孤独のゾンビサバイバル まとめ

--【井之頭五郎 孤独の2日目】
HP95/100 食料94/100 探索度0 脱出者目撃特典未使用
アイテム【コンバットマグナム】拳銃（【戦闘】で受けるダメージ常に－１。最低１点は受ける）
　　　　【水天宮のお守り】お守り（時刻で効果が変わる【アクシデント】で好きな効果を選べる。使い捨て）
クリアフラグＡ(奇妙な地図)

BGM:ある日の献立
「ほー、これは凄いじゃないか」
　家主に教えられていた手順通りにスイッチを押すと、窓には鉄のシャッターが下り、入り口と裏口を格子が縦横に塞いだ。スイッチポンで変形。まるで秘密基地。空にそびえる鉄の城だ。･･････いや、これはちょっと盛り過ぎか。
　しかし、いくら元は銃砲店だったといっても、ここまでの防犯設備がこの国で必用なんだろうか。んー、あの家族、やはり只者じゃあない。ともあれこれで、留守にしていてもそう簡単に誰かに入られる心配は無いだろう……多分。まあ、考えても仕方ない。俺にはやらなければならないことがあるんだ。
　さて、なにを置いても、島から出る方法を見つけなくては。脱出ルート。オーナーがそんなことを言っていたなぁ。しかし、土地勘も無い俺がそんなものをそう簡単に見つけられるとも思えないが･･････。
　あ、そう言えば。･･････これこれ。あの裸忍者が置いていった地図。手に入れた経緯は伏せてオーナーに見せてみると、どうやら、これはこの島の地図の一部らしい。なにかの印が付けられているが、ここからは歩いて１日ほどだとか。
　どうせ、なんの手がかりもないことだし、まずはこの地図から当たってみるか。できれば、こんな状況でもやってる、根性のある店も見つかるといいんだが。さて、調査開始。行くとしますか。

BGM:散歩の途中で
「なんだ。思ったより遠いなあ」
　ある程度の予想はしていたが、やはり今日中に地図の場所にたどり着くのは無理そうだ。歩くのには慣れているとはいえ、やはり革靴で長距離を歩くのは大変だな。店に戻ったら家にある靴を拝借させてもらうべきだろうか。
　人がいればそこには食がある。これ、自然の摂理。しかし、この状況では食料は貴重だ。うーん。店、さすがにやってないかなぁ。それに、行き先は街からは離れた方角に向かっているし、これは食事のできる店を探すとはいかないか。
　さて、日が暮れる前にどこか落ち着けるところを探さないといけないな。昨日の昼以来、ゾンビは見かけていないが、この状況で星を見ながらのんびりキャンプ、というわけにもいかんだろう。なにより、腹が･･････減った。念のため、バルの倉庫からあまり日持ちのしないパンを幾つかと葉物の野菜、ソーセージ、缶詰などを少し持ち出して、借り物のザックに詰めてきている。備えあれば憂い無し。備えあれば嬉しいな。温かい食事とはいかないが、まあ、店に戻るまではこれで持つだろう。
　それにしても、昨日のことが嘘のようにのどかな風景だ。まさに日本の田舎道って感じだな。その道は、コンクリートで護岸された用水路に沿って、真っ直ぐに山へと向かっている。ん？　なんだろう。なにか水の流れとは違う音が聞こえてきたぞ。そう、これは水溜まりの上を走ったときのような音。
　と、その時。用水路の脇に空いた大きな横穴から、なにかが飛び出してきた。あれは･･････人か。そこから走り出てきたのは半裸の男。おや？　あれって、一昨日の夜に見た裸の忍者じゃあないのか？
　って、うわぁ。その後から、ずぶ濡れのゾンビまで出てきたぞ。頭が膨らんで、まるで水死体みたいなゾンビ。ぼく、ドザえもん。いや、俺はなにを言っているんだ？　あ、そうか、忍者はあのゾンビに追われていたんだな。忍者対ゾンビ、用水路の決戦。一応は見知った顔だし、見過ごすのも寝覚めが悪い。よし、ここは。
　俺は手近にあったこぶし大の石を拾うと、それをゾンビ目掛けて投げつけた。くらえ、渾身の分身ハイジャンプエビ反り大回転魔球！　と、いう名のストレート！　よし、頭に直撃！　って、うわ、あまり見たくない光景になってしまった。
　あ、しまった。気付けば忍者の姿が無いじゃないぞ。渡された地図のことを聞きたかったんだけどなあ。

BGM:嫌な予感
　お、あそこに小屋がある。納屋かなにかだろうか？　もし、安全そうなら今夜はあそこを使わせてもらおう。なに、馬小屋でもMPぐらいは回復するのだ。納屋なら十分･･････あれ、小屋からおじさんが出てきたぞ。先客がいたのか。いや、あれってゾンビじゃないのか？

　※中略　まとめたツイートをお読み下さい。

　会話の最中に豹変してしまった、知性を持つ元軍人のゾンビおじさん。しばらくの格闘の後、彼は突然、その瞳に知性の輝きを取り戻し、俺に小屋から出ていくようにと言った。人間としての感情が残っている間に、自分の手で最後の始末をつけたい。そんなことを言われてしまうと、俺も出ていくしかないじゃないか。
「そんな革靴じゃ歩けまい。どこに行くのか知らんが、これを履いていけ。あんたなら体格的に多分合うだろう」
　別れ際、彼は自分の履いていた編み上げのブーツを投げて寄こした。ゾンビの履いていた靴。ゾンビ靴。いや、彼はゾンビじゃあない。まだ、立派に人間だ。最後まで彼は人間だったんだ。
　んー、でも少し大きいな。外国人は体がデカい。まあそれでも、いまの状況、革靴で歩くよりはかなりましだろう。
　扉を閉めた俺は、彼の最後の頼みどおり小屋の扉を中にあったスコップでロックしてその場を立ち去った。そこからしばらく登った先のバス停で休む俺の目に、来た道の方で上がる火の手が見えた。･･････合掌。

EDテーマ:五郎の12PM

【孤独の3日目】

--【井之頭五郎 孤独の3日目】
HP97/100 食料96/100 探索度0 脱出者目撃特典未使用
アイテム【コンバットマグナム】拳銃（【戦闘】で受けるダメージ常に－１。最低１点は受ける）
　　　　【水天宮のお守り】お守り（時刻で効果が変わる【アクシデント】で好きな効果を選べる。使い捨て）
クリアフラグＡ(奇妙な地図)
ヘリポート発見済み

BGM:ある日の東京
「あー。これはいかんなぁ」
　道が途切れているじゃないか。吊り橋、ものの見事に落ちてるぞ。まだそんなに古い橋でもなし。これって自然に落ちたもんじゃないよなあ。あともう１kmほどで地図のポイントに着きそうなんだが。･･････出直すか。
　まあ、折角ここまで来たんだし。んー、ここいらで一番高いところ･･････あの辺。あそこからなら、なにか見えるかも知れないな。さ、もう一踏ん張り、頑張りますか。
　ふー。ようやく頂上だ。地図の方だと･･････あっちかな、あの崖の向こう。んー。茂った木で見えにくい。あれはコンクリートの広場かな？　いや、多分あれは――ヘリポート、だ。地図を見ながら周囲の地形と照らし合わす。うん、確かに地図のポイントと同じ場所。もしかすると、あれが脱出ポイントというやつなのだろうか？
　まあ、どちらにせよここからは行けないな。別の道を探さないと。今日のところはここまでだ。

　･･････それはともかく。腹が、減った。

BGM:孤独のスカ
　こうなると、一刻も早く腹になにか入れたい。しかし、ここでのんびりしているわけにもいかないぞ。低いとはいえ、山で日がくれると危険だ。仕方ない。いざとなれば歩きながら持ってきたパンでも囓ろう。
　んー。地図と見比べてみると、ここからなら川沿いを下った方が早く降りられそうだ。よし、川沿い。ゴローはリバーサイド、川沿いリバーサイド、食事も……いかんいかん。食べ物のことは、一旦頭から追い出すんだ。

BGM:不思議な時間
　お、やっぱりこっちの方が早かった。まだこの辺りは川の水も綺麗だな。･･････おや？　あそこにいるのは人、だよな。生存者。あの夜から初めて見る生きた人間だ。おお、結構な数の人が川で水を飲んだり顔を洗ったりしているぞ。折角だから、俺も少し川でリフレッシュといきますか。

　ふぅ。さっぱりした。ここで少し落ち着いてなにか腹に入れよう。ん？　俺の鞄の上になにかあるぞ？　これは、もみじ饅頭？　もみじ饅頭が五つ。なんでこんなところにこんなものが。誰かが間違えて置いていったのか？
　――なんだこれは!?　俺の見ている前で、もみじ饅頭の一つが動いた。よくよく見れば、こいつ手も足も生えてるじゃないか。あ、逃げた。しかも結構早い。草むらに飛び込んでいったもみじ饅頭は、最後に大きく手を振って、俺の視界から消えた。
　･･････今のはなんだったんだろう。いかん、とうとう、幻覚が見えてきたか？　いや、だが確かに、ここには四つのもみじ饅頭が残っている。つぶ餡、カスタード、チーズにチョコレート。よりどりみどり、かざみどり。
　まあ、気にしないでおこう。そうだ、きっと今のは、もみじ饅頭の妖精さんだ。こんな状況だ。妖精ぐらいは見えることもあるだろう。ありがとう、もみじ饅頭の妖精さん。いただきます。
「おお、甘い。本当に甘いぞ」

BGM:散歩の途中で
　ふう。甘いものを入れたら、また元気が出てきたぞ。さて、また一歩き、行きますか。

　おや、また人が集まっている。なんだ、こんな状況でも、みんなけっこう元気に生きているじゃないか。今度は･･････食料品の倉庫か。人々が缶詰やレトルトを持ち出している。しかし、危なっかしい建物だなあ。
　お、建物の前でなにか配っている人がいる。なんと吉備団子じゃないか。お腰につけた吉備団子、一つ私に下さいな。俺が犬なら、今、千切れそうなほどに尻尾を振っているんだろうなあ。ゴロー犬、大喜び。
「あの、すみません。その吉備団子、私も貰っていいでしょうか？」
「ええ、どうぞお持ち帰りください」
「ありがとうございます。えっと、代わりになにか･･････え、いいんですか？　でも、しかし」
「いえいえ。遠慮無く。その吉備団子、おばあさんに頂いたんですよ。腹も胸もいっぱいになる美味しさです」
「そうですか。ではありがたく頂戴します。ありがとうございます」
　お、確かにうまいぞ、これ。うん、こういうの好きだな。この味ってどこか懐かしくて安心する味だ。
　こんな時だからこそ助け合い。いいぞ人間。ガンバレガンバレ人間。　

EDテーマ:五郎の12PM.part1

【孤独の4日目】

--【井之頭五郎 孤独の4日目】
HP94/100 食料91/100 探索度0 脱出者目撃特典未使用
アイテム【コンバットマグナム】拳銃（【戦闘】で受けるダメージ常に－１。最低１点は受ける）
　　　　【水天宮のお守り】お守り（時刻で効果が変わる【アクシデント】で好きな効果を選べる。使い捨て）
クリアフラグＡ(奇妙な地図)
ヘリポート発見済み

BGM:都会の土人
　よし。ヘリポートの場所は確認した。しかし、さすがに歩き詰めで疲れたぞ。それに、どうにも眠い。お眠さんだ。なれない野宿でここ2日ろくに寝てないからなあ。でも、もう一踏ん張り。
　お。あれ、もしかして食料品店じゃないか？　んー。早く帰りたいのはやまやまだけど、少し覗いてみようか。けど、店、荒れてるなあ。これじゃあ、さすがに食料は残っていないかな。

BGM:嫌な予感
「ごめんください。あの、誰かいますか？」　
　案の定、店内は荒らされている。めぼしいものは全部持っていかれてしまった後か。ま、期待してたわけじゃないけど。
　その時、裏の倉庫らしき建物から物音がした。恐る恐るそこを覗いてみる。あの人影は、人間っぽいが･･････けど、前に会った元軍人のゾンビもあんなだったしな。用心用心、火の用心。
　しばらく様子を窺ってみると、やはりそれはまだ人の姿を十全に留めた真新しいゾンビだった。そのゾンビはなにを思ったのか、いやなにも思ってなどいないのか、まだ残っていた食料の包みを開いたマンホールに向けて投げ込んでいる。
　いや、食べ物だけではない。奴が今投げ込んだモノは――

BGM:Shoot
「生存者と食べ物をもっと大切にしろ！」
　俺はとっさに駆け出し、こちらに伸ばされたゾンビの右手首を掴むと、その腕を右脇に挟み込んだ。
「むん」
　そして、アームロックの体勢から、そのままの勢いで肩に乗せるようにして投げ飛ばす。狙い違わずゾンビは下水口に落ちて消えていった。
　あイタたたた。格闘の最中に引っ掻かれたのだろうか、気付くと首筋に軽い引っ掻き傷を負っている。そして、まだ残っていた手持ちのパンや野菜は、地面に落、泥にまみれて潰れてしまっていた。
「俺･･････いったいなにやってんだろ」
　そう呟いた俺は、その店を後にして帰途に付くのであった。

EDテーマ:五郎の12PM

【孤独の5日目】