丸山天寿先生の「捨てがたい歴史時代小説・SF編」

前回はこちら 丸山天寿先生の「捨てがたい歴史時代小説、コミック・古代編」 http://togetter.com/li/409026
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丸山天寿 @tenjumaruyama

さて日曜日のお遊び。前回の捨てがたい歴史時代小説が好評だったし、私の新刊も出る(邯鄲の誓)ので、宣伝も兼ねて本日はその続き。お題は「捨てがたい歴史時代小説・SF編」今回は私の趣味ばかり。選別するのに苦労したが取りあえず思いつく順に。全ての異論、叱責、追加を認めます。文中敬称略→

2012-11-25 08:08:45

『邯鄲の誓 始皇帝と戦った者たち』丸山天寿|講談社ノベルス

http://www.bookclub.kodansha.co.jp/kodansha-novels/1211/maruyamatenju/
紀元前3世紀、戦国時代末期の中国。
秦軍が圧倒的な力で各国を侵略するなか、無敵の権力者・秦王政(始皇帝)の命を狙う少年がいた。

丸山天寿 @tenjumaruyama

「なめくじ長屋捕物さわぎシリーズ」-都筑道夫。これをSFに入れるのか、というなかれ。この作品は優れたミステリーでもありSFでもあり、人情歴史ものでもある。ちりばめられた歴史薀蓄。見事なトリック、驚くべき怪異、人を食った会話と庶民の生活風景。どれをとっても、大衆娯楽小説の見本。→

2012-11-25 08:10:46
丸山天寿 @tenjumaruyama

「幻影のバラード」―光瀬龍。享保の時代。斬首刑となった囚人が自分の首を持って逃げるという事件が発生。不審に思った時間監視局・支局長の青龍寺笙子は、部下を江戸時代に派遣する。大掛かりな敵の謀略に、笙子が仕掛ける罠の凄さ。江戸の大事件の信じられない真相が明らかになる。シリーズ物→

2012-11-25 08:13:25
丸山天寿 @tenjumaruyama

「寛永無明剣」―光瀬龍。家康没して十八年。政情定まらぬ江戸の町に怪異な事件が続発する。江戸北町奉行与力、六波羅蜜たすくがその謎に挑む。この作品は下手な感想を書くとネタばれになる。緊迫した捕り物劇が、途中のある瞬間を境に世界が一変するから。最初に読んだ時の衝撃は忘れられない。必読→

2012-11-25 08:14:55
丸山天寿 @tenjumaruyama

「妖星伝」―半村良。吉宗治世の末期、日本古代より特殊能力を駆使して闇の世界を支配してきた鬼道衆の頂点に立つ「外道皇帝」が現れ、彼らの暗躍に拍車がかかる。それを阻止しようとする仏教集団と謎の超能力者。凄まじい戦いが繰り広げられる。鬼道衆の最終目的は何か。読みだすと止められない。→

2012-11-25 08:16:26
丸山天寿 @tenjumaruyama

「闇の中の黄金」-半村良。半村の作品は傑作ばかりだが、あえてこの作品を。雑誌の特集で邪馬台国を扱う津野田のもとに親友・乃木の自殺が知らされる。その調査に乗り出した彼は、邪馬台国に隠された黄金伝説に行きあたる。そして…。傑作「嘘部シリーズ」の第二弾。とてつもないほら話に感心。→

2012-11-25 08:18:32
丸山天寿 @tenjumaruyama

「モンゴルの残光」―豊田有恒。ジンギスカンが統一を果たし、黄色人種が支配する世界。奴隷身分の白人青年が過去を改変すべくタイムマシンを使い14世紀の元に旅立つ。そこで元帝国の皇帝に出会った青年は、皮肉な運命に翻弄される。著者会心の傑作長編。私は若い頃この土地を見たくて中国を旅した→

2012-11-25 08:20:22
丸山天寿 @tenjumaruyama

「日本新神話物語・ヤマトタケルシリーズ」-豊田有恒。古代の英雄ヤマトタケルの物語。タバーナ姫との恋を交えた秘術と活劇。胸躍る冒険物語。神話を良く知らない人でも充分に楽しめる。「火の国の…」「出雲の…」「神風の…」「英雄…」「天翔る…」「飛騨の…」「巨神の…」が出ている。→

2012-11-25 08:22:33
丸山天寿 @tenjumaruyama

歴史・時代小説を書く面白さは「何でもあり」という事だと私は解釈している。多少の無茶を書いても関係者は皆亡くなっているし、誰も確認した者はいないのだ。その中でもSF形式が一番自由に書けるのではないか。私はこれらの小説に憧れて物書きになった。もっと面白い物語を書きたいと思っている。了

2012-11-25 08:25:30