【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】③

宗教学者 島薗進氏の第3弾です。 原爆被害調査から、チェルノブイリ調査を経て、福島原発事故後の調査まで一貫している「調査すれども治療せず」の姿勢を指摘。あわせて、チェルノブイリでは行った血液検査さえ福島県では行われていないことにも言及しています。 「福島県民健康管理調査」は単なる「人体実験」や「データ収集」では収まらない、事故の健康影響を過小評価する作為的な「調査」になっていることがわかります。
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第一弾

まとめ 【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】① 【福島県県民健康管理調査と調査者の権限・責任】①~⑮ http://togetter.com/li/383953  の続編となる、宗教学者 島薗進氏の連続ツイート第1弾です。 「毎日新聞」の連続スクープにより、この「調査」が住民への情報を操作して、意図的に誤誘導することを目的としていることが暴露されてきました。 2092 pv 30 10

第2弾

まとめ 【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】② 宗教学者 島薗進氏の連続ツイート第2弾です。 福島県民健康管理調査ははたして、何を目的にしてるのか? あるいは、この調査を、どのように変えれば活用できるのか、具体的な提案がかかれてます。 994 pv 10

それでは、今回の第3弾です。

島薗進 @Shimazono

1【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】③アメリカのABCC(原爆傷害調査委員会)が行った原爆調査では、数十年かかってようやく分かる低線量被曝の問題が中心的な調査課題とされた、ABCCを引き継いだ放射線影響研究所(放影研)もそれを踏襲してきた。調査すれども治療せずの体制だ。

2012-10-10 09:22:53
島薗進 @Shimazono

2【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】③ABCCや放影研の「調査すれども治療せず」の体制は加害者側の調査としては理解できるが、被害者側からはどうにもやりきれないもの。実験材料にされたという記憶が焼き付いている。このやり方は放影研の理事長を16年も務めた重松逸造によって

2012-10-10 09:23:24
島薗進 @Shimazono

3【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】③チェルノブイリに持ちこまれた。重松逸造の命により笹川チェルノブイリ医療協力の主要スタッフとなった長瀧重信氏とその門下の山下俊一氏はチェルノブイリ被災地でとにかく大量のデータをとることに主眼を置く調査を行った。「量こそ力」との考え。

2012-10-10 09:25:00
島薗進 @Shimazono

4【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】③これは「笹川チェルノブイリ医療協力事業を振り返って」と題された座談会http://t.co/vAtjH8gn から明瞭に読み取れる。彼らは現地には長期滞在できないので診療には当たれないが、高価な機械を駆使したデータ集めはできると

2012-10-10 09:25:26
島薗進 @Shimazono

5【福島…健康管理調査は何を目指す…?】③考えて、データ集め中心の調査を行った。白血病以外は長期的にしか結果が出てこない疫学調査だ。しかし、ABCC=放影研の長期的疫学調査を原理的成果とするICRPの立場を支持し長期的疫学の数値こそ権威ある判断の源後押ししようとする長瀧氏らは

2012-10-10 09:27:02
島薗進 @Shimazono

6【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】③その立場を貫いた。WBCによる外部被曝線量調査、血液検査、甲状腺超音波検査の3本柱だ。実際には早い段階で甲状腺がんが報告されたし血液検査からも異常が見つかっているが、それらに対して診療を行ったりさらなる原因究明を行ったりしていない。

2012-10-10 09:27:16
島薗進 @Shimazono

7【福島県…健康管理調査は何を目指すのか?】③疫学が専門の医学者、津田敏秀氏の『医学者は公害事件で何をしてきたのか』は水俣病等の際、早くに適切な疫学調査を行えば、原因究明を早め被害を防ぐ措置がとれたはずだと論じている。適切な疫学を行えば、早期発見と早期の措置につながるはずだ。

2012-10-10 09:27:33
島薗進 @Shimazono

8【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】③福島県単位で調査をするにしても、適切な疫学調査は可能だ。甲状腺の異常の地域比較はその一つだ。事故後に放射線ヨウ素が取り込まれてから1年半経って、周囲からの要請にようやく応えて、早期発見に役立つはず可能性がある比較調査に取り組んだ。

2012-10-10 09:27:49
島薗進 @Shimazono

9【福島…調査は何を目指すのか?】③余りに遅い出足。血液検査等においてもこれは言える。このように被害者軽視の「調査すれども治療せず」の医学とは何だろうか?医療倫理、生命倫理の書物のどこを学んでも、このような調査を正当化する記述は見出せないだろう。調査デザインの再構築が必要(続)。

2012-10-10 09:28:29