とある書店員さんのPOPへの思い

書店にて、平置きしてある書籍の横に何気なく置いてあるポップ。 リアル書店を構成する重要な要素について、 どんな思いで置いているのかちょっぴり伺い知りました。
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このままなんとなく、あとウン十年も生きるなんてマジ絶望 @tooorisugari

梅原潤一「書店ポップ術 グッドセラー死闘篇」 ポップで有名な書店員の、これまで描いてきたポップを集めた本。何を意図して描いたポップなのか解説があり、デザインや字体ではなく、最も重視しているのがキャッチコピーや文章だとのことで、あんなカッコいいポップは作れないという人にも参考になる

2010-08-10 11:29:08
このままなんとなく、あとウン十年も生きるなんてマジ絶望 @tooorisugari

「書店ポップ~」 キャッチフレーズを考える際は、どんな層を狙うのか、全方位的なのか狭くなのか、内容に触れるのか自身の読後の感想に触れるのか、など色々考えていてなるほどと思う。特に、メインのキャッチコピーには印象的なものが多く、一番好きなのは、平山夢明「他人事」のこのフレーズ。

2010-08-10 11:32:17
このままなんとなく、あとウン十年も生きるなんてマジ絶望 @tooorisugari

「書店ポップ」 「これが発禁じゃないなんて、表現の自由って凄ェなあ」 こういう、伝えたいことは何なのか、そしてそれを短く明確な言葉で伝えるにはどんなフレーズにすべきなのか、という点に結構力が入っている。デザインや字体は、それらの文章をいかに効果的に見せるかという、あくまで『従』。

2010-08-10 11:33:57
このままなんとなく、あとウン十年も生きるなんてマジ絶望 @tooorisugari

「書店ポップ~」 いずれにしても最も重要な点は、自身が読んで素晴らしかった本にポップを描く、ということ。本書で触れられているけど、小説の単行本は今壊滅的に売れない。文庫だったら、ちょっと読んでみて、程度のポップでも充分売れるけど、小説の単行本は、激賞!、ぐらいやらないと売れない。

2010-08-10 11:36:03
このままなんとなく、あとウン十年も生きるなんてマジ絶望 @tooorisugari

「書店ポップ~」 だからこそ、自分で読み、心から感動したものにポップを描くということにしないと、伝わるものも伝わらない。僕は文庫担当だけど、小説の単行本にポップを描くぐらいの意識でフレーズなんかを考えられるように頑張ってみようと思った。

2010-08-10 11:37:33
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自分のポップの話も少し書こう。僕が重要だと思っているポップの役割は、『目を惹くこと』と『お客さんのイメージを覆すこと』。僕は文庫を売ってるからかもだけど、とにかく目を惹くポップがあり、それに目を留めたお客さんが自分の判断でその本を買ってくれる、というのが理想。

2010-08-10 11:41:06
このままなんとなく、あとウン十年も生きるなんてマジ絶望 @tooorisugari

個人的には、ポップでオススメされたから買う、という購買行動は、お客さん自身の本を選ぶ力がどんどん弱くなっていってしまうのではないか、という危惧が若干あったりするので(バカにするな、と言われるかもしれませんが)、とにかくポップは目立てばいい、と思っている。

2010-08-10 11:42:25
このままなんとなく、あとウン十年も生きるなんてマジ絶望 @tooorisugari

『お客さんのイメージを覆す』というのは、本って、タイトル・装丁・著者名・内容紹介・帯なんかの外的要因によって、お客さんにあるイメージを伝えることになる。「東野圭吾=ベストセラー作家」とか、「告白=映画化された作品」とか、「ホラーっぽい表紙=ちょっと怖そうな作品」などなど。

2010-08-10 11:44:29
このままなんとなく、あとウン十年も生きるなんてマジ絶望 @tooorisugari

でもその外的要因からのイメージが、実際の印象と乖離している場合も多い。その乖離を埋めるのがポップの一つの重要な役割ではないか、と思っている。

2010-08-10 11:46:53
このままなんとなく、あとウン十年も生きるなんてマジ絶望 @tooorisugari

具体的には、サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」は、パッと見「数学?難しそう」ってことになる。だからポップの冒頭のフレーズには、「数学が苦手だ、というだけの理由でこの本を読まないのは、あまりにももったいなさすぎる」という文章を載せた。実際、数学が得意でない人でも楽しめるのだ。

2010-08-10 11:48:10
このままなんとなく、あとウン十年も生きるなんてマジ絶望 @tooorisugari

また、飛鳥井千砂の「はるがいったら」という文庫は、表紙がパッと見恋愛小説っぽく見える。だから、「表紙が恋愛小説っぽいけど、違いますよ」という一文を入れる。また金城一紀の「レヴォリューションNo.3」には、「3巻というわけではないので安心して買ってください」と書いたりする。

2010-08-10 11:49:19
このままなんとなく、あとウン十年も生きるなんてマジ絶望 @tooorisugari

というわけで相変わらず長々書きましたけど、もろもろポップの話でした。「書店ポップ術」は、書店員に限らず、モノを売るという仕事に携わっている人には有益なんじゃないかなと思える作品です。

2010-08-10 11:50:19