ヘイル・トゥ・ザ・シェード・オブ・ブッダスピード #2
ニンジャスレイヤーはシマナガシのニンジャ達を見渡す「男はルート808をバイクで走行中に襲われた。同時刻、暴走族の路上占拠が確認されている。今夜のようにな」「で、俺らだッてのか?」アナイアレイターがドスを効かせた。ニンジャスレイヤーは動じず続けた。「そしてニンジャが彼を殺した」44
2012-11-01 16:45:41「くだらねぇ!」スーサイドが吐き捨てた。「ンな事をして、俺らに何の得がある」「その申し開きをせよ」とニンジャスレイヤー。スーサイドは言った。「スリケン・マニアのニンポ野郎なんて、幾らでも居るぜ」「このスリケンと現場のソウル痕跡をあらった。間違いなく、ニンジャの仕業だ」 45
2012-11-01 17:05:27「ムカつくぜ」アナイアレイターが一歩踏み出す。フィルギアが素早く割って入り、自分のコロナ瓶をアナイアレイターの瓶に打ちつけた。「チュース!プロースト!カンパイ!」そしてニンジャスレイヤーに新たな瓶を放った。ニンジャスレイヤーは受け取った。「いいぞ!次は割るなよな……」「……」46
2012-11-01 17:19:21「結論から言うと俺らは無関係」フィルギアが言った。「俺らは気ままに暮らしてンだよ。アリとキリギリスのキリギリスみたいにさ、マッポーカリプスをダラダラ待ってるんだよ。アマクダリと事を構えちまったけど……アンタみたいにさ」コロナを呷り「だがまぁ、俺らに説得材料が乏しいのもワカル」47
2012-11-01 17:21:56フィルギアはニンジャスレイヤーに瓶を掲げた。「そこで俺に提案がある……俺がアンタについていく。ニンジャスレイヤー=サン」「何?」「何言ってンだ、テメェ!」ニンジャスレイヤーとアナイアレイターは彼を凝視し、スーサイドとルイナーは互いに目を見交わした。「まあ聴けッて!」 48
2012-11-01 17:32:38「こいつを殺ッちまえば話は早い」アナイアレイターが拳を固めた。鉄条網がシュルシュルと音立てて渦巻く。フィルギアはアナイアレイターの肩を抱いた。「同じ事を言わせるな。アナイアレイター=サン。しつこいぜ」そしてニンジャスレイヤーを見た「一緒に犯人を見つけて、潔白を証明する。な?」49
2012-11-01 17:35:57「……」「アンタが問答無用で殺すべきニンジャじゃないよな、俺らは。今のアンタなら」フィルギアは言った。「カンパイしてくれ」フィルギアは真顔になり、ニンジャスレイヤーを見た。空気が震えるほどの一秒である。ニンジャスレイヤーは頷いた。「よかろう」そしてコロナの蓋を跳ね飛ばした。 50
2012-11-01 17:42:19「さすがだぜ。話がわかる」フィルギアは歯を見せて笑った。そしてアナイアレイターの首を揺さぶる「ホラ、お前も」「チィー……」アナイアレイターは眉間に血管を浮き上がらせ、ニンジャスレイヤーを睨んだまま、彼の瓶と自分の瓶を打ち合わせた。「クソ野郎」睨んだまま飲み干した。51
2012-11-01 17:45:00「……それじゃ、善は急げだ。俺がいない間、こいつを頼むぜ、スーサイド=サン」フィルギアはアナイアレイターから離れた。スーサイドは肩をすくめた。「いつもだろ」「ニンジャスレイヤー=サン、一度アンタと話してみたかったぜ、俺は」フィルギアは呟き、次の瞬間にはフクロウに変身していた。52
2012-11-01 17:49:26「俺は気ままに暮らしたい。それだけさ。だから信用してくれていいぜ……本当だぜ」フクロウは人語を話す。羽ばたき、ニンジャスレイヤーの肩に乗った。「そんなら、さっさと行け。気まぐれ野郎」アナイアレイターが苛立たしげに言った。「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは跳び、屋上を去った。 53
2012-11-01 17:57:33