とは云うものの人類を守る戦いかは実のところ微妙と云わざるを得ない気も。行使した奇跡の生み出した歪みの落とし前をつける為に魔獣は現れた筈で、それを斃すと云うのだから歪みは温存される訳で、まあその歪みこそが人類の進歩と発展のポテンシャルを生むのかもしれないけれど
2012-12-02 06:03:19「帰省」
"あれから、何度目かの夏が来る。久しぶりに帰ってきた我が家は誰もおらず、静かにファンが回る伽藍堂のダイニングの、いつもの席に腰掛けた"
2012-12-03 04:29:08"にわにわと、蝉の声がする。思い出したように鞄の中から土産物の包みを取り出し並べる。それだけでは味気なかろうし、書き置きを添えようと筆を執るのだが、どうにも文面が思い浮かばずさっきから頬杖をついたままなのだ"
2012-12-03 04:43:10"ふあ、あふ、と。時差ぼけの生欠伸を噛み殺しながら、いつかわたしは夢を見ていた。本当ならここに腰掛けているべき、彼女と差し向かいで紅茶を喫んでいる。何かをわたしに告げようとするのだが、立ち昇る湯気に眼鏡が曇る。拭って掛け直せば、そこに彼女はもういない"
2012-12-03 05:08:47"そう、眼鏡だ。かつてのわたしがしていたもの。今はもう少しだけ便利なものに頼っているが、それとて万能には程遠い。夜机に向かう時などには、今も時折掛けるアレだ"
2012-12-03 14:09:55伝承と、祈り
”我等が御魂は還りて侍る、焉なる虚無を穿つなり。円けき環の携え番う、久遠の光矢の鏃とならん。預けよこの身理に、然こそは力、契れる奇蹟”
2012-12-09 00:22:59あれらがみたまはかへりてはへる はてなるこむをうかつなり まとけきたまきのたすさへつかふ くをんのひかりのやしりとならむ あつけよそのみことはりに さこそはちから ちきれるしるし
2012-12-09 00:28:20しかもそれで彼女達は自らが散ることすらよしとする。最も偉大なる、彼の語り部たる”黒翼の魔女”を死地より救えたと。そんなものどこにも居はしない、貴女達が勝手に祀り上げただけでしょうとは、彼女にだけは云えぬ。
2012-12-09 20:58:42まさにそう云う意味で「此岸の魔女」とはこれ以上ないほどに言い得て妙である。ヒトの世界の絶え果てるその時、初めて彼女は赦せるのだと、己を。
2012-12-09 21:03:34と云うことはやはり、弾圧され迫害を受ける悪夢のような時代はあったのだろうと どう呼ばれようとその本質は魔女に他ならず、であるならばあの熾烈な魔女狩りの嵐も他人事では無かった
2012-12-11 02:57:45表向きは少女たちによる慰安の為の舞楽・典礼騎士団。だがその実態は……国内に発する"彼のもの"を討滅する為に巡回する「契り手」たち。白き導きの獣「孵し手」との契約により"彼のもの"を討つ力を得た少女たちであった——とかな。
2012-12-23 19:57:50自らの半身を討つもの。魂を貴石の獄から解き放ちたるもの。ヴァルキュリエにしてオーダイン、環なす円なる理の主宰、始まりと終わりを繋ぐもの。御身が一矢と、吾が権能を——疾く還し奉らん
2012-12-28 21:33:26彼女の究極の悲願
56億7千万年後に発した願いの結晶が孵り、時間軸に対する逆侵攻がオリオン腕に到達するのが明日……と云う。最後の魔女、すなわち熱死の魔女なり。
2012-12-20 20:07:13