39
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
料理って達成感が得られやすいじゃないですか。科学の実験のようなというか。1+1=2みたいな。これとこれを組み合わせて、こう加熱したらこの結果が出る、みたいな。それが好きなんです。漫画編集者の仕事ってね、すっごく楽しいけど、でも「負け」の多い仕事なんです。
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
実感としては100戦して3勝くらいがやっと、みたいな感覚です。エースと言われるヒットメーカーでも100戦10勝くらいの気持ちではないでしょうか。漫画家さんも同じかもしれませんが、ある程度、実力のある漫画家さんなら人気も売り上げも高位安定する瞬間がありますよね。もちろんそれは担当も
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
もちろんそれは担当も嬉しいけれど、ただ、僕らはどうしても1本の人気作品だけを担当し続けてハッピー!とはいきません。多くの新人漫画家を売り出したいし、連載作品も複数担当しているのが通常です。でも、雑誌で人気一位を獲得できるのは1作品だけ。そこに言い知れぬ敗北感を感じてしまうんです。
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
作家でもないくせに当事者意識だけはたっぷりでかっこ悪いかもしれませんね。でも、新人さんでも同じです。連載会議や連載コンペでは、当然、落選してしまう作家さん、担当のほうが多い。新人作家が少ないと言われるマガジンでさえ10本中1本通るのがやっとではないでしょうか。
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
もう中堅と言っていい僕でも、会議であっさり落ちることもあります。新人賞に出品して賞がもらえないときもあります。そんなときのほうが多いんです。そういうとき、僕らはとても落ち込みます。眠れません。漫画家さんと僕らは一蓮托生ではありません。
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
漫画家はいつでも食いっぱぐれる危機感を背負っています。たったひとりで。場合によってはご家族の分の責任も背負い込んで。僕らは、ひどい言い方をすれば、どれだけ失敗を積み重ねても、簡単にクビになるわけではありません。安全圏からエラそうに物を言っているという言い方もできるでしょう。
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
だから僕は(そしてたぶんマガジン編集部の編集者みんな)、漫画家さんたちとは無言の約束をしていると思っています。たとえ自分がいなくなっても、自分が担当じゃなくなっても、その漫画家さんが食い続けられるようにする、そのために全力の努力をするという約束です。
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
編集者は安全圏から物を言っている。漫画家さんは生活を懸けて描いている。そんな両者を結ぶものがあるとしたら、やっぱりそれは漫画が好き、読者が好きという、「愛」のようなものだと思う。だから、冷静でいようと努めながらも、つい過剰に感情移入し、そして上手くいかない時、落ち込むんです。
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
今、マガジン編集部は新人漫画賞の選考まっさかりです。一番、楽しい仕事ですが、一面から見ればそれは一握りの勝者と多くの敗者を生み出す仕事です。衿を正して原稿を読み、そしてこの瞬間、敗者となった方々も、しかし半年後は勝者となっていられるようなアドバイスができる選考をしたいと思います。
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
ありがとうございます。お答えします。RT @yusai @betsumaga 質問です。漫画家に担当編集を割り振る上で気をつけていらっしゃることなどがあればもう少しつっこんだところが知りたいです。漫画家にきちんとした力量があれば編集が誰であれ力を発揮できるのか否か。
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
編集者の視点から、答えさせてください(それしか知らないので)。僕らが新人作家さんの担当になる方法は大きく分けて3通りです。1)原稿持ち込みから担当になる。2)新人漫画賞の応募作に担当希望をする。3)コミケなどの同人誌即売会に行き、スカウトする。その3通りです。
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
1番の原稿持ち込みを拝見するために、編集部では熾烈な電話取りの争奪戦が行われます。とりわけ若手編集者は必死です。マガジン編集部に電話されるとプルッと鳴ったか鳴ってないかの間にもう誰かが電話に出るでしょう。そのくらいの激戦です。
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
2番の新人賞での担当希望も、ドキドキです。担当希望者が自分だけならいいのですが、人とかぶった場合、新人賞の責任者(もしくは編集長)が指名します。選びにくい場合はジャンケンで決める場合もあります。みんな自分こそが担当にふさわしいというアピールをしたり、ジャンケンの練習をします。
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
3番のスカウトも楽しいです。積極的に自分が「大成する!」と思った作家に接触できるわけですから。ただ、僕を筆頭にけっこう人見知りの編集者も多いので、あんまり上手く話せずに轟沈する場合も多いです。「あのマガジン編集部の・・・」「はあ?マガジン?」「いや、スミマセン・・」みたいな。
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
ははは。そうなんです。すみません。午後から夜24時くらいであれば編集部員が出ますが、朝9時半~12時くらいはバイトの方が電話に出て、折り返させてもらいます。 RT @seitarofujita @betsumaga 午前中に電話かけてもバイト君しか出ないんじゃないのですか?(笑)
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
では、1番~3番のそれぞれを新人作家さんから見たら、どう見えるか考えてみましょう。1番の持ち込み。新人作家さんは、もしかしたらこれが一番不安が大きいでしょうか?誰が来るかわからない。どんな編集者かわからない。自分と好みが合うかどうかもわからない。たしかに不安ですよね。
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
でも、こんな考え方もあるかも。持ち込みで原稿を拝見する編集者は、やる気に満ちたマガジン編集部でも最もやる気のある人間です。業務を抱えながらの熾烈な電話取り合戦に勝った奴ですから。そして時に新人作家さんにとって最も有用な編集者はセンスのいい編集者よりも、やる気にあふれた編集者です。
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
何をしても伸びる時期ですから、何かをさせてくれる編集者がいいんです。センスが良すぎて「ちょっと待って、もうちょっと考えよう」と歩みを止めてしまう編集者よりも、どんどん描こうもっと描こうと言ってくれる編集者が良い時期はあります。もちろん一人の編集者が両方使い分けられたら最高ですが。
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
2番目の新人賞投稿作への担当希望も不安でしょうか?適当に手を挙げただけで、やる気のない人だったらどうしよう。何人か担当希望がいたらしいんだけど、どうやって決まったんだろう。ちゃんといい人を選んでくれたんだろうか、とか。
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
ひとつ言えるのは、僕らは「原石だ!」と思わなければ担当希望しません。とりわけマガジン編集部だと新人さんが少ないこともあって、かなり親密なお付き合いになっていきます。僕らの人生の何十分の一かを割いてもいいと思って、担当希望を出しています。
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
だから、少なくとも、その担当者は、あなたの担当になれてラッキー!超嬉しい!と思って、あなたに電話しているはずです。そんな担当者がはじめの担当というのもそれはそれで楽しいことだと思いません?きっと次回作は今よりいいものが描けると思いますよ。
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
3番目の即売会などでのスカウトは、新人さんにとっては最も強気に出られる立場ですね。このケースは、逆に僕からお願いがあります。名刺を渡してスカウトした新人作家さんは、執筆ペースが遅い傾向にあります。持ち込みや投稿といったはじめの一歩を編集者側から越えてしまったせいでしょうか?
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
原因は分かりませんが、超有望だったのに持ち込みで出会った新人さんに抜かれていくケースも多く拝見します。だからお願いなんです。もしかしたら漫画はまだ趣味の範疇でしかないかもしれない。ある程度、描きなれていて満足のいくクオリティを保つのに時間がかかるのかもしれない。
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
でも、おそらく、あなたに名刺を渡した編集者は世界で一番に近い、あなたのファンです。どうかそのファンのために、どんどんじゃんじゃん、作品を製作してほしいなあと思います。期限を区切ってじゃあ2年だけガッツリやってみよう、というのも良いと思います。
班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 @betsumaga
ひとりでたくさん作ってきただけに、打ち合わせをして漫画を描くのって面倒だなって思うかもしれませんが、世界一のあなたのファンだと思えば、ちょっとは話す価値もあるかもしれませんよ。どうかよろしくお願いします。
残りを読む(13)

コメント

nexxas @nexxas 2012年10月9日
僕が育てた漫画家さんの中で、「芽が出ないから切れ」と編集長に言われた漫画家さんがいますね。今では別の編集部でベテランとして活躍し、1年に数冊はコミックスが出るくらいになりましたが。当時は編集長の圧力が大きくストレスだったことを覚えています。
ログインして広告を非表示にする
ログインして広告を非表示にする