山本七平botまとめ/【虚報とは何か⑤】/国内向けの「虚報」が、海外に出て跳ね返り、惨劇を起こす”図式”を誰一人予見できなかった日本人

山本七平著『私の中の日本軍(上)/すべてを物語る白い遺髪/254頁以降より抜粋引用。
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山本七平bot @yamamoto7hei

26】私はこの記事が「事実」として発表されたことすら知らなかったが、これが発表された時からわずか8年後に、自分が、パラナンのジャングルの腐乱死体の中からかろうじて這いずり出てこようなどとは、当時は夢にも思っていなかった。

2012-10-23 01:57:41
山本七平bot @yamamoto7hei

27】この記事が再び事実として報道され、だれ一人疑わぬ事実として通ることは、外形は変り表現は変っても、国民全般の心理状態は昭和12年当時と非常に似ている証拠かも知れない。 現在のことを私は全く知らないが、もしそうなら8年後にまた日本が別の形で壊滅しても、(続

2012-10-23 02:27:51
山本七平bot @yamamoto7hei

28】続>そして今の何らかの新聞記事を証拠に、また誰かが絞首台へひかれて行っても、今傲然と全てを蔑視している人やグループが、空缶をぶら下げて一列に並び…水の様な粥をそれに受けて啜っていても、私は少しも驚かないし、悲しまないし、絶望もしない――私がそれらの一員であろうとなかろうと。

2012-10-23 02:57:42
山本七平bot @yamamoto7hei

29】虚報の描出する幻影のみを見ていれば、それが起る方が当然なのかも知れない。 それはかつて確かに起った。 従って当然将来も起りうるし、起って少しも不思議ではない。~後略

2012-10-23 03:27:52