【二次創作な】「フロム・ネオサイタマ・ウィズ・ニンジャ」＃１

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（フォロワーの皆さんへ：書籍の発売によりニンジャアトモスフィアが満ちた。そこでニンジャスレイヤーの二次創作小説を流します。二次創作なので原作との整合性やクォリティはそれなりだ。お目障りの場合はお手数ですがリムーブ等をお願いします。）

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（なお、今日はSAKIBUREが飛んでいるので本家の更新が来たら速やかに中断される。また、 #piyo_nj という実況タグがある。これを使うと僕が後で感想を眺めてニヤニヤするのに非常に便利なのでとても推奨だ。それではお楽しみください。）

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「フロム・ネオサイタマ・ウィズ・ニンジャ」＃１

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違法操業が常態化した暗黒メガコーポと言えども、ウシミツ・アワーともなればその社屋に従業員の姿は無い。増してや社員にすらその存在が隠匿されている機密データベース室である。そこに人の気配があろうはずもなかった。大型ＵＮＩＸが静かな寝息を立てている他に、音を立てる物は一切無い。1

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部屋中を走る無数の赤外線センサーと感圧式のタタミ床、スタンドアロン化されたＵＮＩＸ。正規エントリーには三つの鋼鉄フスマにそれぞれ備えられた生体認証をクリアする必要がある。食品業界シェアナンバー・ワンの座に収まるヤンバナ・サシミ社、そのセキュリティは軍需企業並みである。2

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だが、強固なセキュリティはすなわちそこが弱点、心臓部だと喧伝しているに等しい。そしてそれがブッダならぬ人間の手で造り出された物である以上、破れぬ道理は無い。特に…人ならざる者、ニンジャにとっては。天井の通風口から逆さまのロシア帽風メンポが覗いた。「ドーブルィ・ヴェーチル…」3

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張り巡らされた赤いビームは「惨」のカンジを描いている。直視すればそれだけで恐怖を覚え退散する仕組みだが…ロシア人である彼、サボターには通用しない。「シトー・エータ？日本人こういうとこ凝るしますね。不合理」彼は無造作に降りた。両手の赤外線マグライトが閃き、センサーを次々欺く。4

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空中で一回転し音もなく着地。床の感圧式センサーは作動しない。何故か？サボターは僅かな不感部分である感圧素子のフチを見抜いていたのだ。何たる洞察力、そして器用さ。意外に思われるかもしれないが…ニンジャは圧倒的なカラテを持つ戦士であると同時に、天性の工作員、スパイでもあるのだ。5

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彼は懐から二枚のフロッピー…起動ディスクとデータコピー用ディスク…を取り出し、それぞれを端末のAドライブとBドライブに差し込んだ。モニタが光を放ちパスワードの入力を求めてくる。「オ・サ・ツ・ミ・オ・イ・ツ・イ…と」ピガーッ！エラーだ！彼は訝しむ。事前情報は間違っていたのか？6

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「パチムー？…ああ、私が間違い。日本語難しいことですねとても」端末を再起動、改めてパスワードを入力。「オ・サ・シ・ミ・オ・イ・シ・イ…そうは思えないですけど。生ザカナ野蛮ですね、焼いたり煮たりするしなさい」ログイン成功。サボターはコンソールを起動、検索コマンドを打ち込む。7

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本ミッションの目的は二つ。ヤンバナ社の大規模食品偽装に関わる贈賄の証拠となる帳簿ファイル、及び偽装のノウハウが記載された技術書ファイル。サボターは超人的タイピング速度でこれらを発見、ニヤリとほくそ笑むやコピーコマンドを実行。トトト…トトト…ディスクにデータが流れ込んでくる。8

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トントン…トトト…ト…。アクセス音が途切れると同時に彼はディスクを引き抜いた。再び懐に収め、その代わりにヨーカンめいた塊を取り出す。それは味こそ甘いがヨーカンではない。高性能プラスチック爆薬である。爆薬をＵＮＩＸ筐体に塗り付けるや否や彼はハイジャンプ、通気口へと消えた。8

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ＫＡＢＯＯＯＯＯＭ！サーバ室大爆発！ジリリリリリリリ！火災警報！パオーウ！パオーウ！アラートサイレン！「ナンコラー！？」「スッゾコラー！？」警備クローンヤクザ出動！ウシミツ・アワーに眠るヤンバナ・サシミ本社ビルは騒乱の只中に叩き込まれた！大混乱の最中サボターが逃走を開始！9

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彼はスプリンクラー全開の廊下を駆け抜ける！「ナンコラー！」立ち塞がるクローンヤクザ！「パンキ！」ハードル走めいた開脚ジャンプキックで頭部を破壊！行き掛けの駄賃とばかりに爆薬を後ろに放る！角を曲がると同時に…ＫＡＢＯＯＯＭ！「「アババーッ！？」」追手のクローンヤクザがゼンメツ！10

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ＣＲＡＡＡAＳＨ！ガラス窓を蹴破りビルを脱出！眼下には水産倉庫群とサシミプラント！地上一五階よりの落下だがサボターは難無く着地、サイレン鳴り響く倉庫群の屋根を底姿勢で駆け抜ける！漂う魚臭さがメンポをすり抜ける「パルィーバ！シトー！ノブゴロドよりヒドいです！日本人！臭い！」11

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ズガッ！ズガッ！ズガッ！そこかしこに配置された漢字サーチライトが点灯！せわしなく動き回る無数の光の円を風めいた速さの影が横切る！繰り返すがロシア人であるサボターにカンジ拘束は通用しない！「イヤーッ！」スリケン投擲！「アバーッ！？」サーチライトを貫通し操作クローンヤクザを殺害！12

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果てしなく続くかのような倉庫街、その終端が地平線めいてサボターの視界に入った。後は作業トラックに偽装した逃走車両に辿り着けば一段落だが…「パンキ！」不意に悪寒を感じた彼は四肢を大の字に開き真横に飛ぶ！「フィヒーッ！」振り抜かれた針がメンポを掠め火花を散らす！敵ニンジャである！13

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「イヤーッ！イヤーッ！イヤーッ！」サボターは横飛びからワーム・ムーブメントに移行しつつロシア十字架型のスリケンを複数投擲、しかし敵の動きは極めて素早い！ヌルヌルとした回避動作でサボターに迫り「フィヒヒヒヒーッ！イヤーッ！」右手からカタールめいて突き出す針で刺突！刺突！刺突！14

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サボターは逆立ちで飛び離れこれを紙一重回避、魚粉サイロに着地し敵の姿を確認。ぼやけていた影がピントを結ぶかのように収束し、痩身矮躯にガスマスクメンポを装着したニンジャとなった！「ドーモ…モスキートです」クネクネとした掴み所の無いオジギ、しかし先制アイサツは実力の証である！15

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「ラドスヴォミ・パズナコーミッツァ、モスキート＝サン。サボターです」「ずっと尾けていたが…男！ロシアン！役得無し！ということで俺としては早く帰りたい。どうかな、その懐のディスク、大人しく渡してもらうわけには…」「シトー？あなたどこのニンジャですか？パチムー私の邪魔するのか？」16

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「フィヒヒヒヒーッ！」モスキートと名乗ったニンジャは、その名の通り蚊の羽音めいた不快な笑い声を上げた。「言えるわけが！ない！しかし…そのサシミ粉末の製法が記録されたディスク…ソウカイヤの手に渡れば少々マズイことになる。バランス循環が…無理な輸血めいて…」ポエティックな言葉。17

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「日本人の無駄な文学性イライラしますね。私逃げる、あなた失敗。これ全て合理性です」「どうかな」モスキートの姿が突如霞み消滅！サボターはパンキ第一防御の構えで警戒するが…「フィヒヒ！」耳元に不快な囁き声！モスキートがサボターの背中にしがみ付いている！その過程は全く目視できない！18

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何たるニンジャ隠密性とニンジャ敏捷性！「フィヒッ！」モスキートはガスマスクメンポから生えた吸血針でサボターの首筋を狙う！命の危険を感じたサボターは「イヤーッ！」コマンドサンボイポン背負い！モスキートの矮躯を軽々一〇メートル投げ飛ばす！だがモスキートの手には…「イタダキ！」19

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ナムサン！フロッピーディスク！サボターは懐を確認、当然そこには存在しない！モスキートはサボターに組み付くと同時にその懐からフロッピーをスッていたのだ！タツジン！「男の懐などまさぐってしまった！気色悪いーッ！」「ヤニポナャール！返しなさい！」サボターが追う！モスキートが逃げる！20

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「イヤーッ！イヤーッ！」連続で放たれるロシア風スリケンをモスキートはクネクネと蛇行し撹乱！両者の走力は互角、だがサボターは血膿めいた異臭に気付く！闇に紛れ目視はできないが…モスキートが背負う試験管型シリンダーが何やら剣呑な液体を噴霧しているのだ！「シトー！？」汚染血液である！21