《2011年3月18日、FM放送の電話インタビューで語った山下俊一氏の談話に関する解説》

【東日本大震災 FM797特別番組 】福島原発事故による放射能汚染の影響について2人の専門家に聞く。 2011/03/18 20:19 http://p.tl/jaTn に関して、山師や俊一氏が話した部分について、まとめ、解説を加えてみました。
15
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

0 2011年3月18日、京都のFM番組で語った山下俊一氏の発言の問題点を指摘し、 私なりに解説、分析を加えていく。 これは http://t.co/3dkeAzGsIL  の続編にあたるまとめの為の連続ツイートだ。

2014-05-06 12:22:21
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

1 山下俊一氏の主張:山下氏は2011年3月18日、この放送日の朝に「福島」に来た。 目的は「いわゆる方々の教育」、情報の公開、対応のアドバイス。

2014-05-06 12:22:52
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

2 解説:山下俊一氏は、情報収集や研究を目的に福島県に入ったわけではない。 この放送では語っていないが、3月15日に福島市に来た長崎大学チームから、医大の敷地が50μSv/hを記録したという報告を既に受けている。

2014-05-06 12:23:20
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

3 山下氏の目的は、そういう線量情報も含めた「情報の公開や対応に関する、担当者へのアドバイス」のためにやってきたのだ。 また、この段階では「福島県内を講演して、住民に直接情報提供をする」という目的は語られていない。それは、この放送の後で依頼されるのかもしれない。

2014-05-06 12:23:43
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

4 山下氏の主張:被曝に関しては、2つに分けるべきである。1つは原発の中で働いている人の被曝。もう1つは20キロから避難した人の被曝。 さらに別に、20キロから離れている人の被曝の可能性、がある。

2014-05-06 12:24:12
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

5 解説:2つに分けるべきだと言いながら、実際には3つになっている。原発の収束作業に当たる作業員。避難指示区域から避難した住民。避難指示区域の外にずっといる住民。以上の3つの区分。

2014-05-06 12:24:32
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

6 山下氏の中では、政府が設定した20キロから30キロの屋内退避区域の住民は、さらに外の住民と同じ扱いになっている。また、この後で計画的避難区域に指定される年20ミリを超える地域の住民も、もっと汚染が低い地域の住民と同じ扱いになっている。その外も、福島県内も関東も関西も一括りだ。

2014-05-06 12:24:54
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

7 山下氏の主張3の1:被曝に関しては、気にしなければならないのは、単位がミリシーベルトになった場合だけ。マイクロシーベルトの単位の間は、余り心配する必要がない。

2014-05-06 12:32:14
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

8 山下氏の主張3の2:原発の周辺の人はミリシーベルト被曝の危険性があるので、作業時間を短くしたり、退避をしたりしている。 一般の住民は、マイクロシーベルトの単位なので、気にしなくて良い。

2014-05-06 12:32:44
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

9 解説:この主張で気をつけてほしいのは、被曝の単位が「毎時」なのか「毎日」なのか「毎月」なのか「毎年」なのか「生涯」なのか、言及していないことだ。これを、どの時間で区切って受け取るかについては、山下氏は触れていない。おそらく、意図的に。その後の講演でも、可能な限り、ずっと。

2014-05-06 12:33:15
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

10 この段階では、「毎年」の被曝が、どこの地域でどれくらいになるのかわかっていない。事故がどのように進展するか、わからない。

2014-05-06 12:34:01
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

11 他方山下氏は「避難指示区域以外は全部安全」という立場なので、150μSV/hを記録した飯舘村長泥地区でも、50μSv/hを記録した福島県立医大でも、安全と言わなければならない。

2014-05-06 12:34:20
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

12 が、そうはっきり言ってしまえば、ICRP基準を知っている人には、ウソがばれる。だからこの時点で既に、基準を曖昧に表現しているのだ。

2014-05-06 12:35:01
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

13 山下氏の主張4:20キロより外で屋内退避になっているのはおかしい。避難した先は安全なのだし、屋内退避はそこから避難する前の準備として行うことだ。が、外には少し放射性物質が飛んでいるので、できれば屋内にいてください、ということだ。

2014-05-06 12:35:45
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

14 解説:山下氏の主張の基本は、いくら空間線量が高くても、政府が避難指示を出していない上にこれ以上避難指示区域を増やす予定がない以上、指示が出ていない場所では「普通の生活」で構わない、ということだ。だから、その後の避難を伴わない「屋内退避」は不要と言いたいのだ。

2014-05-06 12:36:20
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

15 山下氏の主張:「福島第1」というくらいだから、原子炉は1基あるだけだと思っていたが、4つも原子炉があった。その4基の原子炉を鎮圧することが、最優先の課題。

2014-05-06 12:36:56
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

16 解説:これは、山下氏がしばしば「やらかしてしまう」類の、極端なボケである。おそらく政治家のリップサービスのように、かなり言い過ぎてしまうことがあるのだ。さすがに福島第一原発の原子炉の数を知らないとは思えない。というか、そこまで無知だとは、私も思いたくない。

2014-05-06 12:37:29
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

17 山下氏の主張:(レントゲンや飛行機に乗った時の被曝と、今回の事故の被曝を同列に論じて良いかとの質問に)CTやレントゲンなどの医療被曝は、検査や治療のためなので、利益があるので、被曝の上限がない。

2014-05-06 12:38:00
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

18 解説:CTやレントゲンに関しては、日本では検査が頻繁に実施されすぎて、他国に比べて一般人の医療被曝が多い、という問題がある。が、山下氏はそういう世界比較を知りつつも、問題にはしない。

2014-05-06 12:38:35
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

19 山下氏の主張:今回の事故の被曝をレントゲンや航空機に乗ることでの被曝と比較するのは、わかりやすい表現なのかもしれないが、誤解される心配がある。

2014-05-06 12:39:06
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

20 解説:この日は「誤解されやすいから比較するのは適切ではない」と言っていたのに、その後の福島県での講演会では、山下氏自身がこの比較を使っている。誤解される心配があるなら、その後も使うべきではなかったはずだ。

2014-05-06 12:39:39
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

21 山下氏の主張:自然放射線や原子力事故の放射線被曝には、公衆の被曝限度という上限がある。

2014-05-06 12:40:08
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

22 解説:質問は原発事故の被曝の問題であるのに、なぜかここで自然放射線の話を滑り込ませてきている。その後の福島県内での講演会では、今でも安心安全論者が頻繁に持ち出す、他国の自然放射線被曝の話を山下氏も持ち出すのだが、その原型が既にここに滲み出している。

2014-05-06 12:40:29
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

23 山下氏の主張9の1:重要なのは、放出された放射性物質の核種が何かという事。特に重要なのは、放射性のヨウ素131で、体内に入ると甲状腺に蓄積される。なので、事前にそれを抑制することが重要。

2014-05-06 13:18:59
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

24 山下氏の主張9の2:国は原子力防災指針に従って、ある環境中のレベルと、24時間屋外にいると甲状腺の被曝線量が50ミリシーベルトと予測された段階で、安定ヨウ素剤の服用指示を出す。服用は医師の処方ではなく、国と県の命令で行う。

2014-05-06 13:19:29