テニプリでDQパロ～導かれし者たち３～

煌＠ＤＱ11ネタバレ注意 @kou_DQ

「ゆ、ユキムラ…？」サナダが目を開きました。「顔色はいいな、もう大丈夫だ」ヤナギがそういうと、ユキムラもほっと息を吐きます。「サナダ、よかった…」「ユキムラ、迷惑をかけた…」「ホントだよ！護衛のくせに俺の足引っ張りやがって！バカサナダ！」ベキッ「ぐはっ！」 #テニプリＤＱパロ

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(入った…)(鳩尾に入った…)漫才じみたやりとりを見ながら呆然としていたリョーマたちにユキムラが振り向きます。再び気絶したサナダを置いてリョーマの前に立ちました。「君たちがパテギアを届けてくれたのかい？」「ッス」「ありがとう、おかげで助かったよ」 #テニプリＤＱパロ

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「俺はサンリッカイムのユキムラ。君は？」「リョーマ…」ほんのわずか違和感を感じつつも、リョーマは差し出された手を握ります。「リョーマ、君たちへの恩は忘れないよ。さあ、サナダ、ヤナギ！早速準備を！一刻も早くチトセを追うんだ！」「……！チトセ…！」 #テニプリＤＱパロ

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「…リョーマ、チトセを知ってるのかい？」ユキムラがリョーマを見つめ、リョーマが頷きます。「俺たちもチトセを探してるんです。恐らく俺の故郷を滅ぼした、仇なんッス」「なんだって…！？」「ブキンカの村が魔物に滅ぼされたと聞いたが…」「俺の…村です…」 #テニプリＤＱパロ

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「なぜ、山奥の村など滅ぼさなければならなかったんだ？チトセは…」ようやく復活したサナダがロープを巻き取りながら尋ねます。「それは…」「…彼が、魔王を倒すさだめを受けた伝説の勇者様だから、だよ」「アツシ？」「大丈夫、この人たちになら真実を話しても問題ないよ」 #テニプリＤＱパロ

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アツシは改めてリョーマが伝説の勇者であること、そして自分たちは勇者と共に導かれた仲間であり、魔王を倒すための旅を続けていることを説明しました。「せやったら、俺は…」「ユウシも。…ユキムラ王子、サナダ、ヤナギ…あなたたちも導かれし者たちです」 #テニプリＤＱパロ

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「王子？」リョウがきょとんとしながら声をあげまさた。「そう…わかっていたんだね。なら君の言葉は真実で、俺たちは運命共同体なんだろう」ユキムラが微笑みました。「いかにも俺はサンリッカイムの王子ユキムラ…姫と言うのは亡き母様の神託によって授けられた偽りの称号さ」 #テニプリＤＱパロ

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リョーマは自分が感じていた違和感が正しかったことを実感しました。ユキムラは改めてリョーマを見つめます。「勇者リョーマ。俺の国を救うため、魔王から世界を守るために俺たちも君と一緒に行かせてほしい」「…勿論、喜んで」「よろしく！」 #テニプリＤＱパロ

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「これで導かれし光は六つ…あと一人、最後の仲間を見つければ勇者は大いなる光になる」「そうすれば、魔王にも勝てる力が手に入るんだなっ…！」「魔王か…俺には想像もつかんけど、伝説の勇者と一緒なら伝説の剣も見つかるかもしれへんなあ…！」 #テニプリＤＱパロ

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「まずはチトセを追う！きっとなにかを知っているはずだ！」「そうだな」「うむ！」「じゃあ…行こうか！」全員が決意を新たにしたところでノックの音が響きました。顔を覗かせたのは先ほどの黒縁眼鏡の青年です。「すまない。立ち聞きをするつもりはなかったんだが…」 #テニプリＤＱパロ

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青年が眼鏡を押し上げました。「君は…本当に伝説の勇者様なのかい？」「…はい」青年の問いにリョーマは素直に頷きました。「そうか。いや、大丈夫。誰かに言いふらしたりはしないよ。だが君が勇者なら耳に入れておきたいことがあるんだ」「…なんですか？」 #テニプリＤＱパロ

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「君たちがここに来るほんの少し前…この宿屋に一人の旅の僧侶が泊まっていた。彼は伝説の勇者を探し、守護することを目的に旅を続けていると言っていたんだ」「！」「アツシ、それって…」「…うん、最後の導かれし光だよ」「彼は、どこへ！？」ユキムラが問いました。 #テニプリＤＱパロ

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「次はキングルドへ向かうと、そう言っていたよ」「…キングルド、だって…！？」リョウが声をあげました。アツシも息を呑みます。事情を知らないユキムラたちにリョーマが簡潔に説明しました。「そうか、リョウたちの仇がそこに…」「バルザック…！」「今度こそ…」 #テニプリＤＱパロ

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青年にお礼を言って、リョーマたちは宿屋を後にします。宿屋の前ではシウがカルピンを連れて待っていました。「よう、リョーマ。カルピンはもう大丈夫だ。次はどこへ行くんだ？」「次はキング…」「おーい、ユキムラー！」別の声がリョーマの声を遮りました。 #テニプリＤＱパロ

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走ってきたのは洞窟で見た小柄な少年。後ろから金髪の青年も歩いてきます。「ユキムラ、彼らは？」「パテギア探しを手伝ってくれた旅人さ。おーい！キース、ピーター！」ユキムラが笑顔で手を振ります。「キース…ピーター…！？」シウが目を見開きました。 #テニプリＤＱパロ

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「ユキムラ！まったく勢い良すぎだぜ、やっと追い付いたよ」「悪かったね、無事でよかった」「…結果的に役には立たなかった…すまなかったな」「とんでもないよ、俺も助かったから。ありがとう」談笑する三人の元に、シウが歩み寄ります。「キース」 #テニプリＤＱパロ

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声をかけられた金髪の青年、キースが顔を向け…シウの姿を見て目を見開きました。「シウ…！？」「ああー！シウ！！」ピーターも驚いた様子で声をあげます。「キース、ピーター…おまえたち、無事だったんだな…！」シウが二人に飛び付きました。 #テニプリＤＱパロ

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「シウ、お前も無事だったのか…姿が見えなくなって心配していた…」「ああ、カルピンが助けてくれたんだ」「そうだったのか」「すまない、俺はお前たちに裏切られたと思い込んで…」「洞窟の魔力だったと俺もすでに聞いている…お前が気に病む必要はない」「キース…！」 #テニプリＤＱパロ

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「シウ、また俺たちと旅を続けないか？なあ、ピーター」「うーん、キースがそういうなら俺はいいけど」「二人とも…」シウは二人を見つめ、状況を見守るリョーマに視線を向けました。リョーマは静かに頷きます。 #テニプリＤＱパロ

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「すまない、みんな。俺はキースたちと行くよ…今度こそ、最後まで仲間を信じる心を忘れずに」「うん、それがいいよ」「元気でね」「がんばれよっ」リョーマたちも口々に応援します。「カルピンと馬車は…リョーマ、お前に任せる。役立ててくれ」「ありがとう、助かるよ」 #テニプリＤＱパロ

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「カルピン、リョーマの言うことをちゃんと聞くんだぞ」カルピンは大きく嘶いて同意します。「それじゃあ…今までありがとう。また会おうな！」シウはそう言って手を振りながら、キースたちと一緒に旅立って行きました。リョーマたちも見えなくなるまで手を振って見送ります。 #テニプリＤＱパロ

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「さあ、俺たちもいこう」ユキムラがそう言って馬車に乗り込みました。他の仲間たちも次々に馬車に乗り込み、リョーマは御者台に座ってカルピンの毛並みを撫でました。「よろしく」カルピンが鼻息で力強く応えます。「いざ、キングルドへ…！」馬車は勢いよく走り出しました。 #テニプリＤＱパロ