デイヴィッド・ピース特別講演 at 専修大学まとめ
デイヴィッド・ピース『越境する言葉、幻の東京』@専修大学on10月27日は神保町にほど近いキャンパスで行なわれます。ミステリ者は@ワンダーとか富士鷹屋などでミステリ古書を渉猟してからいらっしゃるというステキな散歩もありですね。
2012-10-19 18:13:48ハヤカワ文庫から出ているデイヴィッド・ピース作品をご用意できれば、と思ったのですが、現在店頭にあるのは1作目「1974 ジョーカー」のみでした……。しかしながら、著者署名入です。 http://t.co/ykN3JQdI
2012-10-20 12:13:07つか、神保町人大杉ぃぃいいいいい! という、古本祭り仕様だったので、『ろしあ亭』にてスモークサーモンとチーズのラップサンドのみ喰らって出陣。
2012-10-27 22:59:24おまえらがラウドパークに行ったりデイヴィッド・ピースの講演会に行ったりしてるとき、俺は仕事なんだからな。忘れるなよ、俺のこの想いを。
2012-10-24 00:37:40専修大学に着いたときには、もう何人か講義室に座っており、また既にピース先生らが準備をしていた。部屋には昭和の古い音源が響いていた。今日の講演のための入祭唱であった。
2012-10-27 23:05:04自分は教室の真ん中あたりに居座ったが、どうやらそこが分水嶺で、周りや後ろは学生が多かった。「なんでこういう企画なのかな」「わかんない」と、正直な会話が聴こえる。研究会に所属する学生さんは参加せいよ、と言われたのかもしれない。
2012-10-27 23:16:07そんなこんなで講義室は徐々に人が埋まっていき、小山太一先生の司会で講演が始まる。そして、作家のスタンスが表れた第一章を、ピース先生が朗読し始めた。
2012-10-27 23:19:52ピース先生の朗読で感じた、単語の畳み掛ける感――スピード感は、やっぱ凄い。『1974 ジョーカー』にあった音楽的な要素が、炸裂しているのを受けた。言葉と意味による、アンプの壁が出来ていた。
2012-10-27 23:21:24小山先生によるピース先生への質疑応答。ピース先生の子供の頃のイギリス――シンプルに「たのしくない」。ヨークシャー・リッパー、IRAらの活動。外は暗く、おびやかす世界であったそうだ。
2012-10-27 23:23:18ピース先生が作家になるきっかけは二つ。まず、父親がアマチュア的に物書きをしていて、そうした姿を見ていたので物を書く、というのが当然だと思っていた。
2012-10-27 23:27:48作家になるきっかけの二つ目。ロアルド・ダールの『父さんギツネバンザイ』(映画『ファンタスティック Mr.FOX』)。子供の頃、フォックスが出てくる二次創作を書いて、一人で製本したらしい。内容はニワトリを殺したという、無実の罪に着せられるフォックス、というもの。
2012-10-27 23:32:24それにしても、作家のきっかけとなった理由のひとつに、ロアルド・ダールの『父さんギツネバンザイ』とは、かなり驚きであった。同じイギリス出身の作家として、呼応するものがあったということか。
2012-10-27 23:34:051994年に日本に来日。日本に来るきっかけは、マンチェスター大学に所属していたとき、小説を書いたがなしのつぶて、学費の借金を返すためにトルコにいって英語を教えていたが、経済危機が近づき計画がおじゃん。そして――。
2012-10-27 23:38:47――日本を次の稼ぎ場所として、英語などを教えてお金を蓄えようとしたが、来日したらこれまた日本も経済が悪化していったのこと。ピース先生はNOVAで英語を教えていたそうだ。
2012-10-27 23:40:19英語を生徒に教え、交流するなかで、日本文学に触れ、興味をもっていったらしい。※確か、当時ピース先生は小岩に住んでいた、という情報を記憶している。
2012-10-27 23:44:35朗読。『Tokyo Year Zero』の冒頭部分――例のトントントン――をピース先生は読み出す。ヨークシャー四部作のときは内面が渦巻き、思考が乱射され、ぐるぐるまわって落ちていく(byエルロイ)が、ここに来て音が重要になっていく。
2012-10-27 23:49:15音、音、音、それが主人公を急き立てる。トントントンは復興、再生の音でもあるのに、主人公にとっては刻々とせまる怪物的な何か、死の宣告のようにしか聴こえない。文章も音だ。書かれた語句も音だ。音の連なりが、物語ることの線をリアルに近づける。ピース先生の幻視の東京であるのにも関わらず。
2012-10-27 23:53:06この『Tokyo Year Zero』のトントントンは、太宰の『トカトントン』を源泉としている。http://t.co/amsrdl6o
2012-10-27 23:55:29クラシックの対位法のように、と前置きされた小山先生が『トカトントン』が最初に出てくる部分を朗読された。※ただ、物語の核心にリンクするのは中盤からの展開である。そして、ラストに完全に狂気の世界へ陥っていく。
2012-10-27 23:59:53ここで、小山先生からアマゾンのレビュー評などへの言及、そして“ストレイト・ストーリー”(一本道)という形容で、ピース先生の晦渋な構築について切り込む。すると――。
2012-10-28 00:21:10