じこぼうさん@kinkuma0327の「自衛隊は憲法違反だから憲法を変えるべきだという発想と、サービス残業は違法だから労働基準法の方を変えるべきだという発想は似てるなぁ」

じこぼう @kinkuma0327

（皆さんのＴＬを埋めてしまって大変申し訳ありませんが、８ポストほど連投します。）

じこぼう @kinkuma0327

昭和という一つの時代が終わりを告げた平成元年に、一人の裁判官が定年を前にひっそりと退官した。彼の名前は福島重雄という。福島裁判官は昭和４８年９月、札幌地裁第一部裁判長であった時に、日本で始めて自衛隊の意見判決を出した裁判官であった（通称：長沼ナイキ事件）。

じこぼう @kinkuma0327

長沼ナイキ事件とは、北海道長沼町に航空自衛隊のミサイル基地を建設するため、国有保安林の指定を解除した農林大臣の処分について、反対住民が「自衛隊は違憲であり、保安林解除は公益性がなく違法である」と主張し、処分の取消しを求めて行政訴訟を起こした事件である。

じこぼう @kinkuma0327

判決に先立ち、昭和４４年、福島裁判官は裁判での結論が出るまでは保安林解除の効力を停止する決定をしたのだが、その決定の直前に、札幌地裁の平賀所長から福島裁判官に対し、保安林解除を決めた国の判断を尊重すべき、つまり、原告住民の訴えの棄却を指示する書簡が送られた（平賀書簡問題）。

じこぼう @kinkuma0327

福島裁判官がこの書簡を公表したことにより、裁判官の独立性をめぐって裁判干渉が問題となり、平賀所長は最高裁から注意処分を受ける。しかし、これに対して保守系ジャーナリストや政治家が、福島裁判官が左派系の青年法律家協会の会員だったことを問題視され、忌避申し立てをされてしまう。

じこぼう @kinkuma0327

青法協所属を理由とする忌避申立てを退けた福島裁判官であったが、今度は国会の裁判官訴追委員会により、書簡の公表により裁判所の権威を失墜させたとして訴追猶予とされてしまう（平賀所長については不問 ）。そんなゴタゴタの中で、福島氏は敢然と、自衛隊を違憲とする判決を書き上げたのである。

じこぼう @kinkuma0327

長沼ナイキ事件において自衛隊は違憲であるとの判決を下した福島重雄氏は、その後、東京地裁、福島家裁と左遷され続け、福井家裁において定年前に退官した。自衛隊が違憲かどうかはぼくにはわからないが、裁判官が違憲判決を出すことが、いかに困難であったかということを彼の人生は示している。

じこぼう @kinkuma0327

かつて福島重雄氏が弾圧に抗い自衛隊違憲判決を出したのは、憲法の理念を守るために他ならない。しかし、今、自衛隊違憲判決を出した一人の裁判官に対し不遇を強いた者たちが、掌を返したように「自衛隊は違憲」だと主張している。自衛隊は違憲だから、憲法の方を変えてしまえ…というのである。

じこぼう @kinkuma0327

「自衛隊は違憲だから憲法を変えてしまえ」という無邪気な議論は、戦後日本が守り続けた憲法の理念も、不遇も覚悟の上で自衛隊違憲判決を出した福島重雄氏の信念も、どちらも忘却の淵に沈めてしまうものだ。歴史を生きてきた人たちの蓄積をこれほどまでに唾棄する時代は、かつてあっただろうか。

じこぼう @kinkuma0327

@miyomi34 確かに…。見直したはずが、見事にタイポしてますね。すみません。

じこぼう @kinkuma0327

ところで、自衛隊は憲法違反だから憲法を変えるべきだという発想と、サービス残業は違法だから労働基準法の方を変えるべきだという発想は似てるなぁとふと思った。

じこぼう @kinkuma0327

そんなことはいってません。あなたはあいかわらず、他人に粘着する割には、粘着した相手のポストをまともに読もうともしない人なので、もう話しかけないでください。＠を外せばいいんですよ。簡単なことです。 RT @F9sS7v: へぇ？自衛隊ないほうがいいんですか？

じこぼう @kinkuma0327

ぼくは自衛隊がないほうがいいなんて思いませんよ。ぼくがいいたいのは、戦後のわれわれ日本人が自衛隊をいかに受容してきたかという歴史の蓄積を踏まえて考えるべきことであり、憲法の文面だけを捉えて、「矛盾してるから憲法を変えてしまえ」などというのは危ういな、と思うっていう話です。

ひじじきき @hijijikiki

【参考】長沼ナイキ事件などが、ドキュメンタリー「法服の枷 ～沈黙を破った裁判官たち～」http://t.co/SJGqzT9aに裁判官の困難が取材されている。⇒ http://t.co/0YdPQswo