ガイデッド・バイ・マサシ

翻訳チームによるサイバーパンクニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) 日本語版公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ブードゥー……」テック6の呟きが、モガタを物思いから引き戻した。彼らが進むのは直線の廊下であるが、左右には木彫りのミヤモト・マサシ像が数十体も並ぶ。ヤマブシ達が刻んで作ったものだ。どれも両手にカタナを構え、さまざまな姿勢をとっている。「価値はねえな」とエディアキ。「ダッセ」25

2012-11-30 15:53:59
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

左右の木彫り像の背後には粗い解像度の液晶タペストリーが設置され、マサシの様々なハイクがスクロールする。白い光が三人を照らす……「ダッセ!アイエッ」テック6が消えた。「え?」エディアキとモガタは反射的に身構える。天井は高く、底無しだ。「アイエエエ……」闇の中から声が降ってきた。26

2012-11-30 15:58:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

上に引き上げられた?一瞬で!?「ヤバイ!」エディアキが叫び、駆け出した。「走れ走れ!上からだ!ヤバイ!」「アイエエエエ!?」やがて上の闇からは一層切迫した悲鳴が降ってきた。「アバッ、アバーッ!」ヒュンヒュンと音を立て、肉鉤のついたロープが上から落ちてくる。これにやられたのだ!27

2012-11-30 16:01:55
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アイツ死んだな!」エディアキは無感情に言った。モガタは彼についてゆくのに必死だ。前方に階段!駆け上がる!「ソイッ!」「ソイッ!」「アイエエエエ!」モガタは悲鳴を上げた。前方の廊下を走ってくるのはまぎれもなくヤマブシの集団!「うるせえぜ!」エディアキがボルトガンを構える! 28

2012-11-30 16:04:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

BOOOM!「アバーッ!?」発射されたボルト弾はヤマブシの腹部に突き刺さり、最初の犠牲者ごと吹き飛ぶと、すぐ後ろ、さらに後ろのヤマブシをまとめて貫通し、廊下角の壁に縫い付けた。ナムアミダブツ!だが全滅に至らず!「ソイッ!」「ソイヤーッ!」ヤマブシ達が敵意を倍化し向かってくる!29

2012-11-30 16:06:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「左だ!」ターン!フスマを開け、エディアキ達は部屋の中へまろび込んだ。「ソイヤ!」ヤマブシが追ってくる!振り向きざまにエディアキはボルトガンを撃つ。BOOM!「アバーッ!」ターン!前方のフスマが開き「ソイヤッ!」新手だ!「イヤーッ!」「アバーッ!」モガタはハチェットで殺害! 30

2012-11-30 16:11:07
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「どんどん役に立てよお前!」エディアキは歯をむきだして笑った。「この程度の危険は闇稼業にゃ付き物よーッ!」「ソイッ!」「ソイヤ!」次の部屋にも数人のヤマブシ!エディアキは片手でリボルバー拳銃を抜き撃つ!BLAM!「グワーッ!」「イヤーッ!」モガタのハチェット!「グワーッ!」31

2012-11-30 16:13:36
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イケる!イケる!」エディアキはボルトガンを構えて次の廊下へエントリーした。「イケアバッ」……エディアキが戻ってきた。死んで。「ア……」モガタは凍りついた。エディアキの口から後頭部をヤリが貫通し、吊られている。ヤリを持つのは一際屈強なヤマブシ。僧服も違う。より豪華だ。32

2012-11-30 16:17:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ソイヤ!」「ソイヤ!」「アイエエエエ!」モガタは部屋の中心に後退し、ホールドアップした。追って来たヤマブシ達がそれを取り囲む。屈強なエリートヤマブシが槍先のエディアキを剥がし、タタミに捨てた。続いて入ってきたもう一人が、ズタズタにされた別の死体をタタミに投げた。テック6だ。33

2012-11-30 16:20:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ア……アイエエエエ」モガタは失禁し、膝から崩れ落ちた。ハチェットがタタミに転がった。「……涜神者め」エリートヤマブシがモガタを睨み据えた。「その身なり、この地の者か。道案内か。言え」「そうです!カネが要ったのです。許してください」モガタは呻いた。「命だけは」 34

2012-11-30 16:24:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「レリックが狙いか!聖ミヤモトの!」「そうです!」モガタはドゲザした。「でももう要りません!雇い主死んだ!無理ね!」「当たり前だ!」エリートヤマブシが怒鳴った。「ときに貴様、ニンジャを見なかったか」「ニ、ニンジャ?ニンジャナンデ!?」「……」ヤマブシ達は顔を見合わせた。 35

2012-11-30 16:27:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……まあよい。ともかく貴様は長老の前に引き出し、処刑裁判をする」「アイエエエエ!」モガタは泣き叫んだ。視界が歪み、死を前に、彼の貧しい暮らしがフラッシュバックした。ソーマト・リコール現象だ……過去の情景に……ニンジャが割って入った。「イヤーッ!」「「アバーッ!?」」 36

2012-11-30 16:29:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ナムサン!モガタ達がやってきた方向だ!モガタは涙目でそちらを見る。ニンジャである!ニンジャがスリケンを連続投擲しながらエントリーしてくる!「イヤーッ!」「アバーッ!」「イヤーッ!」「アバーッ!」ヤマブシを次々にスリケン殺!「アイエエエエ!」モガタは再失禁! 37

2012-11-30 16:31:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ニンジャ!何だと?」エリートヤマブシが眉根を寄せ、隣室を横切ってくる鈍色のニンジャを睨んだ。「新手だと?ええい、殺せ!」「イヤーッ!」ヤマブシ達が戦闘体勢をとり、ニンジャめがけて一斉にスリケンを投擲!だが……当たらない!一枚も!「何だと!?」 38

2012-11-30 16:34:49
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!イヤーッ!」スリケンを投げながら滑るように接近してくる鈍色のニンジャに、ヤマブシの攻撃は一切当たらないのだ。なぜか?鈍色のニンジャはしゃがみながら前進して来るのだ!なんたる不可思議な足運びか!これではまともな投法のスリケンを当てる事などできない! 39

2012-11-30 16:36:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「アバーッ!?」鈍色のニンジャはヤマブシをほとんど一方的に殺戮すると、「イヤーッ!」部屋の反対側へ回転ジャンプ、着地と同時にオジギした。「ドーモ、クイックシルヴァーです」 40

2012-11-30 16:41:03
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イ、イヤーッ!」ヤマブシの生き残りがスリケン投擲!だがクイックシルヴァーは素早くしゃがみ、スリケンを無効化!スリケンを投擲したヤマブシの額には、既に投げ返されたスリケンが深々と突き刺さっていた。ソクシ!「……まったく、アイサツを解さんクズがミヤモト・マサシとは笑わせる」 41

2012-11-30 16:42:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

モガタは失禁しながら恐るべきニンジャを見た。「ニンジャ……恐ろしい」「フン」クイックシルヴァーは鼻を鳴らした。そしてエリートヤマブシを指差した。「貴様らは皆殺しにする。貴様らのごときカルトがソウカイヤに恨みを持てば面倒だからな」そしてモガタを見た。「で、貴様はインタビューだ」42

2012-11-30 16:48:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ニンジャ何するものぞ!」エリートヤマブシがヤリを構えた。「ウオオーッ!」刺突突進!クイックシルヴァーは再び身を沈めた。だがヤリを潜るにはなお高い!そのとき!「イヤーッ!」クイックシルヴァーはしゃがみながらスリケン投擲!地を這うほどに身が沈み、ヤリがすり抜ける!「グワーッ!」43

2012-11-30 16:51:02
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

両足を破壊されたヤマブシは膝をつく。なおもヤリで攻撃しようとするのを、クイックシルヴァーはせせら笑い、跳ね上がるようなドロップキックを叩き込んだ。「イヤーッ!」「グワーッ!」ナムアミダブツ!首が180度回転死! 44

2012-11-30 16:54:10
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アイエエエ……」生き残りヤマブシは二人!さすがに戦意を喪失し後ずさる。「イヤーッ!イヤーッ!」「アバーッ!」「アバーッ!」クイックシルヴァーは彼らに容赦無く蹴りを叩き込み殺害!その時!仕掛け天井が開き、新手のエリートヤマブシが落下攻撃アンブッシュを仕掛ける!「イヤーッ!」 45

2012-11-30 17:08:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「何?」クイックシルヴァーのニンジャ反射神経をもってしても、この予想外のアンブッシュへの対応は難!クイックシルヴァーはやむなく、しゃがみながら防御しようとした。「イヤーッ!」その時、落下するヤマブシめがけ弓矢めいた勢いで飛びかかったもう一人のニンジャあり!「グワーッ!?」 46

2012-11-30 17:09:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

落下ヤマブシは空中で二度蹴られ、脇腹、心臓を破壊されてソクシ!柱に叩きつけられて動かなくなった。新手のニンジャはタタミ上に音も無く着地した。「ドーモ。ダークニンジャ=サン。ちと、ぬかったわ」クイックシルヴァーが謝辞を述べた。オブシディアン装束のニンジャは短く頷いた。 47

2012-11-30 17:12:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「掃討はもう済んだか」クイックシルヴァーが言った。「あらかたな」ダークニンジャはUNIX端末を確認しながら答えた。彼は震えるモガタを見た。「この男は?」「現地人だ。拷問して吐かせる」「この男がどれだけ知っているものか」「仕方無し。トレジャーハンターは既に死んでいる」「そうか」48

2012-11-30 17:15:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「拷問アイエエエエ!」モガタは気絶寸前だ。だが残念ながら実際に気を失って逃れる事はできなかった。「イヤーッ!」クイックシルヴァーは前触れ無くモガタの親指をへし折った。「アイエエエエ!」ダークニンジャは腕を組み、そのさまを見守る。 49

2012-11-30 17:26:47
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