科博国際シンポ2012実況ツイまとめ
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塚谷さんの話。キジカクシ属で葉のように見えるのはシュート由来の葉状枝。しかし葉と同様に表裏があり、分裂組織も基部のみに局在するなどそっくり葉のような構造をしている。多くの葉に特異的な遺伝子発現パターンを示すが、一部発現しない葉特異的遺伝子もある。
2012-10-07 10:27:57先ほどの話を少し訂正。食用アスパラガスの葉状枝では、表を決定する遺伝子が働かなくなって、全て裏の状態になっている。
2012-10-07 10:34:53シュナイダーさん(英自然史博物館)。種分化は中立的な過程ではなく、系統群の古さと種数は普通相関しない。例外は葉状苔類。
2012-10-07 10:57:232004年に、シダの多くが被子植物の陰で最近多様化したことを彼は発表したが、その後のさらなる解析で、着生性の種はK/T境界をはっきり境として、第三紀に多様化していることが明らかになった。
2012-10-07 11:11:17厚井さんの発表。カワゴケソウではふつう、一次根は無く、水平方向に生長する不定根から新たなシュートが発生するという特異な性質を持つ。しかし姉妹群のオトギリソウ科でも、同様の不定根を出す能力がある。 また祖先的なカワゴケソウの属では発生の初期に一次根が存在する。
2012-10-07 11:35:55瀬戸口さん(京大)の発表。日本列島の南北に広く分布するミヤコグサの開花がいかに遺伝的に調整されているか。フィトクロム遺伝子PHYA,PHYB,PHYEの重要ドメインに非同義置換を多く検出。 しかし地理的な分布と変異は一致せず。
2012-10-07 12:07:07ブランドレットさん(西オーストラリア大)。菌根共生のレビュー。外生菌根の起源は被子植物で15回。特にオーストラリアのマメ科やフトモモ科では繰り返し進化している。
2012-10-07 13:58:15西オーストラリアではユーカリなどの大型の樹木だけでなくマメ科などで小型の木本にも外生菌根性のものが多いのが、多様性が高い理由だそうな。
2012-10-07 14:07:55谷亀さん(北海道大)。独立栄養性と思われていたサイハイランの菌根には、菌従属栄養性のタシロランなどとだけ共生すると考えられていたイタチタケの仲間がいることがあることが明らかになった。
2012-10-07 14:21:12キンランとコナラと共生菌三者の共培養実験の結果、共生菌無しではキンランは生長できず、18ヶ月で完全に絶えてしまうことを証明。すごい実験!
2012-10-07 14:27:13ランバースさん(西オーストラリア大)西オーストラリアのヤマモガシ科植物は、極端にリンが少ない土壌に生育し、世界で最も葉の含有リン当たりの光合成能力が高い、「リン節約型植物」
2012-10-08 09:16:53同じ地域のソテツ(マクロザミア)は、共生シアノバクテリアが作る強力な神経毒物質によって比較的リン含有量の多い葉を守り、葉の長寿命を獲得している。
2012-10-08 09:45:38ボンドさん(ケープタウン大)。山火事は人間活動による伐採などの結果ではなく、自然な環境遷移である。ゆえに、古代から山火事が起きる環境に適応した植物群が存在する。
2012-10-08 09:45:54森林化した場所は山火事に抵抗性が生じ土壌が発達し、土壌が発達せず養分に乏しい山火事が起きやすい場所との間で環境の分化が起きている。両者の間でそこに適応する植物群が多くは科レベル、属レベルではっきり異なっており、このような環境の分化の起源が非常に古いことを示唆している。
2012-10-08 09:50:18被子植物の台頭に火事が関わっていたのではないかという仮説。初期の被子植物が山火事ー開花サイクルで拡がるのに適した生活史戦略をもっていたこと。白亜紀には湿潤な環境でも火事が起きるくらい酸素濃度が高かったこと。実際に白亜紀の地層から炭化した植物化石が多く発見されていることなどが根拠。
2012-10-08 10:03:12タッティーニさん(イタリア植物防疫所)。植物のフラボノイドはよく信じられているようなUVBに対するフィルタリングの機能を果たすのではなく、ストレス応答における活性酸素種の除去に働く。
2012-10-08 10:25:58