黒バスプラス#1

久佳(hisaka_rl)が投下した#黒バスプラス のログ。1~50まで。
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あとり @atori00000

小さな出来心で、騒がしい教室のなか静かに席に座る赤司くんの目を背後から覆ってみた。彼の肩が僅かに動き、手にそっと触れられ名前を呼ばれる。「自信たっぷりだね」「当たり前だろう」手を離す。振り向いた警戒色が笑った。「君の手も、脚も、すべて僕のものだ。間違うはずがない」 #黒バスプラス

2012-09-02 22:24:36
あとり @atori00000

「誕生日おめでとう」そう彼女が差し出したのは可愛らしい包み。「ボクに?」「うん。この前良くんに教えてもらったレシピで作ったの。良くんのには劣るだろうけど……」「そっそんなこと!」思わず大きな声が出た。驚く彼女。「あ、その、すごく嬉しい、ありがとう……!」顔が熱い。 #黒バスプラス

2012-09-09 02:19:53
あとり @atori00000

「黒子くん」呼ぶと短い返事と共に、真っ直ぐで強くて優しい綺麗な彼の瞳に私が映る。「あのね」「はい」「本ばかりじゃなくて、私も見てほしいな……なんて」まるい瞳が瞬かれる。急に恥ずかしくなって視線を逸らすよりも先に、ふわりと笑う彼が目に入った。「ちゃんと、見てますよ」 #黒バスプラス

2012-09-16 12:40:58
あとり @atori00000

足音を忍ばせて彼の背後からそっと抱き着いてみた。ゆるりと振り向いた赤司くんと目が合い、今更ながら恥ずかしくなって彼の背に顔を伏せる。「急にどうしたんだ?」「せ、背中があった、から」言うと、可笑しそうに小さく笑われた。「どうせ抱き着いてくれるなら、正面からがいいな」 #黒バスプラス

2012-09-19 01:43:56
あとり @atori00000

「花宮くんは私のペットたちに謝るべきだよ」「はあ?」「ミニチュアダックスとロボロフスキーハムスター」「……おい」「かわいいあの子たちがゲスい花宮くんと同じ特徴を持ってるだなんてかわいそいたたた痛い痛い花宮くんごめんなさいまろ眉って言ってごめ、あ、いっ、たああああ」 #黒バスプラス

2012-09-19 23:24:32
あとり @atori00000

後ろから回された腕。私をがっちりホールドした征十郎くんは、次いで額を肩にあてた。「……眠い」珍しい、と思う。征十郎くん。呼べばぐらりと身体が横に傾いで体勢はそのままに二人揃って倒れる。今度は髪に熱い呼気を感じ、そうっと名前を呼ばれるのが聞こえた。「一緒に寝ようか」 #黒バスプラス

2012-09-23 21:45:54
あとり @atori00000

二人きりの勉強会。シャープペンを握り締め、止まることなく彼の手で綺麗に綴られていく数式を見つめる。「カンニング?」ふと顔を上げた赤司くんがからかうように言った。「違うよ」「なら解らない問題でも?」首を振る。「ただ、赤司くんの字が好きだなあって」そう思っただけだよ。 #黒バスプラス

2012-09-24 00:26:51
あとり @atori00000

「眠いんスか?」電車の揺れに誘われてうとうとしていると、隣の彼が囁く。「寝てもいいよ」「……でも」「着いたら起こすから」ね、と微笑む涼太くんに小さく頷いて彼に寄り掛かる。「おやすみ」緩い微睡みの中、デートの間ほとんど繋ぎっぱなしの手に優しく力がこめられた気がした。 #黒バスプラス

2012-09-24 00:49:48
あとり @atori00000

ぱちり、ぱちり。盤に駒を打つ華奢な指を眺める。「楽しい?」「何が?」「僕の詰め将棋」す、と向けられた左右の異なる色の瞳。暇してないか、と言外に気遣われていることに気付いて頬が緩んだ。「楽しくはないけど」「けど?」「将棋してる征十郎くんが好きだから」つい見ちゃうの。 #黒バスプラス

2012-09-24 21:59:51
あとり @atori00000

「豆腐って手の上で切るでしょ」突然の話題に本から顔を上げる。「いつも怖いの」「どうして?」「手も切るかも、って」真面目な顔で存外可愛らしいことを言う彼女に笑みが洩れた。「でも」「うん」「赤司くんに湯豆腐を振る舞うまでには慣れなきゃ」はにかむ彼女がひどく愛しいと思う #黒バスプラス

2012-09-24 22:16:31
あとり @atori00000

「あっやだ、死ぬ!」そんな悲鳴と共に肩にぶつかってくる彼女に苦笑い。「また?」「だって葉山と違ってこういうの苦手だし……」一緒にやっている狩りゲームに音を上げて口を尖らす彼女に、仕方ないな、と頭を撫でて。「じゃあいっちょ敵さんに仕返ししてきますか!」彼氏らしくね! #黒バスプラス

2012-09-24 22:38:51
あとり @atori00000

「僕の手がどうかした?」じ、と注がれる視線に気付いたのか赤司くんが小さく首を傾げた。「あ、や……手、を」「手を?」「繋ぎたいな、と」ぱちりと彼の瞳が瞬く。「や、やっぱり今のは」「どうぞ?」可笑しそうに笑いながら差し出された手に、そっと伸ばした私の手が温かく包まれた #黒バスプラス

2012-09-24 23:10:16
あとり @atori00000

くるりと丸まって布団にうずまる彼女に小さく微笑み、耳元に口を寄せて愛しい彼女の名前を囁いた。「あかしくん……?」「そうだよ」応えた自分の声がやけに優しくて、どうしようもないな、と一人思う。目が覚めて一番にその瞳に写ったのが僕であることが、こんなにも嬉しいだなんて。 #黒バスプラス

2012-09-25 01:13:27
あとり @atori00000

ぱちり。向かいのホームに立つ鮮やかな赤色の髪を持つ彼を、背の高いお友達と並ぶ彼を、見つめるようになってどれだけ経っただろう。目が合うなんて、初めてだ。「あ……」視線を逸らせず見つめ合っていると、彼が、微笑んだ。「う、わ」初めて見た綺麗な表情に堪らず頬が熱を持つ。 #黒バスプラス

2012-09-25 21:37:01
あとり @atori00000

「男の脚は女性と違って、寝心地はよくないと思うんだが……もう寝た?」そっと尋ねる征十郎くんの声に悪戯心が働いて。膝枕をされた体勢のまま暫く寝たふりをしていると、突然影がさすと同時唇に触れたぬくもり。「狸寝入りもそこそこに、ね」慌てて開いた視界に飛び込む赤が笑った。 #黒バスプラス

2012-09-26 01:09:40
あとり @atori00000

脚の上に乗る鮮やかな赤の髪に触れる。指通りのいいこの髪も、伏せられた瞼を縁取る長い睫も、年相応な寝顔も、すべてがすべて愛しい。「征十郎くん」珍しく甘えてきた彼は膝枕を要求するなりすぐ目を閉じて、小さな小さな寝息を立てている。「好きだよ」今だけはこどもでいてほしい。 #黒バスプラス

2012-09-26 01:18:19
あとり @atori00000

そうっと抱き締めるだけ。身体の距離が心の距離だとは全く思ってないけれど、言葉だけでは伝わらないものがあるのもまた確かで。赤司くん。彼女が僕を呼ぶ。「慰めてくれてるの?」無理に笑う彼女の耳元で、違う、と呟いた。「慰労だよ」君は頑張った。お疲れさま。そう伝える為の。 #黒バスプラス

2012-09-26 01:32:56
あとり @atori00000

「黄瀬」なーに、と彼は窓を見つめていた瞳を私に向ける。「部活行っていいよ」「え?」「あと日誌書いて提出するだけだし」早くバスケしたいんでしょ? 言うと彼は瞠目して、苦く笑った。「オレ、これでも日直楽しみにしてたんスよ」だって、と続けられる。「二人きりになれるから」 #黒バスプラス

2012-09-26 01:45:44
あとり @atori00000

干したてのいつもより三割増しふわふわな布団にダイブ。その心地好さに身を任せていると「夜眠れなくなるよ」なんて言われた。「でも赤司くん」「なに」「たまにはお昼寝もいいと思わない?」一緒にお昼寝したい。重ねた言葉に、暫くの躊躇いのあと布団とは違うぬくもりが私を包んだ。 #黒バスプラス

2012-09-26 19:49:09
あとり @atori00000

椅子に座った赤司くんは机上の盤を見つめたまま、話し掛けても話し掛けても相槌さえくれない。ばーか。内心悪態づき、立ったまま窓に目を遣ると、暫くしてぱちりと一際小気味良い音がして。瞬間強い力でネクタイを下に引かれる。「おあずけはどうだった?」声は唇に触れた熱に飲まれた #黒バスプラス

2012-09-26 23:52:38
あとり @atori00000

「ねえ、すき」まっすぐ向けられた言葉に目を瞬く。可愛らしく小首を傾げる紫原くんは、ポッキーをかじっていて。「え」「好き」「うそ」「ホント。ぎゅーってしたいしちゅーもしたいし、他にもあるんだけどさー」締まりのない笑みに、きゅんときた。「全部アンタとじゃなきゃ、やだ」 #黒バスプラス

2012-09-27 00:06:43
あとり @atori00000

「寒くなってきたね」並んで歩く帰り道、呟かれた言葉に頷く。少し前まではあんなに暑かったのに、気付けば秋らしくなっていて。「赤司くん寒い?」「いや。君は?」「ちょっと」素直に答えると、突然手がぬくもりに包まれた。「これで我慢してくれ」思わぬ幸せな展開に笑みが零れる。 #黒バスプラス

2012-09-27 01:40:22
あとり @atori00000

【髪を少し切ったら/黒子】じ、と見つめてくる澄んだ瞳にたじろぐ。「黒子くん……?」恐る恐る名前を呼ぶと彼はゆっくり目を瞬いて。「髪、切ったんですね」「あ。気付いてくれた?」「はい」お似合いです。ふわりと微笑む彼が続けたさりげない言葉が嬉しくて、つられて頬が緩んだ。 #黒バスプラス

2012-09-27 23:29:06
あとり @atori00000

【髪を少し切ったら/黄瀬】「あ!」遭遇するなり声を上げた黄瀬くん。「髪、切ったんスね」少ししか切ってないのに。流石モデルというべきか目敏い彼に驚いていると「こっちのがかわいい」なんてきらきらな笑顔と共に褒め言葉。「不意打ちずるい……」これには染まる頬を隠すしかない #黒バスプラス

2012-09-27 23:30:22
あとり @atori00000

【髪を少し切ったら/緑間】気付いてくれるかな。そんな朝からの期待は見事に打ち砕かれ、並んで帰る帰り道。「機嫌が悪いな」「……緑間くんのばか」揺れた瞳に罪悪感がちらり。「ごめん、今のは――」「……髪」似合っているのだよ。呟かれた言葉。見上げた彼の耳は赤く染まっていた #黒バスプラス

2012-09-27 23:32:17