竜のイメージと恐竜の復元図、その変遷と関連

竜のイメージは、恐竜の直立した爬虫類という復元図によって影響を受けたのだろうか。という疑問に対し、多方面から返信。竜の歴史などにも言及した非常に充実した内容になりました。
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௵ひろひろ・きなこもち @Hiro_HL

しかしdragonという名称自体はδρακωνに由来し、イーリアスにもアガメムノーンの剣の柄にδρακωνが描かれているとされるが、この時代のδρακωνは"ヘビ"の意味を内包するので恐らく脚はなかった。

2010-08-17 12:30:48
柳川邦彦 @kyanagawa

.@VodkaDrive はっきりとは調べられないのですが、ワニほど姿勢は低くないけど恐竜ほど直立でもない、中間のものもけっこうある気がします。D&Dあたりは恐竜っぽいかなあ。

2010-08-17 12:35:31
柳川邦彦 @kyanagawa

@genrousai げんなりしたので詳しくは読んでないですが、ドラゴン=人類と共存していたころの恐竜、と結論付けられていました。あとは聖書の解説と進化論否定、まさにテンプレ通りで……。

2010-08-17 12:36:57
岡島正晃 @ADLAHIR

世には世界のドラゴンを解説した良書なら沢山ありますが、ヤナガワさんの言うような「イメージの変遷」を追った書物というのは、確かにあまりないですね。この場合、やはり過去の絵画などから類推するしかありません。

2010-08-17 12:38:03
岡島正晃 @ADLAHIR

で、genrousaiさんの仰るように、ことヨーロッパに限って言えば、やはり「当時の絵描きが知り得た最もコワイ生き物」からの連想で、ドラゴンが描かれていたのを伺わせる証拠が数多く存在しています。

2010-08-17 12:39:37
岡島正晃 @ADLAHIR

なかでも最も多く絵画に描かれたのは、やはり宗教的理由から「聖ゲオルギウス(聖ジョージ)のドラゴン退治」でしょう。とりあえず、「聖ゲオルギウス」でwikiを見てみてください。ラファエロの手になる絵が参照できるはずです。

2010-08-17 12:41:20
岡島正晃 @ADLAHIR

でまあ、観たらお分かりとは思うんだけどー。ぶっちゃけ「そりゃこのチビなら勝てるよな!」みたいな(^^)。ラファエロに限らず、少なくとも俺様の知ってる中世~ルネサンス期の同主題絵画には、ほとんどこのテの「小っさい羽根生えたワニ」しか描かれていません。

2010-08-17 12:43:58
岡田伸(遊び人の伸さん) @AsobininNoShin

@kyanagawa 洋書でドラゴンのデザインの歴史を当たるなら、紋章学関係の本とか役に立つんじゃないでしょうか。大学の図書館にありませんかね

2010-08-17 12:45:02
森瀬 繚@翻訳クラファン開催中(固定ポスト参照) @Molice

@ADLAHIR 総記的なものは見かけないにせよ、マリ=フランス・グースカンの『フランスの祭りと暦』や荒俣宏の『怪物の友』など、ドラゴンのイメージの変遷について多くのページを割いている本は少なからず出ていますよ。

2010-08-17 12:45:12
岡島正晃 @ADLAHIR

で、ここからはかなーり推論も入るんですが、やはりドラゴンのイメージが「巨大怪獣」化した背景として、恐竜研究は絶対に影響しているハズ、というのが、俺様の見解。

2010-08-17 12:45:28
岡島正晃 @ADLAHIR

恐竜研究の嚆矢は19世紀のイグアノドンの歯の化石発見だったと記憶してるけど、少なくともコレ以降、ドラゴンのイメージがドラスティックに変わっている証左は見い出すことができます。20世紀の大発明、映画のなかにです。

2010-08-17 12:47:21
岡島正晃 @ADLAHIR

俺が知ってる範囲では、ドラゴンの出てくる最も古い映画は、1923年のドイツ映画『ジークフリード』(監督はあのフリッツ・ラング!)ですが、すでにこの段階で、ドラゴンは「羽根の生えたワニ」ではなくなっていますね。

2010-08-17 12:50:31
岡島正晃 @ADLAHIR

ただし、その体型はいわゆる「爬虫類型」。これが特撮技術の限界によるものなのか、当時の恐竜に対する理解が「デカい爬虫類=ワニの親戚」だったことに起因するのかは定かではありませんが、後者の可能性は否定し切れないでしょう。

2010-08-17 12:51:53
Rebis @rebisdungeon

@Molice ありがとうございます! 確かに二本足直立系のドラゴンは、かなり古く確立してますよね。 D&Dに出てくるような、普段は4本足でゴジラ型に直立する、熊タイプというかなんというか……あのドラゴンの姿は、二本足直立型との間に恐竜のイメージが入るかも? と思いました

2010-08-17 12:52:39
Rebis @rebisdungeon

「直立する四足ドラゴンの系譜」 @AsobininNoShin さんが言う通り、紋章のドラゴンやグリフィンの影響はありそう。

2010-08-17 12:55:04
岡島正晃 @ADLAHIR

実際、より時代が下った名手ハリーハウゼンの黄金時代、『シンドバッド七回目の航海』(1958)に登場するドラゴンは、彼が得意とした恐竜映画のそれに大変近いデザインになっています。おかげで翼まで失くしちゃったのは、ちょっと残念だったけどね(^^)。

2010-08-17 12:55:12
柳田真坂樹 @D16

@kyanagawa うろ覚えのしかも茶々で恐縮ですが、ゴジラからはじまる日本特撮怪獣の説明で、「これらの怪獣は恐竜と違い、明確に二足で直立し、その結果高い知能を持つ」とか書いてあって、小学校の時に「着ぐるみの制約をそう言いくるめるか!」と感激した覚えがあります。

2010-08-17 12:56:05
Rebis @rebisdungeon

軽く素人予測。 蛇型>蛇+二本足直立型>紋章四足直立型 > 【恐竜発見!】 >映画・パルプ雑誌などでのドラゴン型モンスターの開花 > D&D誕生。現在のスタイルへ こんな感じかなあと思いました。ちなみに最新のD&Dの四足ドラゴンは、骨格や筋肉はちょっとネコ科じみてるらしいです。

2010-08-17 12:56:46
岡島正晃 @ADLAHIR

とまれ、こうしてサブカルチャーに表れるドラゴン像を見ていくと、その進化がたぶんに20世紀の産物であることは、間違いないように思われます。その背景に、同時代的に進歩してきた恐竜研究を疑うのは、「想像しうる最もコワイ生き物」という往年のモチーフ作法からいっても、外れてはおりますまい。

2010-08-17 12:57:49
Rebis @rebisdungeon

蛇+二本足直立型 と 紋章四足直立型 をつなげるのは、正確には無理があるのかなどうかなあ? 馬やグリフィンの流れが交じることによって上半身を上げ始めてそうな気もします。ま、まあさっきのは、話を面白くするために多少の牽強付会はお許しください。

2010-08-17 12:58:19
岡島正晃 @ADLAHIR

ただし、こうした「ドラゴン=恐竜」というお作法は、20世紀後半になると、必ずしも絶対的ではなくなります。私見では、この段階でイメージの拡大に大きく貢献したのは、ファンタジーをナワバリとするイラストレーターだったように思う次第。

2010-08-17 12:59:34
岡田伸(遊び人の伸さん) @AsobininNoShin

@rebisdungeon @kyanagawa 実はD&Dのモンスターのデザインに関しては日本の特撮怪獣の影響も見られるのです。ゲイリー・ガイギャックス氏が若い頃、中国製だか香港製だかのパチもんソフビ人形が安く出回っていて、そういうのを買ってきてモンスターに使ってたらしいので

2010-08-17 13:01:24
岡島正晃 @ADLAHIR

例えば、TSR時代のD&Dアートでトップクラスの人気を誇った画家たちは、それぞれに違ったドラゴンを、そりゃもう楽しそうに描いていました。そのうちのひとりクライド・コールドウェルに至っては、自身の描くドラゴンの骨格構造を「人間に倣っている」と名言しています。

2010-08-17 13:03:10
Rebis @rebisdungeon

@AsobininNoShin アンバーハルク=アントラーって話は有名(?)ですよね。D&Dにはガイギャックス師の子供時代からのカルチャーが影響してる……と、どなたかがおっしゃっていたような…。確かに昔のコミックスのゲテモノな怪物って、その多くがD&Dっぽいです。

2010-08-17 13:03:37
岡島正晃 @ADLAHIR

恐らくこのあたりから、「最もコワイ生き物」を想像するときの「枷」が恐竜から外れ、より広いイメージの世界に飛翔していったのでしょう。あれほどの巨体で体重はどのぐらいか? その巨体が要する翼面積は? そんなファンタジーならではの想像力が、ドラゴンの新時代を拓いたのだと思います。

2010-08-17 13:05:47