テニプリでDQパロ～導かれし者たち８～

煌＠ＤＱ11ネタバレ注意 @kou_DQ

「それが…俺の探し求めた世界最強の剣…！」ユウシが感動に震えています。リョーマはそっとユウシの前に剣を差し出しました。「なんて繊細な細工…この世のものとは思えへん。…でも」ユウシの表情が曇りました。「なんや…世界最強の割りには…なんというか…頼りないなあ」 #テニプリＤＱパロ

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ユウシの言う通り、天空の剣(？)は放つ輝きは神々しいものの、それ以外は普通の剣と大差なさそうな気配でした。「…でもそれは天空の剣で間違いないさ。それさえあれば天空城に行けるやっしー！」カイが言います。「とりあえず、まずは皆と合流しよう。…リレミト！」 #テニプリＤＱパロ

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「最近の人間はすごいさー。翼もないのに空を飛べるなんて！」みんなに紹介されたカイは、天空への塔の場所にも案内してくれるとのことでした。早速気球に乗り込み、天空への塔を目指します。 #テニプリＤＱパロ

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みんなもカイには興味津々です。「これ、本当に生えてるの？」「勿論さぁ」「いいなあ、空が飛べるなんて」「羽が治ったら一人くらいなら運べるさ」「ホント！？俺、飛んでみたい！」「俺も！！」「順番やっしー」楽しそうにみんなで談笑を続けています。 #テニプリＤＱパロ

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「…天空人っていっても、翼以外は人間と何も変わりないんですね」「んー。まあ、そうかな」「いっそみんなもっと地上に降りてきたらいいのに」「…それは、無理さ」「なんで？」「マスタードラゴン様がお許しにならないさー」 #テニプリＤＱパロ

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「マスタードラゴン様は天空人と地上人の交わりを固く禁じてるさぁ」「…なんで？」「あの方のお考えは俺にはわからんやし…昔、地上に降りて地上人と恋に落ちた天空人の女がマスタードラゴン様のお怒りに触れて夫と子供を残して連れ戻されたこともあるさ…」 #テニプリＤＱパロ

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「……天空人と地上人の子供が、いるんだ」「二つの血が交わることで未知なる力が現れることを危惧しているのかもしれないな」ヤナギの冷静な分析が静かに響きました。「……あ！あそこさ！」カイが突如身を乗り出して指差しました。 #テニプリＤＱパロ

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海の真ん中にある小さな島には、厳かな雰囲気の町がありました。「ここはゴッドタシケ…天空に一番近い町です」「天空に一番近い…」「神の声を聞き、それをお告げとして世界に広めます。貴方をずっとお待ちしていました。天空の勇者、リョーマ」「！」 #テニプリＤＱパロ

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「この地よりさらに南にある天空への塔…天空の武具をすべて手にした貴方なら天空城へたどり着けるでしょう。地獄の帝王は倒れましたが、今、第二の地獄の帝王が誕生しようとしています」「っ…チトセ…！」「どうか天空城にて神のお言葉を賜りください…」 #テニプリＤＱパロ

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リョーマたちは天空への塔をひたすら登っていきます。下から眺めると本当に天空まで続いていそうな高い高い塔。階段を昇り、はしごを昇り、ひとりでに浮遊する魔法の床を駆使して上を目指しました。やがてたどり着いた頂上にはひとつの台座。 #テニプリＤＱパロ

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リョーマたちは頷きあい、ゆっくりと台座に足を踏み入れました。すると、「…天空の武具がっ…！」リョーマの装備していた天空の武具が眩しい光を放ちました。すると光がまるで雲のように集まり、リョーマたちを乗せて天空へと舞い上がります。 #テニプリＤＱパロ

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光の雲が消えたのは、大きな雲の上でした。足が雲に埋まりますが、それ以上沈むことはなさそうです。「わぁなにこれ、面白ーい」「お、落ちへんやんなぁ？」「…リョーマ、あれ」「……あれは！」目の前に荘厳な城がそびえていました。 #テニプリＤＱパロ

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「天空城さ！帰ってこれたさぁ！！」カイが馬車を飛び出し、天空城へ駆け寄ります。しかし現れた人物を見てぴたりと足を止めました。「随分と遅いお帰りですね、カイくん」「き…キテ…。その、魔物に襲われて…」「ほう。ならばなおのこと鍛え直さなければ」「あいひゃあー！」 #テニプリＤＱパロ

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逃げ出そうとしたカイの翼を、キテがむんずと掴みます。「いっ…痛い痛い！」「問答無用です。来なさい」「ぎゃー！」カイがずるずると引っ張られていくのを呆然と眺めるリョーマたちでしたが、キテが思い出したように足を止めました。 #テニプリＤＱパロ

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「おっと忘れていましたね。めんそーれ、天空の勇者。我らが主、マスタードラゴン様がお待ちです。すぐに謁見なさるといいでしょう」キテはそれだけ言うとカイを引きずって姿を消しました。「…じゃあ、会いに行こうか。竜の神様に…」 #テニプリＤＱパロ

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玉座にいたのは、リョーマの何十倍も大きな体を持つ神々しい白銀のドラゴンでした。ドラゴンはリョーマにゆっくりと首を近付けます。「よくぞここまで来たな。天空と地上の血を受けし、伝説の勇者リョーマよ」「…天空と、地上の血？」「それってカイが話してた…」 #テニプリＤＱパロ

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「左様。本来ならば禁忌だが、その力は天空人よりも地上人よりも強い聖なる力を持つ…まさに勇者なのだ」「…俺に天空の血が…」リョーマは自分の手のひらを見つめました。「我が名はマスタードラゴン。ここにいながらにして、すべてを知る者」「アナタが竜の神様…」 #テニプリＤＱパロ

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「お前たちがここに来た目的もわかっている。だがもはや私ですらチトセの暴走は止められぬ…」「そんな…！神様でも無理なんて」リョウが声をあげます。「…しかしお前たちならば…むっ…？」マスタードラゴンが首をあげました。 #テニプリＤＱパロ

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途端に何か邪悪な気が辺りを包み、天空城が大きく揺れました。「いまのはっ！？」「マスタードラゴン様！たった今闇の世界から襲撃が…」「よい。わかっておる。リョーマよ、もはや一刻の猶予もない。」 #テニプリＤＱパロ

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「しかし人間というか弱き存在が力をあわせここまでたどり着いた、その奇跡を我も信じよう。お前たちの絆があれば、必ずやチトセを打ち倒せると」「…はい」「我も持ちうる力を渡そう。リョーマ、天空の剣を」リョーマが天空の剣を差し出しました。 #テニプリＤＱパロ

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マスタードラゴンがふぅと剣に息を吹き掛けます。するとたちまち剣が強い輝きを放ちました。「っこれは…！」まるで剣の力がリョーマの中に流れ込んでくるようです。「その輝き…！まさにそれこそ世界最強の剣や…！」感嘆の叫びが聞こえました。 #テニプリＤＱパロ

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「さあ行け、禁忌の…否、奇跡の子よ。武運を祈る」「はい…！みんな！」「はい」「まかせろ！」「うむ」「ああ」「よっしゃ！」「行こうぜ！」「うん！」みんなが力強く頷き、玉座を飛び出します。その姿をマスタードラゴンは目を細めて眺めていました。 #テニプリＤＱパロ

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天空城のある雲の端に大きな穴が空いていました。先ほどの襲撃によるものでしょう。「…ここを、飛び降りるのか」「うわぁー…まじ…？」「…行くしかないでしょう」みんなが覚悟を決めた瞬間。「おーいみんなー！」声をかけてきたのかカイでした。 #テニプリＤＱパロ

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「カイ…」なんだかボロボロですが、その手に何かを握りしめています。「はあはあ、間に合った。リョーマ、これを！」「これは？」リョーマに渡されたのは何かの角でした。「これは海賊の角笛(バイキングホーン)きっと何かの役に立つから持っていってほしいさ」 #テニプリＤＱパロ

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「ありがとう」リョーマが角笛を受けとりました。「ちばりぃよ」「はい！」カイに見送られながら、リョーマたちは馬車に乗り込みます。「っよし、行け！」カルピンはこの声にひとついななくと、穴に飛び込んでいきました。 #テニプリＤＱパロ