰だよ。「いいよ」お前が悲しくならないように俺は歌うよ。俺には、それしか出来ないから。 #奏

2012-09-19 21:36:09
미* @umechan0110

34.キュヒョンの歌声を聴きながら、涙が枯れるまで泣いた。彼の腕に抱かれながら。そうしているうちに、思ったの。このあまりにも短い人生の中で、あなたに出会えた事は本当に奇跡だよね。ただ純粋に、それが嬉しくて。私は幸せだと感じた。もう、それだけで十分だと思えた。 #奏

2012-09-19 21:36:51
미* @umechan0110

35.諦めた訳でも、投げ出した訳でもなくて。自分の未来を受け入れて、残された時間を大切にしたいと思った。本当はあなたから離れなきゃいけないと分かってたのに、やっぱり出来ないよ。どうしようもなく、あなたが好き。ねえ、少しくらい、わがままになってもいいかな? #奏

2012-09-19 21:37:36
미* @umechan0110

36.「落ち着いた?」彼女の手を引いて支えるのが、俺の役目だと思ってた。「うん…」だけど、目を見たらすぐに分かった。お前が何を考えてるか。出会ってからの長い時間が、そうさせるんだ。「もう大丈夫」今まで生きて来た事、俺と出会った事。全て、後悔させないから。 #奏

2012-09-19 21:37:56
미* @umechan0110

37.彼女は、俺が思っていた以上に強い人間だった。「2人で、一緒に進もう」最後まで前を向くよ。いつか来るその時までに、お前に伝える言葉を探しておくから。「ありがとう、キュヒョン」だって、さよならなんて、言いたくない。ずっと繋がっていたいんだ。 #奏

2012-09-19 21:40:03
미* @umechan0110

38.それから、ほとんどの時間を2人で過ごした。キュヒョンは許可を貰ったと言って、出来る限り私と居てくれた。「次、どこ行く?」「あっち!」「おい、走るなって…」幸せを感じる分、思い出が増えて行く度、申し訳なく思った。私が居なくなったら、彼はどうなってしまうのかな。 #奏

2012-09-19 21:40:21
미* @umechan0110

39.昔の話もたくさんした。不思議と楽しかった事ばかりを思い出す。「あの時、お前中々機嫌直らなくて…」「あれはキュヒョンが!」喧嘩した事でさえも綺麗な思い出になるものなんだね。ふとカレンダーに目を向ければ、宣告を受けてから一ヶ月が経とうとしていた。もうすぐ、彼の誕生日だ。 #奏

2012-09-19 21:40:29
미* @umechan0110

40.「ごめん、待たせちゃった?」キュヒョンへのプレゼントを選ぶ為に、彼と同室のソンミンさんに付き合ってもらう事にした。「大丈夫です。すいません、忙しいのに…」「いいんだよ全然。行こうか?」私達の事を聞いているソンミンさんは快く付き合ってくれた。 #奏

2012-09-19 22:22:08
미* @umechan0110

41.「何買うか決めてるの?」「えっと、それが…」実は、プレゼントを渡す事でさえ迷っていた。やっぱり、形に残る物では辛い思いをさせる気がして。黙ってしまった私の気持ちを見透かしたようにソンミンさんは笑う。「迷う事ないよ。キュヒョナ、絶対喜ぶから…何か残る物、一緒に探そう」 #奏

2012-09-19 22:26:54
미* @umechan0110

42.渡す事も渡さない事も気が引けていた。やっぱりキュヒョンには、私が居なくなってからも幸せを見つけて欲しいから。「私の事、引きずって欲しくないんです」引き止めたくない。次に進んで欲しいと、思っていた。「そんな、悲しい事言わないで?」優しく頭を撫でられる。 #奏

2012-09-19 22:32:40
미* @umechan0110

43.「キュヒョナ、君との思い出をたくさん残そうとしてるんだ。だから、僕からもお願い」涙を堪えている事に気付いて、あえて彼は視線をずらした。「素敵な物、選んであげようよ」良く考えてみれば、これが私からキュヒョンへの最後のプレゼントになる。ソンミンさんのお陰で決心がついた。 #奏

2012-09-19 22:42:31
미* @umechan0110

44.二人で街を歩いてプレゼントを選んだ。「キュヒョナの事、ありがとうね」唐突にソンミンさんは言った。「何がですか?」「君のお陰で歌う事が出来るって、前に言ってたんだ。だから君に、感謝しなくちゃ」涙を堪えられなくて、すいませんと小さく謝った。「一つお願いしてもいいですか?」 #奏

2012-09-19 22:49:27
미* @umechan0110

45.「何?」「イトゥクさんにも言ったんですけど…キュヒョンの事、よろしくお願いします」ソンミンさんは一瞬悲しそうな顔をして、微笑む。「当たり前だよ」少しでも私を楽しませようと、たくさんメンバーの話をしてくれた。それがとても、嬉しかった。 #奏

2012-09-19 22:52:59
미* @umechan0110

46.「そうだ、あのね、いつもメンバーで誕生日パーティーやってるの知ってるよね?君にも、来て欲しいな」「悪いですよ、せっかくメンバーだけでやるのに…」「お願い」強い瞳で真っ直ぐ見つめられ、断る事が出来なかった。「じゃあ…お言葉に甘えて」ソンミンさんは、綺麗に笑った。 #奏

2012-09-19 22:57:07
미* @umechan0110

47.毎年メンバーだけでする誕生日パーティーに、初めて参加した。普段仲良くしてもらってるメンバーもいれば、顔を合わせた事のある位のメンバーもいる。それでも、キュヒョンの居るこのグループは、やっぱり素敵だと思った。みんな、愛に溢れている。 #奏

2012-09-19 23:00:32
미* @umechan0110

48.みんなで騒いで、彼が産まれたこの日を祝って。心の底から安心している自分がいた。キュヒョンには、こんなにも素敵な仲間がいる。彼らがいれば、道に迷った時も手を差し伸べてくれるよね。私が居なくなった時も、支えてくれるよね。楽しそうに笑う彼を見て、不安の糸が解けた気がした。 #奏

2012-09-19 23:06:47
미* @umechan0110

49.メンバーとのパーティーを終えた後、彼女と2人で小さなパーティーをした。準備してくれていたケーキ、蝋燭…プレゼント。全てが俺の宝物だった。「キュヒョン、産まれて来てくれてありがとう」彼女の言葉には、とても深い意味がある。「これからもキュヒョンが幸せでいられますように」 #奏

2012-09-19 23:10:07
미* @umechan0110

50.本当は、お前と幸せになりたかったよ。そんな言葉、言える訳が無かった。「ありがとう」小さく返して、抱き締める。彼女が祝ってくれる最後の誕生日だった。これから俺だけ歳を重ねて行く事が、とてつもなく寂しく感じた。もう、こうしてお前とこの日を迎える事はないんだね。 #奏

2012-09-19 23:17:47