【愛媛新聞】記者福島ルポ

しまなみ @shimanamis

【愛媛新聞】本紙記者福島ルポ　高線量　暮らし葛藤　郡山の鈴木さん（新居浜出身）　除染手つかず　情報「後出し」疑心募る①　２０１１年３月１１日金曜午後に起きた東日本大震災。鈴木雅敏さん＝新居浜市出身＝は、福島県郡山市内の勤務先の金融機関にいた。

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【愛媛新聞】本紙記者福島ルポ　高線量　暮らし葛藤　郡山の鈴木さん（新居浜出身）③　福島県中通地方にある中核都市の郡山市は、原発建屋爆発時の風向きや地形の影響で、福島市などと同様、空間放射線量率が比較的高い。ただ鈴木さんが放射能を意識し始めたのは、混乱が落ち着いた初夏。

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【愛媛新聞】本紙記者福島ルポ　高線量　暮らし葛藤　郡山の鈴木さん（新居浜出身）④「国は危険とは言わないが地元の測定結果は出ず、住民が線量計を入試して測定し始めた。家の庭は毎時２．５マイクロシーベルト、放射性物質が集まりやすい排水溝だと１０マイクロシーベルトの測定限界を振り切った。

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【愛媛】本紙記者福島ルポ　高線量　暮らし葛藤　郡山の鈴木さん（新居浜出身）⑤　原発周辺の自治体では、国の事業者で業者による大規模除染が始まっている。しかし郡山では機材のレンタルや購入費用の補助のみで、原則住民が行う。約３５０世帯ある鈴木さんの地区は話し合いの末、今年は見送った。

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【愛媛】本紙記者福島ルポ　高線量　暮らし葛藤　郡山の鈴木さん（新居浜出身）⑥　補助だけでは高価な機材を借りられず、洗い流すだけ。農地や低い場所にある住宅はかえって汚染される恐れがある。なにより除染で生じた廃棄物の持ち込み先が決まっておらず、新たな地域の火種になることを心配した。

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【愛媛新聞】本紙記者福島ルポ　高線量　暮らし葛藤　郡山の鈴木さん（新居浜出身）　除染手つかず　情報「後出し」疑心募る⑦　「人口が多い福島市や郡山市の住民が避難すれば大パニック。受入先もないから避難させなかったのでは」―。

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【愛媛新聞】本紙記者福島ルポ　高線量　暮らし葛藤　郡山の鈴木さん（新居浜出身）　除染手つかず　情報「後出し」疑心募る⑧　原発事故に関する国や県、自治体からの情報提供は「すべて後出し。今更危険と言われても、泣き寝入りするしかない。除染も本当にできるのか」と疑心が募る。

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【愛媛新聞】本紙記者福島ルポ　高線量　暮らし葛藤　郡山の鈴木さん（新居浜出身）　除染手つかず　情報「後出し」疑心募る⑨　汚染が見つかった地区の貯水池の汚染は低下したという行政の説明を信用できず、飲料水は購入している。

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【愛媛新聞】本紙記者福島ルポ　高線量　暮らし葛藤　郡山の鈴木さん（新居浜出身）　除染手つかず　情報「後出し」疑心募る⑩　鈴木さんの職場でも子どもを持つ若手数人が退職した。市教育委員会によると、市内の小中学生は震災前の１０年度の３万３５１人から１２年度は２万７７５５人に減った。

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【愛媛新聞】本紙記者福島ルポ　高線量　暮らし葛藤　郡山の鈴木さん（新居浜出身）　除染手つかず　情報「後出し」疑心募る⑪　少子化で減少傾向とはいえ、県内外に自主避難している児童生徒が５月末時点で１０５０人いる。

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【愛媛新聞】本紙記者福島ルポ　高線量　暮らし葛藤　郡山の鈴木さん（新居浜出身）　除染手つかず　情報「後出し」疑心募る⑫　残る側も複雑だ。昨夏、子どもたちは、長袖長ズボンにマスク姿。運動会はなく、地域の秋祭りにも参加しなかった。今年の運動会や秋祭りにも参加していなかった。

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【愛媛新聞】本紙記者福島ルポ　高線量　暮らし葛藤　⑬　今年の運動会や秋祭りにも参加していなかった。今年の運動会や秋祭りは例年通りに戻ったが、屋外で遊ぶ用事は今もほとんどいない。「忘れるのは恐ろしい。でも気にしていたら外にも出られないし、仕事にもならない」と葛藤が続く。

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【愛媛新聞】本紙記者福島ルポ　高線量　暮らし葛藤　郡山の鈴木さん（新居浜出身）　除染手つかず　情報「後出し」疑心募る⑬　除染や復旧で一部の業種は特需に沸くが、いつまで続くか分からない。農業や観光は大きな被害を受け、健康不安や展望の暗さが気にかかる。

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【愛媛新聞】本紙記者福島ルポ　高線量　暮らし葛藤　郡山の鈴木さん（新居浜出身）　除染手つかず　情報「後出し」疑心募る⑬　鈴木さんの３人の子どもは社会人や学生として県外にいる。「父として、帰ってきたらとは云えないですね」と淋しそうに笑った。（森田康裕記者）