「死亡フラグ」と物語を盛り上げるための「落差」@榊一郎

榊一郎先生による、突発的創作講座。 いわゆる「死亡フラグ」を例にとり、物語を盛り上げるための「落差」についての考察。 後半は自らの得意分野を、物語の主柱として取り込むという方法について。 榊先生は法学部出身のため、専攻だった法哲学をベースに物語を作る手順を解説します。 続きを読む
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榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

ただ、「優秀」というのを主張する為には、「他の連中よりも俺は優れている」という主張をせねばならんという事ですから、「世間で学園ラブコメ流行ってるよな」「えーと。ハーレムもの? 主人公に特殊スキルつけてー。女の子四人配置してー」「まあこんな感じかなあ」では、

2010-08-25 22:53:49
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「俺は他と違うぜ」とは主張出来ない。だってその程度の事、応募者は誰だって考えるでしょう? 貴方が分かるという事は、他にも分かってる奴が居るって事で。

2010-08-25 22:55:03
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だから、個人的におすすめなのは、「趣味」とか「学校での専攻」とかとにかく何でもいいですが、自分が「これは普通の人より俺は詳しいぜ」みたいなのを組み込むか、その趣味なり専攻なりで獲得した独自の考え方を、小説の中に組み込む事。

2010-08-25 22:58:04
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Wikiとか見りゃ分かるように、私は法学部におった訳ですが。厳密に言うと専攻は法哲学なんですな。で――細かい条文がどうのというよりも、法律の在り方とか妥当性とかそういうのを考える学問なんですが

2010-08-25 22:59:33
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例えば「殺人罪」――殺人を犯せば懲役○○年、だの死刑、だの、条文に書いてあったりする訳ですけどね。これ逆に考えれば、○○年の懲役や死刑という判決を食らって刑を執行される事を覚悟していれば、『人を殺す対価として法がそれを許容している』という見方も出来る。

2010-08-25 23:01:29
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まあ細かい事は刑法論とか法の威嚇機能とか色々あるので省きますが。 例えばですよ? この法を、なんかの超システムで、世界全体に影響力があるように組み込んだらどうなるでしょうね?

2010-08-25 23:02:31
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SFなんかではよくあるネタですが。世界全体を管理するシステムがあって。そこにはもう絶対というべき権限行使の機能があって。それに支配されたままの人々が何百年何千年と暮らしていたら、そもそもその機能の事なんか意識せず忘れてしまうのではないか?

2010-08-25 23:04:04
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でもって。システムってのは大抵何らかの抜け穴がある訳ですが。先の「○○を覚悟したなら人を殺してもいい」という逆の考え方をすれば。

2010-08-25 23:04:45
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「自分の寿命をシステムに○○年分捧げる事で、他人をそのまま死なせる事が可能」なシステムとして機能するかもしれない。

2010-08-25 23:05:35
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これは、既にシステムの何たるかを忘れた人類にとっては、「自分の寿命と引き替えに他人を呪い殺せる魔法」に見えませんかね。

2010-08-25 23:06:12
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更に、優秀な魔法使いになると、条文研究してますから、「減刑」とか「執行猶予」とか「情状酌量」とかの条文をそのまま詠唱し、

2010-08-25 23:06:55
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実は割と三ヶ月とか四ヶ月分の寿命を献上するだけで相手を殺せる魔法を使える、とかなると、なんか独特の魔法世界と文化が出来上がる気しません?

2010-08-25 23:07:37
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そんな世界に――現代の法学部の大学生が、六法全書持ったままタイムスリップしたら? という話を昔考えていた事があります。

2010-08-25 23:08:20
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恐らくこういう発想って、法学部の生徒とか、法哲学が好きで本読んでる人とかしか出てこないと思うんですよね。出てこない事はないかもしれないけど、「出にくい」。これが「差」になる場合だってある訳です。

2010-08-25 23:12:10
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するとつまり「差」を作れる事をアピールすれば、それは即ち優秀さの証として認識されるんではないかなあ、と。選考側にね。

2010-08-25 23:13:01
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「俺は自分の体験や、取材した事実を、じっくり検分し、そこから独特の発想や、面白さを追求出来るのだぜ」という主張。

2010-08-25 23:13:47
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その実例としての応募小説。それが目の前に在れば、ぶっちゃけ、たとえ流行ものでなくても、目の利く編集者なら放っておかないし、逆に、それが分からない編集者ばかりの編集部でデビューしても、その作家志望者さんには未来が無い。

2010-08-25 23:15:08
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でもって、その「差」を示した上で、なおかつ、流行ものと掛け離れたものでない――つまりは読者がそのまま手に採りやすい作品に仕上がっていれば、それは、「よくありそうな話で手にとりやすいけど何か違う」という小説になる訳で。

2010-08-25 23:16:30
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ぽん、とはっちゃけて売れちゃう新人さんの小説とはそういうものじゃないかな、と思う訳です。私は。

2010-08-25 23:16:54
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どうにも抽象的で申し訳ないのですが。まあ、これも単に「面白いってなんだよ!?」「今は○○ものが来るのか!?」とかそういう処で悩んでるより、一歩下がって、あるいは一歩進んで別の見方でお話考えると、それはそれで面白いだろうとか。そういう提案。

2010-08-25 23:18:29
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変に抽象的になるとアレなんで、ものっそい親近感のわく考え方を改めてしてみると。

2010-08-25 23:20:18
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そうだな。ええと――萌えのパターンには幾つかありますが。例えば、メガネっこ。

2010-08-25 23:20:53
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メガネっこ萌えって人は沢山いると思うのですが。それこそ「俺はメガネっこ語らせたらちょっとうるさいぜ?」的な部分でもいーんですよ、いや、マジで。「メガネっこが好きだから、じゃあメガネっこ出す小説書くぜ」で。

2010-08-25 23:22:11
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で、多分、メガネっこ好きな人は、メガネっこのメガネには一家言あったりするんじゃないでしょか。セルフレームがいいとか、縁なしがいいとか、色つきは邪道とか、メガネの本質はそんな処にはなくて、メガネをかけるという行為に象徴される、異化作用がもたらす超越性なのだ!とか。<?

2010-08-25 23:24:18
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

究めれば、メガネをかけていなくても、メガネっこの本質を備えていれば、プロにはそこに見える筈だ、メガネが!みたいな話までいくと、なんか武道の話みたいで笑えません?

2010-08-25 23:25:09