《「原発事故での住民被ばく対策試算公表」について》
- karitoshi2011
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NHKニュース 11月30日 13時33分配信「原発事故での住民被ばく対策試算公表」について の連続ツイート 0 このニュースをまずは、引用する。
2012-11-30 23:52:121 原発事故による住民の被ばくを少なくするには、どのような対策を行うのが有効か試算した結果を原子力規制委員会が公表し、原発からの距離が5キロから30キロの範囲では、屋内退避だけの対策では、甲状腺の被ばく量が国際的な基準を超えるおそれがあるとして、
2012-11-30 23:52:273 これは、原子力規制委員会が先月公表した放射性物質の拡散予測に誤りが相次いで見つかるなどして自治体から批判が出たことを受けて、専門機関に依頼し、別の方法で試算したものです
2012-11-30 23:52:524 今回の試算は、全国の原発ごとではなく、110万キロワット級の原発1基から福島第一原発事故のおよそ半分の量の放射性物質が放出されたと仮定して、
2012-11-30 23:53:045 避難や屋内退避などの対策をどのようなタイミングでどのような組み合わせで行うと住民の被ばくを少なくするのに有効か解析しています。
2012-11-30 23:53:146 例えば、原発から5キロ以内では、放射性物質の放出前に避難するケースが最も被ばくを減らすことができるとしています。また、5キロから10キロでは、コンクリート製の建物の中で2日間退避したうえで、その後、30キロの外に避難するのが有効だとしています。
2012-11-30 23:53:317 一方で、特に子どもに影響が出やすい甲状腺の被ばくを考えた場合、5キロから30キロの範囲では屋内退避だけでは国際的な基準を超えるとして、放射性物質の放出前にヨウ素剤を服用する必要があるとしています。
2012-11-30 23:53:458 今回の試算について、規制委員会は「厳しい気象条件で試算しており、基本的に全国の自治体で避難計画づくりに活用できる」としています。
2012-11-30 23:53:549 しかし、今回の試算は、複数の原子炉から大量の放射性物質が放出される事態を想定していないうえ、個別の原発の試算ではないため、
2012-11-30 23:54:2710 避難計画をつくる立場の自治体にとっては、どのように活用すればよいか不明な点も多く、規制委員会には、関係自治体や住民への丁寧な説明が求められます。(以上 引用終り)
2012-11-30 23:54:3811 この発表には様々な矛盾やトリックがあると感じる。パッと見て分かる矛盾は、「では、5キロから10キロの住民は被曝覚悟で2日間コンクリートの建物に立てこもり、安定ヨウ素剤の服用で我慢しろというのか?」という疑問だ。
2012-11-30 23:54:5113 この矛盾は、どの距離までいつ避難移動するかを考える班と、どの範囲の人に安定ヨウ素剤を服用させるかを考える班が、別々に検討して、分かれたまま、なのに同じ会合で発表しているからだ。これで良いなら、2つの組織がバラバラに発表すればよい。
2012-11-30 23:55:0114 この発表は、「原子力規制庁」が看板を架け替えただけで、各担当部門がバラバラに活動している状況が依然として続いていて、規制委員会にはその縦割りをまとめる力が存在していないことを示している。しかも、自らの力不足を恥じることさえない。
2012-11-30 23:55:1415 もう少し、詳細に考える。東電福島第一原発事故発生以前の防災計画ではどうだったか。原発から半径3キロの住民は、即時配車されるバスで集団避難することになっていた。数十キロ離れた所を走っている観光バスが、なぜか、即時に配車されることになっていた。
2012-11-30 23:55:3716 今回の発表では、即時避難距離が半径5キロになっている。しかも、放射性物質放出前に避難することになっている。福島第一原発事故では、11日17時に、原発敷地境界放射線量の上昇が観測されている。
2012-11-30 23:55:5317 地震で緊急停止したのが14時46分だとして、そこからすぐに避難開始したとしても、2時間で住民避難のバスが現地からスタートしなくてはならない。地震や津波がなかったとして、そんなに早く住民避難が開始できるのだろうか?
2012-11-30 23:56:0718 原発の多くは、過疎化、高齢化の進行した場所に立地している。自ら自動車を使用できない人や、寝たきりの人も含めて自力では動くことさえ困難な人も多数いるだろう。その人たちを2時間で移動開始させる具体案など、どう作るというのだろうか?
2012-11-30 23:56:2019 今回の事故では移動手段を集団バスに限定できなかったため、避難用の幹線道路が渋滞し、安全圏まで出るのに大変な時間がかかっている。また、原発事故だと知って、バスを出せないケースもあったと聞く。運転手は特攻隊ではない。当然だ。
2012-11-30 23:56:3220 おそらく規制委員会は、防災計画立案を自治体や道県に丸投げしてしまうだろうが、投げられる方は困ってしまうだろう。
2012-11-30 23:56:4821 矛盾の最大のものは、5キロから10キロの範囲の住民に、2日間コンクリート製の建物に篭城させる、という話だ。原発立地自治体の多くには、確かに補助金で立てられたコンクリートの箱物は存在するだろう。しかし、箱物が原発から5キロ以遠にあるとは限らない。
2012-11-30 23:57:0222 また、原発から5キロから10キロの場所にある箱物が、放射性物質の内部への流入を防ぐ構造になっているわけでもない。東大キャンパスで実施したように目張りするなどしたとして、そこに2日間住民を閉じ込めて(監禁して)置くのは、誰が実施するのだろう?
2012-11-30 23:57:1323 まさか、ここで地元警察や消防団に住民監禁の実施者になれと言うことは、さすがに無理だろう。では自衛隊?自衛隊だって放射線防護や放射性物質からの防護は、殆ど素人だ。今回も、原発の爆発以後は、必死で撤退している。
2012-11-30 23:57:2424 結局、住民避難について現実に行える方法を考えれば考えるほど「実施は無理」という結論が見えてくるだけだ。放射性物質到達以前に逃げたり、バスが来るまで住民を待機させたりすることは無理だ。出来上がるのは机上の空論に過ぎない「防災計画」だ。
2012-11-30 23:57:3725 矛盾は、ヨウ素剤服用に関しても見つかる。放射性物質放出前にヨウ素剤を服用させなければならず、その範囲は30キロ圏内だ。今回の事故の例を考えると、事故発生から2時間以内がタイムリミットだ。
2012-11-30 23:57:50