@gontaaya さんの「 #平清盛 全話Re-viewマラソン」まとめ

2012年大河ドラマ「平清盛」を第1回から振り返りレビューする。 <もう一度(Re)見る(View)レビュー(批評)> gontaayaさんの呟きをまとめました(随時更新いたします)。
19
ごんたあや @gontaaya

作品は、完結してはじめて全編を通した論評が可能になる。否、完結したからこそ考察の対象になり、考察すべきなのだと思う。 #平清盛 初見は展開や映像の迫力に圧倒されている要素が相当に高い。初見の衝撃無くしてなおそこに魅力があるとすれば、それこそが作品としての真の力だろうと思う。

2013-01-18 21:58:02
ごんたあや @gontaaya

【『平清盛』全話reviewマラソン】を始める。今後全五十話を、一週に一話ずつ考察を上げることとする。考察投稿日は、最初は緩やかにその週内で設定しておき、最も良き日時をきめる。(ただし大河ドラマ『八重の桜』の放送時間~以降は遠慮。)タグは勿論 #平清盛 。個人的には #究盛

2013-01-18 21:59:54
ごんたあや @gontaaya

全体をきちんととらえたい。対象として、論じてもらいたい。そういうものを読みたい。書くことと同様に読むこともまた認識するということ。そう、認識したいのだ。毀誉褒貶に満ちたあれが、あの一年がなんだったのかを、あらゆる角度から。それをきちんと完了させないと次に進めない。 #平清盛

2013-01-19 17:40:40
ごんたあや @gontaaya

頭をしぼって書くことでしか心を埋められぬ。書くよりほかに心をぶつけられるものが見つからぬ。のかもしれない。毎週土曜夜に録盛を見よう。そして日曜日にかけて考えよう。ツイッターの片隅での究極のお戯れ。50週の後、そこからの眺めは何が見えるのだろう。…よろしければおつきあいください。

2013-01-19 23:20:43
ごんたあや @gontaaya

【『 #平清盛 』全話Re-view】では、参ります。やはり日曜夜に本盛を見て、一週間かけてその週の回を考える、というライフスタイルというか生活習慣病が脳とからだにしみこんで、もはや変えられない。以前同様一週間かけて考えるということにいたしたく。今週は、第一話「ふたりの父」

2013-01-22 22:42:31
ごんたあや @gontaaya

鋭く拮抗する言葉で織りなされる第一回。朧月vs忠盛 忠盛vs忠実 忠盛vs舞子 忠盛vs正盛 忠盛vs白河院 宗子vs平太 平太vs兎丸 忠盛vs平太。それらを善と悪の対立ではなく、個と個の衝突として提示する。火花を散らすような言葉と人物の力に心をつかまれる。 #平清盛 _1

2013-01-22 23:16:17
ごんたあや @gontaaya

白河院の造型は圧倒的な不気味さをかき立てる。伊東四朗さんの重厚感なくしてこの作品世界は成立しなかった。見返して気付くのは、白河院は残虐な化け物ではなく、璋子可愛さに一人惑う孤独な老人だということ。ひとを思う心あるがゆえの理不尽さ、それがこの作品の「悪」なのだろう。 #平清盛 _1

2013-01-23 21:39:24
ごんたあや @gontaaya

脚本の藤本さんは「悪」を描きたいといったという。この作品における「悪」とは、正義の対立概念としてあるものではなく、大事なものを守るためには他のものを犠牲にしても構わないと考える心のことかもしれない。そう考えると、白河院だけでなく主な登場人物が同一線上に並んでいく。 #平清盛 _1

2013-01-23 21:56:40
ごんたあや @gontaaya

仏教では、煩悩が強いこと、欲があること、それらは全て「悪」とされる。しかし脚本家は、家貞に、欲こそが男の「力の源」であるとさえ言わせている。この作品は、誰しもが抱く欲、持って生まれた業として「悪」を見すえ、そのあらゆる様相を余す所無く描いた群像劇なのだといえる。 #平清盛 _1

2013-01-23 22:08:02
ごんたあや @gontaaya

なぜ舞子が罪をあがなわなければならないのか。罪とは何か。世を騒がせた事。それ以上に、我が子の妊娠を「良き目を出した」と喩えたように、白河院は舞子を双六の賽と捉えている。院の意のままにならぬものになった段階で舞子は「女」「母親」と記号化され、排除されねばならぬのだ。 #平清盛 _1

2013-01-23 22:22:36
ごんたあや @gontaaya

「下賤の女」と呼ばれる者が、名を明かし、その名を呼んでくれた者に、新たな名を求める。古代において「名」は重い意味を持つ。誕生、元服の時に付けられる名。名に込められているのは願いと、魂。名付けることで想いを託し、名を呼んで繋がり、名乗ることで自らの魂を解き放つ。 #平清盛 (1話)

2013-01-25 22:16:08
ごんたあや @gontaaya

忠盛は、舞子を助け、刀を叩き落とす。そこには人を斬るからこその道義心に加えて、女性に対するロマンチシズムもあるように感じる。だが武士である事を舞子に面罵された時、彼は意表を突かれ、思わず蔑みの言葉を返してしまう。かれらは互いに蔑み合い、蔑まれる者同士と気付く。 #平清盛 (1話)

2013-01-25 22:19:54
ごんたあや @gontaaya

蔑み合う2人の間に、生の願いを訴える赤子の泣き声が割って入る。忠盛は舞子が乳を与える様子を見る。「見る」ことは「知る」即ち「領る」(支配する)に通ずる。忠盛は、舞子を知った。忠盛の差し出す椀を受け入れた舞子が自らの名を明かすのは、相手に全てを委ねることの表明。 #平清盛 (1話)

2013-01-25 22:22:53
ごんたあや @gontaaya

2日目、舞子は血の付いた着物を洗い、忠盛のからだにしみついて離れないにおいを知る。舞子もまた、忠盛を知った。忠盛は自らの思いを述べ、その言葉に応えて舞子は今様を口ずさみ、思いを語る。この場面は、情を交わした男女が歌を通じて思いを交わす「後朝」のようにも見える。 #平清盛 (1話)

2013-01-25 22:26:45
ごんたあや @gontaaya

3日目、忠盛は舞子に鹿角を渡す。魔除けの呪物を授け、守りたいという思いを表明する。そして白河院の前で、「女」と言いかけてやめて「舞子」と名を呼ぶ。名を呼ぶ行為は自らの所有とする事を意味する。妻とする事を願い出るのは、3日目に結婚を公に披露する「露顕」のようだ。 #平清盛 (1話)

2013-01-25 22:29:48
ごんたあや @gontaaya

忠盛と舞子は情を交わしてはいないが、精神的な意味では当時の結婚のプロセスをふまえているといえる。ゆえに舞子は忠盛を赤子の父親と認知する。子の名付けは父親の役目なので、「かれらの」子どもにふさわしい名を付けるように頼む。忠盛が赤子を引き取るのは当然の帰結だった。 #平清盛 (1話)

2013-01-25 22:35:32
ごんたあや @gontaaya

舞子が矢で射殺される場面は、この作品でも一二を争う凄惨な映像と思う。清盛と平氏一門の運命を変え、鳥羽院を射貫き、頼朝まで飛んでいくことになる壮大な「矢」の物語がここから始まる。そしてこの作品が、虚と実のあわいの、誰も見たことのない物語へ離陸した瞬間でもあった。 #平清盛 (1話)

2013-01-25 22:40:03
ごんたあや @gontaaya

「一度でも情けをかけた女性にこういう冷徹な行為が出来るものなのかと興味深く」と伊東四朗さんは語っている。自らに逆らうとはどういうことかを実験結果を観察する如く凝視せずにはいられない白河院の乾いた怒り。他者を受け容れずまた赦さない孤独の闇は、晩年の清盛より深い。 #平清盛 (1話)

2013-01-27 15:52:13
ごんたあや @gontaaya

忠盛と祇園女御は白河院を止められなかった。その意味で清盛の仏殺しを止めた盛国は最強という事になる。それは清盛にとって盛国は「心の軸」を体現するロールモデル、父性の影であり続けたからかもしれない。一生の幸運だったという盛国との出会いの場面を改めて観ると感慨深い。 #平清盛 (1話)

2013-01-27 16:01:43
ごんたあや @gontaaya

「ふたりの父」というタイトルがついていてまさにそういう展開ではあるのだけれど、裏タイトルは「ふたりの母」である。一瞬で永遠に消えることのない鮮烈な印象を残して去った舞子と、れっきとした妻ながら後添えのように登場して清盛を育てた宗子の長い長い人生の対比。 #平清盛 (1話)

2013-01-27 16:12:04
ごんたあや @gontaaya

「そこになぜなどという疑いを差し挟む余地はない」と忠盛を諭した正盛。「なにゆえにござりますか?」と尋ねる平太の『なぜ』に対して忠盛が一切応じないのは、若き日の無力な自らの姿を平太に重ねているのだと気付く。正盛から忠盛へ、忠盛から清盛へ、バトンが手渡されている。 #平清盛 (1話)

2013-01-27 16:14:45
ごんたあや @gontaaya

忠盛邸の庭で舞子が洗濯をしている場面で、脇の方に、赤の染料を入れた竹笊が置いてあるのが映る。あのように天日に干すのは紅花と思われる。平氏の「赤」の伏線。当時、紅花は非常に貴重な染料で、平氏の本拠・伊勢国は主要な産地の一つ。ここにも平氏の豊かさが表されている。 #平清盛 (1話)

2013-01-27 16:33:40
ごんたあや @gontaaya

第一話でこれだけの濃密さが凄い。汚れた武士と民衆の生活に対し、王家は麗しい色と絹の世界が展開する。観る者が透明な画面にほっとするのも束の間、その内実は凄まじく、あげく鳥羽院は泣きながら前栽の白い花を泥まみれで引き抜き、彼の純白の世界は恥辱と憎しみで汚れていく。 #平清盛 (1話)

2013-01-27 16:41:42
ごんたあや @gontaaya

脚本と美術と演出が王家の美と醜を描き、『マクベス』冒頭の台詞“fair is foul, foul is fair”を思い出させるかのように、美しさ=正しさという感覚的な価値観を反転させていく。粉の問題よりも実はこの反転表現の方が心理的衝撃が大きかったと思う。 #平清盛 (1話)

2013-01-27 16:42:33
ごんたあや @gontaaya

賭場から平太が逃げる一連の場面は、スローで見ると面白い。走る平太を迎え撃つカメラ、追いかけるならず者の視点で撮るカメラも激しくぶれる。複数のカメラが交互に組み合わされていて躍動感のある映像になっているし、撮る人が非常に面白がって撮っているのがよく分かる。 #平清盛2話

2013-01-31 22:09:00
1 ・・ 4 次へ