川井俊夫さんのツイートまとめ

川井俊夫 @toshiokawai1122

禍々しい写真出てきた。今日は何もしないと決めたのでこの写真について語りましょう。 http://t.co/nzHcx46B

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川井俊夫 @toshiokawai1122

柄にもなくオカルティックな話だ。

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部下のやってる店の従業員の子でAというのがいた。俺も昔その店で働いていたことがあるので、まあ知っている子だったんだが、大学卒業して就職するんで店は辞めた。高校、大学とストレートだったから、22歳か。その子が辞めてから半年くらい経った頃かな、朝に部下から電話があった。

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「ヘンな話でわざわざ報告するのもアレなんですけど…」という前置きで、　部下「Aさんって川井さんも知ってますよね？」　俺「うん、随分長く勤めてたしね、超エース級だったし」　部下「今朝早く、店にきたらしんですよ。で、妙なこと言いながら朝番のパートさんに手紙みたいの渡していったんです」

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部下はかなり動揺していたけれど、まあトラブルの修羅場は何度も経験してるし、俺とは付き合いも長くて報告の仕方は分かってる。　部下「とりあえず手紙の内容をそのまま読みますね…」と言って電話の向こうの部下が読み上げた内容は完全に支離滅裂で所謂統合失調症の人の被害妄想系。

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カルト宗教の連中に24時間監視され、嫌がらせをされている、実家の家族もバラバラにされてしまった、もっと早く対策をしていれば、解決はもう無理だけど伝えたかった、私は愚かだったけど、間違えてはいない、ネットで◯◯を検索してみてください、なぜもっと早く…、という感じの衝撃的内容。

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俺がビビったのは、そのAという女の子はサイコなオカルト野郎でもメンヘラ野郎でもなく、本当に真面目な働き者で、見ているだけでこちらの心が苦しくなるくらい真っ直ぐで透明な女の子だったからだ。俺はその子を高校生の頃から知っていたし、大学卒業までたまに個人的に連絡がある程度には親しかった

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さらに言うと何百人もいるアルバイトの中で一番親しかったと思う。俺が今出世して偉そうにしていられるのもその子が必死で働いて、一番稼ぐ店を作ってくれたからだし「大人ってのはこうあってほしい」というその子の理想に、俺自身が導かれて、そう振る舞えるようになったからだ。

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家族のことや学校のこと、彼氏のことや将来の進路、たくさん相談されたが俺はいつも「お前さんは何しろ真面目で有能だ。どこにいて、何をしていても、見る人が見りゃすぐ分かる。自信を持って自分の思うままに振る舞え。だいたいお前の方が正しいから心配すんな」と応えていた。

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ようするに俺とAは年も全然違うし考え方も生き方も全然違うが、お互いにとってお互いが特別な存在だった（エロとかではない）。ただ俺は人間関係に淡白なので、あまりベタベタ特別扱いしたりはしなかった。

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Aはイカれたヤツではないし、統合失調症の症状など微塵もなかったわけだ。といって俺はカルトの集団ストーカーなんてネットの都市伝説なんぞ信じていない。俺は自分がどうすべきかはわかっている。まず部下に電話をさせた。出ない。次いで実家に電話をさせた。ツーツー音で繋がらない。

川井俊夫 @toshiokawai1122

最寄りの警察にありのままを話して手紙も渡して来るように言った。これにて一件落着。厄介事は御免だ。すべきことはもう無い。最後に管理部長にことの顛末を報告してお終い。あとは俺個人の問題だ。仕事じゃない。

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最初にしたのは、Aと一番親しかったバイト時代の同僚の女の子に「最近連絡とかしてんの？」と探りを入れる。就職した直後、4月に会ったきりだと言っていた。Aは俺に似て少し格好つけてミーハーな感じを嫌うところがあったから、ソーシャルなんとかみたいのはしていない。

川井俊夫 @toshiokawai1122

Aはバイト先では結構厳しい先輩で、完璧主義者で、他人を寄せ付けないところもあったから、後輩連中は店を辞めてから誰も親しくしていなかった。俺が最後に話したのはやはり4月だったと思う。「どうだ？　うまくやってるか？」みたいに、初めて自分からAに電話した。

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従業員やアルバイトに仕事以外で自分から電話したのは後にも先にもその一回きりだ。その時少し落ち込んでいるようだったので、わざわざ出向いてファミレスで二人で飯を食った。職場の愚痴を少し聞いて、夏休みになったらどっか遊びに連れてってやるよ、誘うメンバーも決めておきな、みたいな事を話した

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その時には就職先のそばに引っ越していたんだが、初めてその街を訪ねて、夜だったが、ちょっと嫌な街だなって感じがした。送っていったアパートもちょっと若い女の子が一人で住むにはどうだろって感じだった。打ち捨てられた、場末の街。大阪の南のほうで、少なくとも彼女には似合わない街だった。

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それから結局連絡はしなかった。どうも俺は人間関係に淡白なのだ。8月に入って一度そろそろ連絡しなきゃなって、思い出したところで、事件発生。

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結局、なんの手がかりもなく、警察からの連絡待ちだったんだが、実家の方は3日くらいですぐに連絡がついたらしい。が、何も解決しなかった。そもそも俺は実家に訪ねていって経緯を聞くような立場にない。警察から店に「ご両親から事情は確認しましたが、お嬢さんはまだ帰ってきていないようです」

川井俊夫 @toshiokawai1122

と連絡を受けた部下からその報告を聞いただけだ。職場は？　アパートは？　と気になることはたくさんあったが、俺は探偵でも刑事でもないし、そんなにヒマでもない。好奇心で非日常的な冒険を楽しむほどの活力もなかった。ただ、真相が知りたいな、と思っていただけだ。

川井俊夫 @toshiokawai1122

ここから少しオカルトじみてくるんだが、ある夜寝付けなくて（これは良くある）、いつものように少し車で遠くまで行こうかなって思った。嫁さんにそのことを伝えてから、サンダル履きで、なんとなく高速に乗って、和歌山方面に向かった。

川井俊夫 @toshiokawai1122

阪和道を下って、そういやここから先、行ったことあったっけ？とふと考え、ああそういえばAに会いに一度だけここより先まで行ったなって思い出した。

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和歌山の南端まで一気にいくつもりだったけど、まだ夜明けまで随分時間もあるし、何の気なしにICを降りて、嫌な感じのする街を走った。夜中で車通りも人通りもまるでない。整備された駅前から少し中に入ると、途端にうらびれたというか、生気のない感じになる。

川井俊夫 @toshiokawai1122

背の低い民家と小さな工場、とっくに営業を止めている店舗跡、空き地、空き部屋ばかりの公営団地、街灯もほとんどなく、薄暗い月明かりの中をおぼろげな記憶を頼りに彼女のアパートの側まで行ってみた。

川井俊夫 @toshiokawai1122

うまく言葉で表せないんだが、アパートに近づくにつれ、全身に鳥肌が立って、涙が出てきた。街自体が不気味な感じだったせいもあると思う。車を止められる幅の道がなかったので、結局アパートの前まできてしまった。

川井俊夫 @toshiokawai1122

別にアパートには何もなかったし、彼女の部屋も知らない。部屋の灯りはひとつもついていなかった。アパートの奥側に一つだけ背の高い水銀灯があって、かなり暗いが一応奥のフェンスの付け根あたりを照らしてた。2階への階段は、きっとあちら側なんだなと思った。