【書評】石黒圭『文章は接続詞で決まる』

石黒圭『文章は接続詞で決まる』を読んでの覚え書き。個人的記録。
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齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.33:「接続詞で問われているのは、命題どうしの関係に内在する論理ではありません。命題どうしの関係を書き手がどう意識し、読み手がそれをどう理解するのかという解釈の論理です」この捉え方、確かにそうだ。文字情報だけではないメタ情報を駆使して解釈する。

2013-01-18 01:49:03
齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.33:接続詞は副詞や指示詞と境界が曖昧である、言われてみてなるほどと思った。そしてこの本での接続詞の定義はわかりやすい。「接続詞とは、独立した先行文脈の内容を受けなおし、後続文脈の展開の方向性を示す表現である」、なるほど。

2013-01-18 01:54:05
齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.54:接続詞が読み手の理解のために果たしている機能を6つにわけて説明。特に「接続の範囲を指定する機能」「文章の構造を整理する機能」は、本質的には線条的構造の言語に、階層構造を作り出しているという指摘は面白い。

2013-01-18 02:31:31
齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.77:順接の接続詞にも、確定条件によって因果関係を表す「だから」系と、仮定をもとに結果を考える「それなら」系とある。そしてそれらのなかでも、筆者の視点が顔を出すタイプもあれば、そうでないものもある。「だから」と「したがって」の微妙な違い。

2013-01-19 01:17:51
齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.77:逆接の接続詞、「しかし」系。便利がゆえに濫用もされやすい。それで単調になるとは限らないが、別な接続詞に置き換えるのもよい。「だが」「でも」…ニュアンスは微妙に異なるが。

2013-01-19 01:21:24
齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.97:逆接の接続詞「ところが」系。読み手に意外感を与える効果。そして書き手の意図を明確に伝える効果。だからこそ、読み手の理解のあり方に心を配らないとうまくは使えない。

2013-02-05 01:18:42
齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.97:並列の接続詞「そして」系。「そして」は最後にひとつ付け加える働き。だから過度に重ねると変。「それから」は重ねてもOK。無時間的用法(○○と、それから□□)と時間的用法(○○した。それから次に□□した)がある。「また」は便利、多用に注意。

2013-02-05 01:24:25
齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.114:並列の接続詞「それに」系。「それだけでなく、まだ他にもある」というニュアンスを伝える。「しかも」は更にたたみかけるニュアンス。

2013-02-05 23:57:19
齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.114:並列の接続詞「かつ」系。「かつ」は「AとB両方同時に満たす」ことを意味。「および」は同時に満たさなくてもいい。「ならびに」は「および」と似ているが、より大きな接続にもちいる。つまり、「ならびに」と「およびに」で文章に階層構造が作れる。

2013-02-05 23:59:19
齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.114:対比の接続詞「一方」系。二つの物事を並べる場合、共通点を見るか相違点を見るかのいずれかしかない。共通点を見せたければ「また」を、相違点を見せたければ「一方」を使う。「反対に」ほど制約が厳しくないので使いやすい接続詞。

2013-02-06 00:02:28
齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.114:対比の接続詞「または」系。複数の選択肢をしめす。「または」は大きな接続に、「もしくは」は小さな接続に用いる。これで階層構造がつくれる。「あるいは」は、3つ以上からの選択を感じさせる接続詞。

2013-02-06 00:05:33
齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.114:列挙の接続詞。箇条書きと同じ「第一に/第二に/第三に」。順序を重視した列挙をつくる「はじめに/つづいて/その後」。どっちでもいける「まず/つぎに/さらに」。いずれにしろ、これらの列挙の前にそれらを統括する上位の文章が必要。

2013-02-06 00:09:23
齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.138:換言の接続詞。「すなわち」「つまり」「ようするに」・・・後者になるほど言い換えに筆者の主観が入る。ゆえに濫用すれば押しつけがましくなったり論理が飛躍したりする。「むしろ」は常識的見解をいったん否定して自分の主張を伝える時に使える。

2013-02-06 03:12:03
齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.138:例示の接続詞。「たとえば」は便利だが具体例が一つしかない時にはつかえない。そういうとき使うのは「具体的には」。「とくに」は、特にあてはまる例を示す時に使う。文章は具象と抽象を行き来する。例示の接続詞はその橋渡し。

2013-02-06 03:16:02
齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.138:補足の接続詞。理由を補足する「なぜなら」系。関連情報を補足する「ただし」系。「ただし」系のなかの、「なお」は本筋から外れるけど必要な情報に簡単に触れたい時に、「ちなみに」は本題とは直接関係ないが参考になるかもということを述べる時に使う。

2013-02-06 03:19:29
齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.164:転換の接続詞は文章の大きな分岐点で使われる。「さて」は周到に準備した話題に戻るときに使う・・・ううむ、いままで何となく使っていたな。「ところで」は自由な連想に基づく話題の転換に使う。下手に使えば行き当たりばったり文になってしまうな。

2013-02-07 02:50:06
齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.164:転換の接続詞の「では」。話題の本題・核心へと入っていく時にもちいる。

2013-02-07 02:52:58
齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.164:結論の接続詞。「このように」は素直に結論へと導く。「とにかく」はちょっと強引。「いずれにしても」も下手に使えば強引な印象を与えるが、論理的な文章をつくることもできる。

2013-02-07 02:54:46
齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.164:いくつかの文末表現は、文を超えたレベルで先行文脈と後続文脈の関係を示し、文章の構造化に貢献する。これらはある種の接続詞と考えるとよい(文末接続詞)。

2013-02-07 02:58:19
齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.164:否定の文末接続詞。否定表現は単独では情報価値が低いので、読み手はそれに続く肯定表現を求める。「〜のではない」とくれば「じゃあ何?」という問いを呼び、「〜だけではない」とくれば「じゃあ他は何?」という問いを呼ぶ。後続文でその問いに答える。

2013-02-07 03:00:42
齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.164:疑問の文末接続詞「か」「のか」「のだろうか」(後者ほど疑問の感じが強くなる)。これらは読み手の注意を喚起する。そして明確な答えを期待する。書き手はその答えを後続文で書く。

2013-02-07 03:03:50
齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.178:説明の文末接続詞「〜のだ」は「ここまでで一つのまとまりです、では次に行きましょう」というニュアンスを出す。「〜わけだ」は推論の帰結を表す。上手く使えば説得力がでるし、推論が妥当じゃなければ押しつけがましくなる。「〜からだ」は理由を表す。

2013-02-08 00:46:00
齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.178:意見の文末接続詞。「〜と思われる」「〜のではないか」「〜必要がある」・・・ここまでくると、接続詞って言っていいの?という気もしてくるが、確かにこれらが文末にあることで先行文脈と後続文脈が円滑に繋がる。語尾って大事だ。

2013-02-08 00:48:45
齋藤 晋(Susumu SAITO) @ssm3110

石黒圭『文章は接続詞で決まる』〜p.203:話し言葉の接続詞。対話での接続詞は、その場の空気を転換させ、話し手が主導権を握るためにかかせない。でも、リスクもある。相手の発話権を奪ったり、言い方を訂正したり、逆接をつかいまくったりして気分を害させることも。

2013-02-08 01:19:15