テニプリでDQパロ～導かれし者たち９～

煌＠ＤＱ11ネタバレ注意 @kou_DQ

希望のほこらを後にしたリョーマたちは、四つのグループを決めると互いの武運を祈り、四つの封印を目指してそれぞれに進み始めました。南東の封印を目指すのはリョウとアツシの双子です。 #テニプリＤＱパロ

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「あと少し…この戦いが終われば世界に平和が訪れるんだね」「そうだな」「そのためにも…この封印は必ず解かないと。…僕の命に代えても…」「…そういう重いの、やめとけよアツシ」「え？」「命に代えてとか命を懸けてとか、そう言うんじゃないと思うぜ」 #テニプリＤＱパロ

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リョウは長い髪をばさりとかきあげます。「なんとしても勝たなきゃいけないんじゃなくて、絶対に勝つんだ、俺達は。それでそれぞれの故郷に戻る。俺はとりあえず浴びるほどお酒を飲んで昼間から寝て、夜は国からの謝礼金でカジノ三昧だぜ！」「リョウ…」アツシが微笑みました。 #テニプリＤＱパロ

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「ダメだよ、謝礼金は僕が管理する。無駄遣いはさせないから」「えっ！？」「リョウは劇場に戻ってしっかり働いて、そのお金でカジノに行きなよ」「ええー！？せめて半分！半分だけ！」「だーめ」「アツシ～」リョウががっくりと肩を落とすのをアツシはクスクスと眺めていました。 #テニプリＤＱパロ

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そんな二人の耳に、ドラゴンのような雄叫びが届きました。「…リョウ」「ああ。お金の使い道はとりあえず…アレを倒してからじっくり話し合おうか」二人の前には巨大なドラゴン、アンドレアルが三匹立ちはだかっていました。 #テニプリＤＱパロ

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『私は結界を守るもの…命に代えても結界を破らせるわけにはいかぬ…！』「はっ、命に代えてもなんて古い古い！」「僕たちは…勝つ！」『さあ、来るがよい！』アンドレアル高熱のガスを吐き出しました。「フバーハ！」アツシの呪文で二人を光の膜が覆います。 #テニプリＤＱパロ

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光の衣は熱をいくらか和らげましたが、チリチリと肌を焼きます。「っの…踊り子は肌が命なんだぞ！お返しだ、メラゾーマ！」リョウが叫ぶと巨大な火球がアンドレアルを直撃しました。アンドレアルが低く呻きますが他のアンドレアルたちが再びガスを吹き出しました。 #テニプリＤＱパロ

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「くっ…纏めて倒さなきゃ埒が明かないな、アツシ！」「わかった！」リョウとアツシが頷きあってお互いの手をとります。「イオナズン！」「バギクロス！」「「喰らえ、爆裂旋風魔法・イオナロス！！！」」 #テニプリＤＱパロ

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二人が唱えた魔法が、アンドレアルたちを包み込み、切り刻み、爆発させました。『ぐ、ぐぉおぉお…』アンドレアルが地面に倒れ込みます。『ぐ…シライシ様を失い…チトセ様がどれほど嘆いたことか…人間など滅びてしまえばいい…チトセ様バンザイ！』 #テニプリＤＱパロ

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アンドレアルはそれだけ叫ぶとがくりと力尽きました。その身体がゆっくりと空気に溶けていき、何かが弾け飛ぶような音が響き渡ります。「…封印が解けたみたいだね」「後はみんなを待とう」「うん」リョウたちは誰も居なくなったその場所を後にします。 #テニプリＤＱパロ

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リョウが一度だけ振り向きました。「大切な人を失うのは悲しいよ。だけど、それを争いの理由にしたら…また別の誰かが悲しむだけだ。憎しみの連鎖は、自分で断ち切らなきゃいけない。そうだよな、サエ…」 #テニプリＤＱパロ

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南西の封印を目指すのは、ユキムラとサナダの二人です。「どんな敵が待ってるのか…腕が鳴るな」「いかような敵であっても、俺がユキムラを護る！」「あはは、サナダが俺を護るなんて面白い冗談だな、和むよ！」「う、うむ…」サナダはちょっとだけ涙をこらえました。 #テニプリＤＱパロ

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封印のほこらの先は一本道でした。しかし途中に奇怪な土偶が並んでいます。「なんだあれ？」「ユキムラ、不用意に近づくのは…」「…え？」ユキムラが近づくと土偶も同じスピードで近寄ります。そして土偶がユキムラに触れた瞬間、眩い光を放ちました。 #テニプリＤＱパロ

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気がつくとユキムラたちは入口に戻っていました。「…、なにこれ！？」「侵入者への罠か」「腹立つ！もっかい行く！」ユキムラが駆け出します。しかしこちらの動きに対応して動く土偶に翻弄され再び入口に戻ってしまいます。「くっそー！こういう頭使うのはヤナギの仕事なのに！」 #テニプリＤＱパロ

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ユキムラが憤慨するのを宥めながら、サナダが辺りを見渡して何かに気づきます。「ユキムラ、ひょっとしてこの柱を利用すれば…」「もう怒った」サナダの意見を無視してユキムラが腰を落とします。「触れたらダメなら…触れずに壊す！波動拳！」 #テニプリＤＱパロ

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ユキムラの拳から放たれた波動が、土偶を粉砕します。ユキムラ様いよいよ気を飛ばし出しました。でも原作でも気でボール作ってたし仕方ないね！「ふう…先に進むぞ、サナダ！」「う、うむ」晴れ晴れとした表情で歩き出すユキムラにサナダが頷きます。 #テニプリＤＱパロ

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足元に散らばる土偶の残骸を見つめ、息を吐きました。「…やはりユキムラは素晴らしい…！」【結論】このチームつっこみ不在。 #テニプリＤＱパロ

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ほこらの奥には凶悪そうな表情を浮かべた大きな魔物が立っていました。その前にはいかにも怪しそうな魔方陣が禍々しく輝いています。『ひゃーっひゃひゃ！よくここまでたどり着いたな人間共！まずは誉めてやろう』「嬉しくないけどどーも」 #テニプリＤＱパロ

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『その勇気に免じていいことを教えてやろう。その魔方陣の中心を見てみろ』「中心？」ユキムラが振り返ったその瞬間でした。『隙有り！』「ユキムラ！」卑怯にもギガデーモンが持っていた巨大な棍棒をユキムラの頭を目掛けて振り下ろします。 #テニプリＤＱパロ

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ガキィと金属音が響きました。『…何！？』「あの土偶を見たときから思ってたよ…どうせここを護ってるのは姑息な奴だろうってね」棍棒を受け止めたユキムラの炎の爪がごぉっと炎を纏います。「サナダ！」「承知した！」サナダが剣を抜き放ちます。 #テニプリＤＱパロ

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『喰らえぇえ！』「それは」「こっちの台詞だ！」サナダの一太刀がギガデーモンの皮膚を切り裂きます。『はっ、この程度…』「で、済むと思うなよ」ユキムラの炎の爪が切り裂かれた皮膚から深々と体内に食い込みます。「燃え尽きろぉ！！」炎がギガデーモンを包み込みました。 #テニプリＤＱパロ

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『ぐぎゃあああああ！！ばかなあぁ！！！』ギガデーモンはのたうち回りますが体内から燃える炎にはどうすることも出来ず、やがて力尽きます。「ふんっ、楽勝楽勝」ユキムラはぱんぱんと手を払いました。結界の解ける音が響きます。 #テニプリＤＱパロ

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「さあ、結界も解けたし、戻るか！」「ああ。その前にユキムラ」「ん？」「ホイミ」棍棒を受け止めた際にユキムラの頬にわずかにつけられていた擦り傷がたちまち癒されます。「これで大丈夫だ」「…大袈裟だよ、これくらい」ユキムラが膨れます。 #テニプリＤＱパロ

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「これくらいではない！ユキムラの顔に傷を残すわけには…」「だから俺はお姫様じゃないの！れっきとした男！王子様なんだよ？小さな傷でガタガタと」「性別が問題なのではない！…俺がユキムラに傷ついて欲しくない。それだけだ」「…っサナダ…」「ユキムラ、俺は…お前が…」 #テニプリＤＱパロ

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「わぁあああ！」「ぐふっ！？」ユキムラが叫びながらサナダに拳を叩き込みました。サナダが膝をつきます。「ゆ、…ユキムラ？」「なしなし！もういい！希望のほこらに帰る！ほら、立てサナダ！」「し、承知…」サナダが震えながら立ち上がります。 #テニプリＤＱパロ