CROW'SCLAW鷹さんのDTM講座

「センター定位のモノラル音源」の処理ついて
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@crowsclaw

それでは大奏同で私を知った方のために、自己紹介代わりに普段呟くような内容をチラ見せしようかと。

2012-11-05 23:46:42
@crowsclaw

……と思ったけど書くのに準備が要る。

2012-11-05 23:49:05
@crowsclaw

うーん、先日言っていた『センター定位のモノラル音源』が持つ不自然さをうまく説明するのは難しい。両耳に誤差無く同じデータが届くということは、両目が全く同じデータを受信しているのと同じで、自然界ではほぼ有り得ない現象だという理屈なのだけど。

2012-11-06 02:37:00
@crowsclaw

その解消方法としては、モノ音源にアーリーリフレクション或いは短いルームリバーブを掛けるのが所謂教科書に載っているやり方。だけど、個人的にはソレではややリバーブとしての効果が強過ぎると感じる。リバーブ感は後からリバーブを掛ければいいので、疑似ステレオ化効果だけを手に入れたい。

2012-11-06 02:44:19
@crowsclaw

リバーブを用いない方法としてはLとRの発音タイミングを数msズラしたり、LとRに異なるEQ処理を施したり、左右のうち片側の位相を反転したりという手法があるのだけど、これらは全て『本来センターに定位していたはずの音像』をぼやけさせるデメリットがある。

2012-11-06 02:49:39
@crowsclaw

L/RではなくM/Sで考えてみた。1本のwavトラックを複製して片側をMch、もう片側をSchと考えてMSデコーダーに突っ込む。そしてSchにディレイを挟んでタイミングをズラしてみる。すると、定位感を損なうこと無くステレオ感を得ることが出来た。

2012-11-06 02:53:00
@crowsclaw

これに加えてSchにLPFやHPFを掛けるとMonoToStereoの効果とほぼ同じものが得られる。しかし何となく疑似ステレオ化には成功したものの、距離感や立体感というには若干物足りない。そこで初めてリバーブを掛ける。

2012-11-06 02:55:42
@crowsclaw

こういう処理を試行錯誤していくうちに、市販の音源においてドライな状態であっても疑似ステレオ化処理を施したものと、処理していないモノラルのままの音の違いは気付くようになる、と思う。

2012-11-06 03:03:34
@crowsclaw

前者の代表的な例はドラマCDの音声、後者はヴォーカルに掛かるディレイ(ただしその状況と、混ぜるエンジニアによって処理は変わる)かなぁ。

2012-11-06 03:04:37
@crowsclaw

モノラルの状態では距離感が無いということは、つまりアンビやリバーブ、ディレイといった空間処理系のトラックをモノラルで重ねても距離感が変化しないということでもあり。これはミックスする上では割と使える小技にもなる、と思う。

2012-11-06 03:06:04
@crowsclaw

(ドラマCDって言わずに映画って言えばよかった……)

2012-11-06 03:07:39
@crowsclaw

この疑似ステレオ化って音源がモノラルじゃないと実現不可能なのよね。そして殆どのリバーブがモノInステレオOut。その共通点を考えると……?

2012-11-06 03:10:59
@crowsclaw

ちなみに私は、スネアやキックにはこの疑似ステレオ化処理は施さない。キックにはモノラルの変な定位感が逆にマッチすると思うし、スネアには割と深めにアンビやリバーブ処理を施すのでそもそも必要がない。

2012-11-06 03:15:01
@crowsclaw

ただ、私の知る限りではこういったモノラル/ステレオに対する考え方が、どこの教科書にも載ってないので確信が持てない。確信は無いけど、個人的にはこれらを押さえておいた方がナチュラル且つソレっぽい感じなので自分を信じることにした。

2012-11-06 03:17:12
@crowsclaw

はい。こんな感じで、ライブではあんな感じですが、ステージを降りるとこういうことしか考えてないのがCROW'SCLAWの鷹という人間でございます。

2012-11-06 03:18:05