ともこ( @bufomo )さんによる鎌仲ひとみ監督の講演談。

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鎌仲ひとみ監督の講演会と映画「内部被ばくを生き抜く」の上映会に行く。 映画は原発事故後の福島に焦点を当てたもの。全国各地で自主上映会が開催されている。 映画上映に先立って監督本人の講演会があった。

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【鎌仲監督①】日本は唯一の被爆国と言いながら、被ばくとは放射能の影響とは何かということが教育の中に無くほとんど知らない。原発が爆発するまで、ほとんどの日本人が原発が多数存在することやその恐ろしさについて知らなかった。何故そうなったのか、ということを考えないとまた元に戻ってしまう。

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【鎌仲監督②】何故私達は原発が安全で日本にとって不可欠で、それ無しでは生活できないと思い込まされてきたのか。日本人がそう信じてきたからこそ原発を支持してこういう事態になった。ここで切り替えして新しく未来のエネルギーというものを何とかしなければ、と意識を変化させねばならない。

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【鎌仲監督③】NHKの番組制作でイラクへ行き、劣化ウラン弾という原発のゴミからできた兵器を見た。計測すると3.8マイクロシーベルト。 福島の渡利の市街地の公衆トイレの入口が4.5マイクロ、市営プールの入口が7マイクロ。 多摩川の河川敷の泥が堆積している所でも1〜2マイクロある。

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【鎌仲監督④】文科省は福島県内の学校のグラウンドが3.8マイクロ以下であれば大丈夫だから普通に体育の授業をしろと言っている。それでは子供達の健康や命が守れないのでは、と反発する現場の先生は「危険を煽る」と袋叩きにあい、何人もが退職を余儀無くされていると聞いている。

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【鎌仲監督⑤】原発の廃棄物が戦争に使われているのに「核の平和利用」？劣化ウラン弾は3千度の高熱で燃えながら40㎝の戦車の装甲を溶かし中に入り、一発で破壊できる。 燃えた時放射能を濃厚に含んだ気体に、有毒ガス(プルーム)になる。 今回の原発事故で同じものが環境中に出された。

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【鎌仲監督⑥】イラクで白血病や癌になった子供達が毎日目の前で死んでいった。1989年当時イラクでは経済制裁があり、"イラクに抗がん剤を輸出してはならない"、"WHOは新しい医療情報を教えてはならない"と国連で決議された。⇒フセインが抗がん剤で大量破壊兵器を作るかもしれないから。

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【鎌仲監督⑦】1991年イラク戦争があり、1994-5年位から目に見えて白血病や癌が子供達の間に増え始めた。ものすごく多くのガン患者の子供達に出会ったが、多くはもう生きていない。 経済制裁と劣化ウラン弾のダブル。 イラクの母は世界中から見捨てられた、という絶望的な気持ちで孤立。

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【鎌仲監督⑧】今福島では約36万人の18歳以下の子供達が世界標準でとんでもない被ばくをしている。それに対し政府は「大丈夫」と言うだけ。言われた側は「自分たちは見捨てられたのでは」と感じている。 子供達はすでに鼻血を出したり、甲状腺に嚢胞や結節ができたりして異変がおきている。

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【鎌仲監督⑨】セカンドオピニオンのためエコー画像のデータを貰おうとしても拒否される。県外の医療期間には既に福島医大の県立医療チームより通達がいっており、診察はできないと言われてしまう。 長野県に病院を持つ鎌田医師に相談し、セカンドオピニオンが聞ける医療機関を調べてもらった。

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【鎌仲監督10】南相馬市の中央病院(渡辺病院)で福島県の人のセカンドオピニオン診療が受けられる。福島医大からクレームがついても自主的にやってくれるそうだ。 あとチェルノブイリ連帯基金に相談すると信州大学医学部の窓口につないでくれる。福島の人でも血液検査や甲状腺検査が受けられる。

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【鎌仲監督11】子供が被曝で死んで行く社会に未来はないと思った。イラクの現実を見て何かしなければと映画を作った。NHKのプロデューサー達は国際的に低線量の被曝は無害だと信じている。劣化ウラン弾は非常に低線量で子供達の病気とは無関係という姿勢を貫いている。私の映画は反米的だと批判。

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【鎌仲監督12】瀬戸内海に浮かぶ人口約500人の祝島。29年前に湾を埋めたて原発2基を建てる計画が持ち上がった(上関原発) 。対岸の上関町のほとんどの人が賛成する中、祝島の人は反対運動をし続け、昨年震災が起きる直前には中国電力が力づくで埋めたて工事をするところまできていた。

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【鎌仲監督13】福島原発の事故を受け、ここに原発ができたら自分達の問題でもあると気づいた山口県や近隣市町村は工事の中断を認めた。政府の2030年代原発ゼロの方針を受け、上関計画は白紙撤回と思われた。 しかし中国電力は「私達は絶対諦めません!」というビラを作り上関全戸に配った。

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【鎌仲監督14】中国電力が原発建設を諦めない姿勢を貫く理由は、原発ゼロ方針を言っているのが"民主党の"大臣だから。経団連も自民党も、政権をとったら原発は復活させると明言している。そういうことをぜひ知っておいて欲しい。

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【鎌仲監督15】原発は是か非か、と議論が平行線を辿り解決に至らないということが長年続いてきた。そうではなく、そこから先を考える。百年先日本はどんなエネルギーを使っているのか。スウェーデンは脱原発を決め、脱石油もやっている。再生可能エネルギー100％目指して現在50％到達している。

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【鎌仲監督16】北極圏に近いスウェーデンからみると、日本は再生可能エネルギーの宝庫だという。スウェーデンにできて日本にできないことはない。私達が少しでも安全で安心で、使っても無くならないエネルギーに転換して行くことを選択することが大事。

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【鎌仲監督17】教科書に「原発は日本の電気の30%を賄っている」とあるが、火力や水力発電を止め、原発をフル稼働させることで調整している。発電能力全体からみると原発は不要。出版社の人『教科書の原子力関連のところは全て電力会社の検閲を受けている。そうしないと文科省が通してくれない』

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【鎌仲監督18】ヨーロッパでは国同士で電力の融通が可能(平準化)。日本では東電や関電など電力会社の地域独占があり融通が難しく、電力ロスが多い。先進国の中で電力の平準化が行われていないのは日本だけ。電力の自由化無しでは再生可能エネルギーも増えないし、私達に選択肢も与えられない。

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【鎌仲監督19】日本のエネルギー政策は最終目標が核燃サイクル計画。40年変わっていないが、すでに破綻している。使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す六ヶ所村再処理工場は2億5千万円かけても未完成。広島原爆換算で3発分の放射能漏れ事故を起こし、建屋に充満、その後動いていない。

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【鎌仲監督20】もんじゅは13年前に爆発し、それ以来動いていない。結局何百億円もかけてフランスとイギリスに使用済み核燃料を送ってプルトニウムを取り出してもらっている。プルトニウムは53トンも溜まっている。核武装としてのオプションであると公言すらされている。何が平和利用？

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【鎌仲監督21】海洋汚染については、先日高知県に行ったが、この辺の魚からもセシウムが出ている。鹿児島でとれたマグロからも出た。福島原発から出た放射能の9割は太平洋に拡散し、アメリカの西海岸は九州より汚染されてしまった。西海岸でとれたマグロからもセシウムが出ている。

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【鎌仲監督22】先週チェルノブイリから600km離れたブレストという街に行ってきた。26年たった今、中年女性の甲状腺ガンが多発している。チェルノブイリの年に生まれた26歳の女性も甲状腺ガンになっていた。確かに直ちに影響は出ないが、後々大変なことになる。

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【鎌仲監督23】福島では三春町の町長が安定ヨウ素剤を全部出し、18歳以下の子供達全員に目の前で飲ませた。他の自治体が自分達も飲ませた方が良いのではと福島県に伺いをたてたところ「飲ますべきではない」と回答。福島県は後に飲ませた事実を知りながら、三春町の町長にヨウ素剤の返却を求めた。

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【鎌仲監督24】飯館村は日本一模範的なエコビレッジから、世界一放射能に汚染された村へ。原発が建つと風向きからして真っ先に被害を受けるのは飯館だと分かっていた。しかし、原発には関わらず自分達の村や暮らしを豊かにすることだけ考えれば良い、ということになった。事故で全てがムダになった。