漫画原作者・喜多野土竜(mogura2001)氏「ナスカの地上絵は漫画家なら普通に描ける」

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喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

せっかくなので、ちょっと絵の話を。永久保貴一先生とナスカの地上絵の話になった時、アレは漫画家なら普通に描けるんじゃないか、という話になりました。漫画家の場合、それこそ切手ぐらいの大きさでも原稿用紙いっぱいの大きさでも、登場人物が別人に見えたらアウトですからね。

2012-10-16 15:53:28
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)自分のキャラ限定ではあっても、高性能コピー機のような技術を持ってるわけで。その拡大率は1000%を超えます。で、漫画家の多くは高校の体育祭やら文化祭で、畳何畳分かの看板絵を描くわけですが、こうなるともう10000%拡大。で、ナスカの地上絵はクモが46m、ハチドリが96m。

2012-10-16 16:02:00
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)藤島康介先生とか、10円玉のゼロ大きさと変わらないベルダンディを書かれていたけれど、そこまで行かなくても1cm四方の絵を10cm四方にも1m四方にも10m四方にも拡大できちゃう人間が、100m四方に拡大できない理由はないんですね。自分の身体意識をさらに拡大する作業だから。

2012-10-16 16:06:34
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)これは書家も同じで、小筆で書いた字と同じ筆跡を、抱えるような巨大な筆で何畳もある紙に全身で書く。小手先のテクニックではなく、文字そのものが身体に染み込んでいるからこそ可能。そのような絵や字に比較して地上絵は一筆書きでシンプル。杭とロープで拡大作業もして描いているそうですし。

2012-10-16 16:11:44
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)実際、日本絵画市場の巨人・葛飾北斎は、米粒に絵を書きもすれば、肉筆天井画のように、何畳もある巨大かつ緻密な鳳凰図を、描いている。ミケランジェロやロダンは、人体がわかっていたから何mもある巨大な像を作っても、不自然なバランスにならない。つまり、そういう事ではないかと。

2012-10-16 16:16:27
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)明治の頃、ナウマン博士を指導した弓道の達人は「当たってから矢を放つ」と語ったとか。自分が直に見てきた先生方は、下書きなしでもスイスイ描ける人が多かったのですが、(心の中で)描き上がってから(紙に)画かれていたのでしょう。極意は、どんなジャンルでも通底してるのかもしれません。

2012-10-16 16:20:55