審理経過。 被害者→無理矢理姦淫。 被告人→手淫してくれるとのことだった。同意あり。 1審は有罪認定。被害者供述は全体として信用できる。
2012-09-29 14:09:15控訴趣意書では、被害者供述が不自然との主張。 ・時間経過が不自然 ・供述による被告人の行動が不自然 ・供述による被告人の犯行態様は不自然 ・被害者の犯行前から犯行時の行動が不自然 ・犯行後の行動が不自然 ・被害者供述の不合理な変遷 ・虚偽供述の動機あり
2012-09-29 14:11:49反対意見あり。 ・女性は逃げない、助けを求められない、抵抗できない ・「一見常識的に見える」経験則の疑問→現実の犯罪に根ざした経験則 ・女性の仕事との関係を遮断 ・権力性へのまなざし(「他人の反応、女性を自己の意に従わせる手段や女性がどのような行動をとるかなどを熟知している可能性
2012-09-29 14:16:32この評価の対立は、刑事裁判で甘受しなければならない自由心証主義の範囲内なのか。
2012-09-29 14:18:26なぜ評価の違いが生じたか? ・補強証拠の存在を重視した多数意見 最判平成21・4・14千葉補足意見の影響 履き替えたパンティ・ストッキングの不存在、膣内への精液_傷の不存在等の直接証拠を重視
2012-09-29 14:20:35ただし無視される補強証拠も存在 ・同意の上での手淫ならば、なぜハンドバッグと右の袖口に精液がつくのだろうか。 同意の上の行為であれば、態勢を整え、ハンドバッグは下に置くか、左にかけるか、するはず。被告人もハンドバッグは左だと証言。でも、そうであれば精液はハンドバッグにはつかない。
2012-09-29 14:23:18もしこの論理を強調すれば、巧妙な性犯罪が犯罪として評価される可能性が奪われる。
2012-09-29 14:24:07金銭のやり取りについての被告人供述の重視。 金銭がからむ、イコール合意領域という前提。 対価が存在しても同意が必ずあるということはない。 そもそも対価を払った性的行為には権力関係が存在し、性的自己決定の観点(対等な両者における合意)からは、合意の領域は・・・
2012-09-29 14:26:09多数意見にみられる「論理則・経験則」とは。 ・性犯罪被害者は「逃げる、助けを呼ぶ、抵抗する」 ・人間の行動は常に同一である、エスカレートしたり変化する可能性はない ・未成年者でも性的成熟していれば成人と同様に扱う ・仕事があり家庭があれば買春等はするが性犯罪は行わない・
2012-09-29 14:28:39・女性の証言は、特に性風俗産業従事者は信用できない。 ・女性は、時により嘘をつく
2012-09-29 14:29:21そもそもの経験則・論理則が「推理や憶測を駆使して」いる場合はどうするか。
2012-09-29 14:30:03・「逃げる、助けを呼ぶ、抵抗する」という性犯罪被害者に対する「強姦神話」に基づく見方をしているという認識の欠如 ・「自由心証主義の範囲内」といっても、その範囲内であるという判断を自らが行う。
2012-09-29 14:33:18・そのため、裁判所が認めてきた「経験則」にバイアスがある場合、「強姦神話」に基づいた「経験則」が採用され続ける。
2012-09-29 14:33:27女性が、一定の関係ある人から離脱するのは難しい。抵抗しない、助けを呼ばないから強姦ではない、というのは誤り。
2012-09-29 14:37:18経験則も論理則も、裁判所が、自分がこう思うからこうだと言っているだけ。
2012-09-29 14:38:59性犯罪が「権力犯罪」であるという意識の欠如。 ・性犯罪は相手を支配するための暴力として用いられるという認識=権力犯罪という認識の欠如 ・社会構造が、男性や年上の人に対しては従順で・・・
2012-09-29 14:40:34・強姦罪に該当する行為は親密権に属しているために対等な力関係を前提・・・
2012-09-29 14:41:21・性犯罪の成立と同意との間には、広い「意に反した性的行為」が存在する。
2012-09-29 14:43:41