茂木健一郎（@kenichiromogi）さんの連続ツイート第７６７回「小さく始めて、大きく育てる」

茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ！　ぷれいりーどっぐくん、おはよう！

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第７６７回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日も、引き続いて、日本を元気にするツイートシリーズ！

茂木健一郎 @kenichiromogi

ちお（１）昨日書いた、「アンチ」から「オルタナティヴ」への問題、補足するべきことがある。「アンチ」のダメな点は何か、それが、どうして「安酒」の酔いに似ているのか、ということはもっと知っておくべきだろう。できるだけ多くの人が、安易な「アンチ」から離れたら、いい日本になると思う。

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ちお（２）「アンチ」で、批判されるものの対象は大抵大きい。巨大な「時価総額」を持っている。「アンチ」にふける人の陥りやすい罠は、その大きなものに対して「アンチ」であること自体によって、自分自身の「時価総額」もまた大きくなったような、そんな勘違いに陥りやすいということである。

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ちお（３）たとえば、霞ヶ関の官僚機構には、確かに問題点があるだろう。それを冷静に一つひとつ指摘するのはよい。しかし、「官僚」を単に目の敵にして、そのアンチをしていること自体に意味があるのではない。しかし、そのように勘違いしている言説は、あまりにも多く生産的ではない。

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ちお（４）既存のメディアや、記者クラブの問題点を指摘するのが良い。しかし、その巨大な対象に対して、「アンチ」であること自体に、価値があるのではない。問題は、自分が何をするのか。ジャーナリストとして、何を報じるのか。具体的に「オルタナティヴ」を示してこそ、初めて意味がある。

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ちお（５）批判の対象が個人である場合には、興味深いことが起こる。叩けば叩くほど、その人に対する世間の関心が増大する。結果として、より知名度が上がり、注目を集めるという「焼け太り」のような現象も生じる。そうなっては、何のためのアンチかわからない。結局、相手を強くしてしまうのだ。

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ちお（６）「アンチ」活動を展開することは、無名の若者が、手っ取り早く自分の「時価総額」を上げた「気分」になれる方法である。しかし、それは、決して長続きする自分自身の「底上げ」にはならない。やはり、遠回りのように見えても、自分自身が「これが良い」と信じる、何かに託すしかないのだ。

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ちお（７）自分が良いと信じるものは、世間からすればまだマイナーで、誰も知らないものかもしれない。その誰も知らないものをゆっくりと、徐々に育て上げていくこと。そのとぼとぼと歩む道の中にしか、若者の成長曲線はない。誰かの「アンチ」に熱を上げることは、その若者を育てない。

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ちお（８）小学校のときに流行った歌に、「君のゆく道は、果てしなく遠い」という歌詞があった。そう、自分の信じるもの、大切なものをゆっくりと育んでいく道は、果てしなく遠い。「だのに、なぜ、歯をくいしばり、君はいくのか、そんなにしてまで」と歌は続くのだが、そうじゃなくちゃねえ。

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ちお（９）たとえばさ、小さなことだけど、『挑戦する脳』という一つの本を書くのは、こつこつコツコツ、大変だった。Kindleから、誰でも電子出版できる時代になったんだから、アンチに熱を上げている諸君、何か自分で書いてみたらどうかな。小さく始めて、大きく育てる。アンチより面白いぜ。

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以上、連続ツイート第７６７回「小さく始めて、大きく育てる」でした。Kindle Direct Publishingについては、たとえば、http://t.co/wDC1h8Ro　が参考になります。