茂木健一郎氏 @kenichiromogi 【改革の、担い手は誰か】連続ツイート

2012.12/1 茂木健一郎氏:連続ツイート第791回 【改革の、担い手は誰か】 …幕末の歴史をふり返ると、いろいろ面白いことがある。なぜ、薩摩と長州という、地方の二藩が維新の担い手になったのか。いろいろな要素があるが、やはり、両藩が向き合っていた当時の現実の中に、その答えがあるように思う…
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第791回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、昨日、なんとはなしにそのことを思い出したので、幕末のことを。

2012-12-01 06:57:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

かに(1)幕末の歴史をふり返ると、いろいろ面白いことがある。なぜ、薩摩と長州という、地方の二藩が維新の担い手になったのか。いろいろな要素があるが、やはり、両藩が向き合っていた当時の現実の中に、その答えがあるように思う。

2012-12-01 06:59:24
茂木健一郎 @kenichiromogi

かに(2)薩摩と長州に共通したこと、それは、当時の「列強」の実力に、両藩が直接接したということである。薩摩は、イギリスとの間に薩英戦争を闘い、アームストロング砲で攻撃を受けた。鹿児島が火の海となった。長州は、四カ国の連合艦隊と闘って、完膚無きまでに敗れた。

2012-12-01 07:00:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

かに(3)「攘夷」と言っていても始まらない、西洋列強の進んだ科学、技術、文明に学ばなければ、日本の未来は危うい。そんな危機感があったからこそ、薩摩と長州は、維新に向けて走ることができた。方針を転換して、西洋の文明に学び始めた。つまり、危機感が改革へのエネルギーとなったのである。

2012-12-01 07:02:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

かに(4)一方、江戸の幕府には、危機感が十分になかったと言われる。今までの体制を維持していても、西洋列強の圧迫に対応できると考えていた節がある。実際、大政奉還に至っても、名目上返して、実質的には同じことを続けていけば良い、と考えていたのではないかと言われている。

2012-12-01 07:03:32
茂木健一郎 @kenichiromogi

かに(5)翻って今の日本を見れば、バブル崩壊後の停滞ももはや20年に及び、幕末とは異なるかたちでの、転換期にあることは言うまでもない。東日本大震災と、福島第一原発事故は、日本の文明のあり方について、重大な問いを投げかけることになった。だから、多くの人が改革を叫ぶ。

2012-12-01 07:04:56
茂木健一郎 @kenichiromogi

かに(6)転換期にあると言っても、危機感には温度差があるだろう。今までのやり方の微調整でやっていける、と考えている人もいるかもしれない。そのような人たちは、この現代の日本において、比較的幸せ、恵まれているのかもしれない。しかし、恵まれた人たちは、改革の担い手にはならない。

2012-12-01 07:06:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

かに(7)改革の担い手になるのは、危機感を強く持った人である。その危機感は、それぞれの現場で受け取るものだろう。たとえば、グローバルな競争の現場に身を置いている人。インターネット新文明の洗礼を受けている人。あるいは、山間部の限界集落の実態を膚で感じている人。

2012-12-01 07:07:08
茂木健一郎 @kenichiromogi

かに(8)原発事故の影響を受ける人々に、寄り添っている人。若者たちの学びのあり方について、現場で一部始終を見ている人。経済が停滞し、多くの人あ生活保護を受ける実態を知る人。そのような、現場で時代の変調を直接受け止めている人たちが、その危機感から、改革の担い手になる。

2012-12-01 07:08:52
茂木健一郎 @kenichiromogi

かに(9)今の日本で、何よりも再建が必要とされているのは、「希望」のあり方、かたちだと思う。人間というものは、本性において怠けよう、面倒くさいという存在ではない。この方向で努力すれば、未来が開ける。そんなヴィジョンを示すことが、政治の役割。幕末から明治にかけてそうであったように。

2012-12-01 07:11:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第791回「改革の、担い手は誰か」でした。

2012-12-01 07:11:48