『サウンドを巡る生態系vol.2』名取達利 (WWWプロデューサー) × 原雅明
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名取 とはいえ、ライブハウスで働いたこともないし、全くハコ運営のノウハウはありませんでした(笑)。でも、それを楽天的に捉えていて、強みにできているというか。『これはこうするべき』みたいな先入観が全くないから。そういう自分が運営する事で、何ができるんだろう?という楽しみがある。
2012-11-11 18:42:22名取 今の場所を見つけるまでに、いろいろ場所を探しました。しかし、不動産を探すのが一番大変でしたね。むこうは音楽に興味ないから、なにせ共通言語がない(笑)。そんな中、音楽好きな某不動産の方を知り合ってから、トントン拍子にいきましたね。
2012-11-11 18:46:09名取 事業計画書の書き方、法律の勉強、不動産探し…そうこうしているうちに、今のWWWを探すのに4年くらいかかりました。
2012-11-11 18:49:40名取 元映画館であるWWWの作り上、音楽だけで勝負するにはハンディがある。そこで、音楽を中心にしつつ、映像、演劇、パフォマンス、アートなど、いろいろな表現を混ぜていくことをテーマとして考えた。ハンディを逆手にとった形。
2012-11-11 18:52:24名取 僕含めて3人のブッキングマネージャーがいるんですが、実は全員未経験なんです。なぜなら経験者が『手癖』でやっちゃうという事をさけたかったから。それだとドキドキしないんですよ。
2012-11-11 18:54:11原 手癖でやっちゃって発信側がドキドキしていない状態って、お客さんにも伝わってしまいますからね。今のお客さんはシビアというか厳しいですよ。
2012-11-11 18:55:20名取 マネージャー同士でも、なるべく話し合わないようにしてます。中庸に落ち着いてしまうのを避けたい。基本的には一人で作るものだと思っているんです。
2012-11-11 18:56:58名取 合議制にするということは、リスクを回避するということ。それって、結局中庸に向かっていかざるを得ないから。もちろん、そうした体制でも回していくための仕組みづくりには腐心しています。
2012-11-11 18:58:09名取 3.11以前の世界観でいうと『終わらない日常』の空気があって、このまま2010年代もいくのかな…と思っていたところだった。神聖かまってちゃんをこけら落としに選んだのも、そうした終わらない日常の空気をドキュメントしたかったから。
2012-11-11 19:17:00名取 ところが、半年も経たないうちに震災があって、非日常がやってきた。何をやればいいんだろう、という迷いが生まれた。そうした中で、七尾旅人、田我流らによる『ABRACADABRA』 http://t.co/hCjhnkHh を企画した。3.11以降の音。
2012-11-11 19:21:27名取 WWWというハコの名前について。world wide webでもいいし、ワロスでもいいし、あるいはロゴとしての見栄えでもいい。意味を特定しないような名前にしようと考えていた。
2012-11-11 19:23:21名取 オンラインを意識していたんですが、今は逆にオフラインを意識するようになりましたね。宮台真司も書いてましたけど… 参考リンク→ http://t.co/UYnCmKxi
2012-11-11 19:26:31名取 今、アーティストのマネージャーに求められる能力って、ライブのブッキング能力だと思うんです。誰と共演して、どんな場にでるかということ。オファーをしたとしても、アーティスト側も、経済の問題だけでなく、もっと深いレイヤーで判断する。
2012-11-11 19:32:25名取 うちの場合、マーケティングな理由でオファーすることは無いです。アーティスト側には、あくまで企画で提案する。ノルマ制もやってない。
2012-11-11 19:34:50名取 七尾旅人と田我流、シンガーソングライターとラッパー。それぞれバンドでなく、 一人でステージに上がり表現している人たち。彼らの腹の座り方というか、自分の表現と、目の前の現象をダイレクトに結びつけられる強度を感じたんです。
2012-11-11 19:41:25原 WWWでの田我流のワンマンを拝見したんですが、客層が面白いなと思ったんです。shing02あたりのHipHop好きそうな人から、『サウダーヂ』から入ったサブカルぽい人から、もう少し年齢層の高い人までいて…それがすごく風通しのよいフロアになっていた。
2012-11-11 19:44:17名取 田我流のワンマンにあわせて、サウダーヂの爆音上映や。富田克也監督と菊地成孔さんのトークを企画した。こうしたイベントトータルの流れが、客層を広げることに成功した要因の一つかなと。
2012-11-11 19:45:51名取 ミュージシャンの作品(曲)って、彼らのアウトプットにおける氷山の一角というか。その下にある様々な音楽的文脈だったり、知識だったり、文化的なバックグラウンドだったり…そうした口に出していわない部分を探って、重ね合わせていくことはすごく面白いしやりがいありますね。
2012-11-11 19:48:34原 Low end theoryの話に戻ります。WWWでLow End Theoryを行ったとき、『Beat Invitational』という企画を実施しました。ミュージシャンが5分の持ち時間を与えられ、そこで未発表曲を披露しあうという企画です。
2012-11-11 19:53:15