Phosphorus in Action(6章リン循環における菌根共生の役割)のメモ

「Phosphorus in Action(6章リン循環における菌根共生の役割)」を読みながらのメモ書きです。 http://togetter.com/li/419167
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Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

輪(リン)読本読みながらメモ乗っけます。「Phosphorus in Action」 Chapter6: Role of Mycorrhozal Symbioses in Phosphorus Cycling

2012-12-06 16:07:13
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

ゼミ発表用の自分のメモなので、用語等の説明は圧倒的に不足していると思います。あしからず。興味がある方は調べるなり聞くなりしていただければ。

2012-12-07 20:00:47
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

全訳ではないし、分かりにくいところはちょいちょい順番変えたりしているので、ちゃんと読んでみたい方は本を買うなり、借りるなりしていただければ。

2012-12-17 18:52:39
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

イントロ、菌根共生の紹介。「アーバスキュラー菌根(AM)共生は、陸上植物の多くとグロムス菌間の共生。ある植物と菌種間の特異性、ジェノタイプ間の特異性も発見はされている。」

2012-12-06 16:11:37
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

「外生菌根(ECM)、エリコイド菌根(ERM)、ラン菌根はAMより新しい。植物は限られた系統で、菌は担子菌、子嚢菌、接合菌に含まれる。種特異的な共生関係を持つ菌(例、SuillusやCortinarius)や広い植物種と共生する菌(例、Cenococcum)がいる。」

2012-12-06 16:16:48
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

「いくつかの植物種(eucalyptuses, willows, alders)はAMとECMどっちも形成しうる。」

2012-12-06 16:20:10
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

「極地や高標高域では菌根が少ないが、根には機能不明の内生菌(DSE)が定着。定義的には、内生菌は植物組織内で生活環を完成させるが、菌根菌は植物根内と環境土壌中という2つの環境に定着し繋いでいる。」

2012-12-06 16:23:56
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

「ヒースランドでは、通常ERMが、タイガではECMがそれぞれ優占する。落葉樹林の多くの樹木はECM、一方で下層の植物はまずAM菌の定着を受ける。草地や熱帯のほとんどの植物はAM共生。」

2012-12-06 16:30:56
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

「風化が激しく、リン制限の強い環境(例、オーストラリア西部)に定着している植物はしばしば菌根を欠く。これらの植物はリン吸収のためにクラスター根のような異なる適応をしている。」

2012-12-06 16:35:48
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

「野外環境では、単一の植物個体の根は同時に複数種の菌根菌の感染を受けている。これは養分吸収において植物の利益を最大化していると考えられる。」

2012-12-06 16:38:09
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

6.1.2菌根の機能「野外において、菌根はいるのが普通、いないのが特殊なので、植物(や土壌)における菌根共生の重要性は示しにくい。ポットや圃場での菌根無し植物実験は実験的人工物を生み出しうる。例えば、土壌のオートクレーブ滅菌は土壌の化学性を変化させ、他の土壌生物も死んでしまう。」

2012-12-06 16:54:08
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

「様々な環境条件下での菌根あるなし実験を集合的に見ると、植物は菌根共生の利益として、養分獲得の上昇(主に土壌中で移動性の低いリン、亜鉛、銅)、乾燥・生物ストレス耐性の増加が挙げられる。」

2012-12-06 16:57:06
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

「菌根共生による植物の利益は、根の機能の拡張・補完による。菌根菌は土壌環境中に菌糸を伸ばすことで、植物の根よりも広範な領域の養分を利用できる。通常、根毛は数ミリ程度だが、AM菌では数センチ、ECM菌では40センチのリン輸送が報告されている。」

2012-12-06 17:04:48
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

「一方、菌根菌は宿主から数ミリの範囲で非常に密な菌糸ネットワークを作る場合もある。この菌糸ネットワークは、植物の無機養分獲得能力を上げる。また、ECM菌においては、この菌糸ネットワークが植物の水において重要であることも報告されている。」

2012-12-06 17:14:54
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

「菌根菌の根への感染は、植物-土壌由来病原菌の相互作用においても重要である。これは1)植物の養分状態の向上、2)植物由来の炭素をめぐる菌根菌と病原菌の直接競争、3)根圏微生物活性/組成を変化させることによる。」

2012-12-06 17:18:36
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

「多くのERM、ECM菌は有機態養分の無機化や難分解無機養分の風化作用を持つと考えられる。しかし、これらはいくつかのケーススタディで示されただけで、他の土壌微生物(特に原核生物)による作用も大きいと考えられる。これらの作用における菌根菌の貢献はあまり定量化されていない。」

2012-12-06 17:28:01
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

「菌根菌の存在は他にも、土壌環境(保水性など)の改変、植物群集の種内・種間競争の調節、土壌微生物群集への影響などがある。」

2012-12-06 17:32:10
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

「菌根菌は従属栄養生物であり、生長や呼吸に必要な炭素源として、宿主が光合成で固定した有機態炭素を要求する。また、いくつかの菌(特にERM、ECM)は限定的な腐生性を持つと考えられている。宿主への炭素依存度は環境条件により異なり、条件によって植物の利益にも寄生的にもなりうる。」

2012-12-06 17:50:27
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

「例えば、風化が進んだ極端な低リン環境では、菌根菌の存在によるリン吸収という利益が少ないので、植物はリン吸収のために他の形質(例、クラスター根)に特化する。一方、土壌中のリンの利用可能性が十分に高い場合は、植物は菌根無しでも十分なリンを獲得できるので、菌根はあまり発達しない。」

2012-12-06 17:55:52
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

「とはいえ、大多数のECM、ERM菌の研究は、これら共生菌が根に定着することで宿主の生長が良くなることを報告している。菌根菌が宿主に利益になりうるかを決定する要因は、土壌中のN/Pの利用可能性、植物種子の養分貯蔵量、植物の齢・成長率、植物と菌の種の組み合わせ等がある。」

2012-12-06 18:16:40
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

6.2 「土壌中のリン形態と菌根による利用可能性」 6.2.1 リンの形態 「リンは土壌中に様々な形態で存在。無機態(カルシウム、鉄、アルミなど様々なリン酸塩)は物により水への可溶性や化学反応性が異なる。また、有機態化合物(核酸、リン脂質、代謝中間産物など)でも存在。」

2012-12-07 11:07:41
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

「土壌中でのリン形態は多様だが、菌根菌や植物の原形質膜を多量に通過できる唯一の形態はオルトリン酸塩(Pi)、H2PO4-である。微生物は様々な形態の有機態リンを利用できうる事が知られるが、実際には膜通過の際はPiを認識していることが多い。」

2012-12-07 11:15:44
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

「そのため、植物のリン獲得においては土壌中のPiが中枢的な役割を持つ。ちなみに、植物のリン直接吸収は、植物細胞が土壌中のリンを吸収すること、菌根菌を介した吸収は、菌の外部菌糸が土壌中から吸収したリンを菌根を介して植物が吸収することを指す。」

2012-12-07 11:18:38
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

6.2.2 菌糸によるリン獲得の動力学 「土壌中から細胞へのリンの取り込みは、Pi輸送体を介する。これら輸送体はいくつかの膜貫通ドメインを持つ大きなタンパク質で、輸送の際、プロトン・ナトリウムを共輸送するため、電気化学的勾配に逆らったリンの移動がある。」

2012-12-07 17:58:59
Shunsuke Matsuoka @Mtok_Snsk

「近年ECM菌(Hebeloma cylindrosporum)において2つのPi輸送体が研究された。菌根菌における初めてのPi輸送体の同定はGlomus versiformeのcDNAライブラリからで、酵母のPi輸送体の遺伝子から作成したプローブを用いて検出。」

2012-12-07 18:04:06