茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第853回「かけ算の順序的なものから、子どもたちを救いたい」

脳科学者・茂木健一郎さんの2月5日の連続ツイート。 本日は、ふと思い出したので、日本的な世界への復帰のトレーニングとして。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

飛鳥IIでの仕事を終え下船、ほっと一息、サイパンでビールを飲みながら、連続ツイート第853回をお送りします。本日は、ふと思い出したので、日本的な世界への復帰のトレーニングとして。

2013-02-05 14:11:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

かこ(1)飛鳥IIに乗っている間、くわしくは近日公開予定の「飛鳥日記」に記すけれども、(超長文!)本当に海と空のことしか考えていなかったので、サイパンで下船して、明日東京は大雪みたいだけど、ぼくの飛行機は無事着陸するのだろうか、と心配しながら、少しずつリハビリしている。

2013-02-05 14:13:33
茂木健一郎 @kenichiromogi

かこ(2)それで、ツイッターにつなげて、日本の世界がわーっと頭の中に入ってくると、一部は懐かしくもあり、一部はどうしょうもないな、と思うところもあり、それで、飛鳥関係は、飛鳥日記で書くことにして、この久しぶりに連ツイは、久しぶりに戻って改めてびっくりする日本のことを書こうと思う。

2013-02-05 14:14:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

かこ(3)僕と会田誠さんとの対談番組が放送されたようだ。見て下さった方、ありがとう。ぼくは日本を出る時あわてて録画の設定し忘れたので、いつ見られるか、わからない。でも、会田さんの展覧会に抗議していらっしゃる方々がいるというのをTLで再び見て、いろいろ感じることがあった。

2013-02-05 14:16:03
茂木健一郎 @kenichiromogi

かこ(4)会田誠さんの作品は、間違いなく日本から生まれたものだと思う。飛鳥に乗る前に、ルーブルで、宗教画をたくさん見たから、余計そう思う。同じ身体が傷つくのでも、宗教画と会田さんの絵では、だいぶ文脈が違う。それは、歌舞伎の中の殺傷場面の描き方にもつながる、日本的な文脈。

2013-02-05 14:17:43
茂木健一郎 @kenichiromogi

かこ(5)それで、会田誠さんの作品について、本当に面白いことは、その生み出された文脈と、コンテンポラリーアートの世界的文脈がどのように接続するのか、しないのかという点だと思う。この点については、村上隆さんなどがもうすでに書かれているだろうし、ぼくも、書くとしたら英語で書きたい。

2013-02-05 14:18:43
茂木健一郎 @kenichiromogi

かこ(6)同時に思い出したのが、例の小学校教科書のかけ算の問題。サイパンで下りて、ネットにつないでしばらくTLを見ていたら、黒木玄さんがとても良い一連のことを書かれていた。飛鳥で航海して、頭を冷やしたあとでもやはり、かけ算の順番にこだわる教科書は、くるくるバーだとしか思えない。

2013-02-05 14:20:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

かこ(7)会田誠さんの作品については、それが美術だから、文化相対主義や、人間の文化の多様性、という意味で、称揚される道筋があると思うが、かけ算は、なにしろ数学のことだから、どう考えても、日本の小学校のかけ算の順序こだわりは、奇妙な悪習でしかなく、救いようがない。

2013-02-05 14:21:52
茂木健一郎 @kenichiromogi

かこ(8)それで、会田誠さんの作品そのものはともかく、それにまとわりついてくる日本の社会的な湿度や、かけ算問題という、誰が見てもトリヴィアルにくだらない悪習が、ここまで粘着質に議論されなければいけない風土って、思考の筋肉の使い方として、あまり幸せにならないな、と思う。

2013-02-05 14:23:03
茂木健一郎 @kenichiromogi

かこ(9)かけ算の順序的なものから、子どもたちを救いたい。自分も、救いたい。AKBの「スキャンダル」をめぐるもっとらしい「報道」もそうだけど、日本的なものにつきあっても芸術や文学以外はあまり幸福にならない気がして、飛鳥に乗ったのが良い機会だから、距離の取り方を考えたいと思います。

2013-02-05 14:24:58
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第853回「かけ算の順序的なものから、子どもたちを救いたい」でした。

2013-02-05 14:25:58