【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】⑤

宗教学者 島薗進氏の第5弾です。 今回は、甲状腺調査に焦点を絞っての話です。
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島薗進 @Shimazono

前置1【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】⑤これまで見てきたのは、①「子どもたちを放射能から守る福島ネット」要望書+秘密会合、②疫学調査と診療が開いてしまう場合、そうでない場合、③ABCC=放影研からチェルノブイリを経て福島への「調査すれども治療せず」系譜

2012-10-12 09:12:24

①です。

まとめ 【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】① 【福島県県民健康管理調査と調査者の権限・責任】①~⑮ http://togetter.com/li/383953  の続編となる、宗教学者 島薗進氏の連続ツイート第1弾です。 「毎日新聞」の連続スクープにより、この「調査」が住民への情報を操作して、意図的に誤誘導することを目的としていることが暴露されてきました。 2094 pv 30 10

②です。

まとめ 【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】② 宗教学者 島薗進氏の連続ツイート第2弾です。 福島県民健康管理調査ははたして、何を目的にしてるのか? あるいは、この調査を、どのように変えれば活用できるのか、具体的な提案がかかれてます。 995 pv 10

③です。

まとめ 【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】③ 宗教学者 島薗進氏の第3弾です。 原爆被害調査から、チェルノブイリ調査を経て、福島原発事故後の調査まで一貫している「調査すれども治療せず」の姿勢を指摘。あわせて、チェルノブイリでは行った血液検査さえ福島県では行われていないことにも言及しています。 「福島県民健康管理調査」は単なる「人体実験」や「データ収集」では収まらない、事故の健康影響を過小評価する作為的な「調査」になっていることがわかります。 1493 pv 19 5

島薗進 @Shimazono

前置2【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】⑤そして、④県民健康管理調査の福島医大での倫理審査委員会に提出された研究計画の適切性、と見てきました。今回の⑤は④の続きで、同じく福島医大での倫理審査委員会に提出された研究計画の適切性を問いますが、甲状腺調査を題材にします。

2012-10-12 09:13:08

④です。

まとめ 【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】④ 宗教学者 島薗進氏の連続ツイート第4弾です。 「調査」する前に「結果」が判明していることになっている、おかしな「調査」の問題点をさらに追究しています。 1120 pv 7

それでは、⑤です。

島薗進 @Shimazono

1【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】⑤県民健康管理調査の福島医大における倫理審査委員会審査資料の一部が公開されている。 http://t.co/4mw3y0Rm  この⑤では甲状腺の記述を見る。「先行調査」と「本格調査」に分けられ、今しているのは「先行調査」。

2012-10-12 09:14:17
島薗進 @Shimazono

2【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】⑤「先行調査」と「本格調査」については、環境省のhttp://t.co/O2R51Hdf (ところでこの資料はどこから出ているのか?)平成23-25年度が「先行調査」、平成26年度からが「本格調査」。なお、この資料は矛盾が多い。

2012-10-12 09:14:31
島薗進 @Shimazono

3【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】⑤一方で「早期発見、早期治療」をうたっていながら、他方、「検査間隔について……「早く」ではなく、「長く、定期的に」が大切です」とある。その前提として「先行調査で発見される様々な所見は、万一、早期に発見される小児甲状腺がんを含め」

2012-10-12 09:15:03
島薗進 @Shimazono

4【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】⑤「原発事故によるものではありません」。この断言は科学的ではない。また、「甲状腺がんは、極めて進行が遅く、2~3年の間隔による検査でも十分「早期発見」となるとされております」とあるが、これも十分な根拠があるのだろうか?疑問。

2012-10-12 09:15:59
島薗進 @Shimazono

5【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】⑤倫理審査文書に戻る。「先行調査では、放射線の影響のない状態(ベースライン)での、甲状腺疾患の頻度・分布を明らかにすることができる」とある。この断定的前提は妥当か?チェルノブイリでも1年目から以前より増える徴候があったと見る事も可。

2012-10-12 09:17:20
島薗進 @Shimazono

6【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】⑤実際、山下俊一氏は『チェルノブイリ原発事故被災児の検診成績』http://t.co/lTAcVMqh (『放射線科学』42巻10-12号掲載、1999)で次のように述べている。「日本や欧米のデータでは小児甲状腺がんは極めてまれで」

2012-10-12 09:17:46
島薗進 @Shimazono

7【福島県県民健康…は何を目指すのか?】⑤「100万人に対して年間1~2名と言われているが、その大半は思春期以降で、10歳未満の甲状腺がんをみることはまずない」「しかし、本プロジェクトを開始した1991年5月には、既に6歳、すなわち事故当時の年齢が1歳以下の小児に頚部リンパ節が」

2012-10-12 09:19:25
島薗進 @Shimazono

8【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】⑤「腫脹した甲状腺がんが発見された。その後、いかに早く小さな結節をみつけても、がんは周囲のリンパ節に既に転移していることが多く、早期に適切な診断が必要であると同時に、外科治療や術後のアイソトープ治療の必要性が痛感された」

2012-10-12 09:19:44
島薗進 @Shimazono

9【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】⑤以上の記述を読むと、もし先行調査で見つかった甲状腺がんが低年齢であれば原発事故の影響を疑って当然ではないか?また、他の甲状腺がんと比べて原発事故由来の甲状腺がんは進行が早いのだから、検査頻度を高めるのは当然ではないか?

2012-10-12 09:20:29
島薗進 @Shimazono

10【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】⑤再び倫理審査文書に戻る。『チェルノブイリ原発事故被災児の検診成績』の記述に照らしてみると、「先行調査では、放射線の影響のない状態」云々という文書の記載は訂正が必要だろう。さもないと倫理審査は適切ではなかったことになるだろう。

2012-10-12 09:20:51
島薗進 @Shimazono

11【福島県…健康管理調査は何を目指すのか?】⑤続いて「本格調査では、放射線の甲状腺に対する影響を評価でき、現時点で予想される外部及び内部被ばく線量を考慮するとその影響は極めて少ないことが明らかにできる」とあるが、これは調べる前から結論を先取りしているので、これで科学的と言える?

2012-10-12 09:21:51
島薗進 @Shimazono

12【福島県県民健康管理…目指すのか?】⑤研究目的をこのように「不安除去」に限定し、総合的な健康維持・増進の視野に立った検査や診療を行うべきであるのに、視野を狭めて発見できるはずの病変をも見逃す可能性が生じてしまう。よってこの倫理審査文書も不適切なものと言わざるをえないのでは?

2012-10-12 09:22:48
島薗進 @Shimazono

13【福島県県民健康管理調査は何を目指すのか?】⑤なお、このように「不安除去」ばかりに力点が置かれるため、県民の健康対策にはなはだしい偏りが生じるのは福島県と福島医大の考え方によるとともに、環境省等政府の政策の偏りにもよる。原発事故の起こりうる被害につき健康維持よりも

2012-10-12 09:23:17
島薗進 @Shimazono

14【福島県県民健康管理…目指すのか?】⑤健康への不安対策に力点を置いて「原子力被災者等の健康不安対策調整会議」というものを設けている。「不安対策」を通して健康について配慮するという倒錯的な政策が行われている。そのことと福島県、福島医大の異様な「調査」には密接な関係がある(続)。

2012-10-12 09:23:58