塔10月号「十代二十代歌人特集」を読む・第八回 #塔1020
- hikaritoshigo
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まとめを更新しました。タイトルが間違っていたので修正。 「塔10月号「十代二十代歌人特集」を読む・第七回 #塔1020」 http://t.co/Jde7LAN0
2012-11-07 19:17:31↑前回はこちら↑
■吉田恭大と、千種創一の、塔十月号「十代・二十代特集」一首評! 本日取り上げるのは藪内亮輔。ここは千種から行きます。 #塔1020
2012-11-08 21:31:33雨の夜、僕らは僕らに躓いて誰かに小さな呪いをかけた /藪内亮輔「震度一」 何かうまくいかなくて毒気ついた、くらいの内容だと読んだ。輪郭の曖昧な「僕ら」、「誰か」は吉田竜宇もよく使うが、この歌ではそれらの人称代名詞が陰気くさく使われている点に特徴がある。特長ではない。 #塔1020
2012-11-08 21:35:32また、連作としては「死」をテーマとして扱っているが、7首という枠および震度一というタイトルでは、「死」を扱いきれていないように感じる。また残念ながら、連作全体を通じて修辞にいつものキレがない。 #塔1020
2012-11-08 21:46:48@chigusasoichi 死はテーマというより通低音にしている気がするな。「死」について、正面からは切り込んでいないけど、タイトル含め、並べることで読み筋を誘導する機能を持たせている。なので、全体が印象として淡いのは仕方ないんじゃないかな。 #塔1020
2012-11-08 21:56:25@tanka_daya 通低音ともいえるし、作中主体が死に興味をもっているともいえるんじゃないかな。一方でエッセイが詩的。 #塔1020
2012-11-08 22:00:33雨の音 雨の音 ほら、聴いて! 灰の音がまじつてる……/藪内亮輔「震度一」 で、その誘導に乗ると、タイトルとこの歌(灰)が一番意味として目立つのだけど、意識してしまうとむしろ切り結び方が中途半端に見えてしまう。 #塔1020
2012-11-08 22:03:52@chigusasoichi あの文章割と好きでした。テーマを押すなら、たとえばエッセイでもっと仕掛けたりもできるかもしれないけど、そういう構造ではないわけだし。 #塔1020
2012-11-08 22:06:48…空ほどには高くないが地上とも呼びにくい空間(何と呼ぶのだろう)を降る雨が、しだいに加速して庭のニガウリの葉陰に落ちる。もしくは、庭のいたる処に起こる泥と泥水の創世記を、さらにびたびたとひた叩く雨。…(中略)…灰色の日常のなかで、息継ぎのように雨を見る。 /藪内亮輔 #塔1020
2012-11-08 22:08:37@tanka_daya 一字空け(というか二字空け及び四字空け)が場面の切り替えではなく、読み手の呼吸における休符として働いてますね。他方で、灰と雨という組み合わせで、原爆?とか思ってしまった。が、たぶん深読み損のくたびれ儲け。 #塔1020
2012-11-08 22:13:38@chigusasoichi 原発かなと思った。震度も一だし、ささやかだけど感じる死の気配。確かに深読みを誘うんだけど、仕掛けとしては悪目立ちしてるんじゃないかな。 #塔1020
2012-11-08 22:18:39@tanka_daya まあ、今の空気なら原発読みが多数になっちゃうのか。他の歌、いまいち句跨りも効いてないんだよね。真夏のさくらの歌とか。そろそろ締めていいかなー? #塔1020
2012-11-08 22:27:28@chigusasoichi 句跨りと口語の影響が大きいんだけど、一首が他の作者に比べて長く見えるんだよね。そんな中、「雨の音」の歌はアクセントとしては効いていると思う。思う、が。 #塔1020
2012-11-08 22:23:23@chigusasoichi @tanka_daya 死ぬ前に「死んだらだうなるんだらう」つて訊かれたらしい真夏のさくら /藪内亮輔 この句跨りとか。 #塔1020
2012-11-08 22:29:20@chigusasoichi そう、今引こうとしてたんだけど、この句跨りが長さですよ。僕はこのだらだらした感じは、これはこれでありかな。で、これが岡井っぽさのゆえんだと思う。 #塔1020
2012-11-08 22:33:50@tanka_daya 「未来」には岡井さんぽい人っておらんのかな?僕は藪内さんの岡井っぽいとこ好きだけどね。今回の連作は除く。 #塔1020
2012-11-08 22:40:00@chigusasoichi 今の文体に似た人ってのはいないんじゃないかなあ。切り出しといたほうがあれだけど、「っぽさ」に関しては迂闊なことを言えないのでよく考えて、また機会を改めたいっす;藪内文体も含め。 #塔1020
2012-11-08 22:43:30ってことで話は尽きませんが今日のところはこれまで。 #塔1020 はまだまだ続きますので、みなさまもう少しお付き合いくださいませ。
2012-11-08 22:48:47※※※
■吉田恭大と、千種創一の、塔十月号「十代・二十代特集」一首評! ちょっと砂漠に行ってました。本日取り上げるのは川上まなみ。 #塔1020
2012-11-11 22:42:50関数の問題一つ解いて顔上げたら夏が始まっていた /川上まなみ「夏色のマニキュア」 プリミティブな連作、取るとしたらこれ。三句目の「解いて顔」を意識的に使えるようになると、短歌でできることがもっと増えると思う。 #塔1020
2012-11-11 22:48:16三句目、韻律的には「問題一つ/解いて顔/上げたら…」と区切れる一方で、意味的には「て」の軽い区切れ効果も手伝って「問題一つ解いて/顔/上げたら…」と区切れて、二種類の区切れの違いから来る和音のようなものが魅力、ということですね。同感。 #塔1020
2012-11-11 22:57:45@chigusasoichi 解説サンクス。ただ、他に関してはあんまり言うことがない。。。千種さんどれ取りますか。 #塔1020
2012-11-11 23:00:40