「富国強兵の遺産」要約 第二章―2

目次:http://togetter.com/li/421405 「日本とは異質なのか?」~「計画的な育成と意図せぬ育成」まで 民間技術と防衛技術の相互浸透は、日本に特有のことではない。
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bouninng @bouninng

国防総省は超高速集積回路(VHSIC)のマイクロチップを使うシステムの仕様は明らかにしたが、使用されるべき技術についてはあえて明示しなかった。その結果、六社の参加企業は幅広く様々な技術を開発した。

2012-12-17 23:31:11
bouninng @bouninng

国防総省はこのように設計開発での競合を推進する一方で、積極的に各社に情報を共有させた。VHSICに関するあらゆるレポートのデータベースがつくられ、半年毎の会合では参加企業が進歩状況と技術的課題について報告しあった。

2012-12-17 23:31:25
bouninng @bouninng

さらに国防総省はプログラムに参加していない企業に向けて、アメリカ全土でワークショップを開催し、VHSICテクノロジーの普及に努めた。二五社あまりの企業がVHSICの開発支援とその技術に関して十億ドル以上に相当する情報を共有できた。

2012-12-17 23:31:54
bouninng @bouninng

この国防総省の開発プログラムは多くの点で日本流の開発思想と一致しているように見える。したがって、アメリカの開発方法と価値感は本質的に不変という訳ではない。実際、連邦政府はアメリカの技術開発を支える思想と制度を変えるのではないかと見られていた。

2012-12-17 23:32:08
bouninng @bouninng

しかし結局そうはならなかった。このプログラムで開発された先端技術がソ連にコピーされる事を恐れた国防総省は、ic回路とプロセス技術の使用を制限した。最終的に、VHSICテクノロジーは国防総省に「機密」扱いにされたのであった。

2012-12-17 23:32:25
bouninng @bouninng

妥協点のない思惑の違いの結果、巨額の機会コストが失われ、派生技術の創出の機会は失われた。何一つ得る事のなかったアメリカのメーカーは歯ぎしりして呟いた。「最後の勝者は日本の競合メーカーになるであろう」と。

2012-12-17 23:32:35
bouninng @bouninng

結局、マイクロエレクトロニクスの開発でも航空機の開発でも、アメリカの企業はデュアルユースのテクノロジーを民生市場向けに使う事は出来なかった。どちらの場合でも、各企業は政府の機密保持の配慮によって活動を極秘にすることを強いられ、テクノロジーハイウェイは封鎖されたのであった。

2012-12-17 23:32:55
bouninng @bouninng

規制が怖いので今日はここまで。

2012-12-17 23:33:27