座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル2013「越境」の感想

第4回高円寺座・ドキュメンタリーフェスティバルで観た映画とトークの感想を備忘録的にまとめておきます。 ●公式サイト http://zkdf.net/index.html
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島田 暁 @Akira_Shimada

今日は座・高円寺ドキュメンタリー映画祭にずっと居ました。1プログラム目の特集<越境・三木茂>で上映された『柳田国男と遠野物語』には柳田国男さんが実写映像で登場されていたのですが、彼の動く所どころか顔そのものを初めて観たことに気付きました。 http://t.co/SfwQo365

2013-02-07 22:13:51
島田 暁 @Akira_Shimada

→『柳田国男と遠野物語』で紹介された言い伝えに、遠方から来た働き者の若者が、翌日いきなり木にぶら下がって死んでいたとか怪しげな物語があって、要するに「田舎特有の異質者やマイノリティ排除」が象徴されてるんじゃないかと思ったらゾッとした。過酷な現実をフィクションにして誤魔化してそう。

2013-02-07 22:16:33
島田 暁 @Akira_Shimada

亀井文夫監督の『支那事変後方記録 上海』(1938年)は久々に見たのだが、大画面で見ると戦意高揚目的で日本軍兵士や現地の人に「演じさせた場面」における「演じきれていない微妙な表情」とか、軍隊って暇な時間はダラダラと弛緩してたんだなぁというのが読み取れて、逸脱の魅力が更に味わえた。

2013-02-07 22:21:45
島田 暁 @Akira_Shimada

→それにしても日本軍って上海に攻め込んで街を破壊したのは自分たちであるにも関わらず、陸軍省や海軍省の肝いりで製作した『支那事変後方記録 上海』では「復興に向かって~」とか語ってるのに驚いた。自分らで壊しといて復興とか言ってて自作自演じゃないか、その言葉の使い方は明らかにおかしい。

2013-02-07 22:24:03
島田 暁 @Akira_Shimada

→亀井文夫監督『戦ふ兵隊』や『支那事変後方記録 上海』の映像から横溢する「戦意高揚からの逸脱」については、佐藤真さんが『ドキュメンタリー映画の地平』で論じてるけど、特に『上海』は勇壮な音楽でもごまかしきれない「戦闘が終った戦場のダラダラした空気感」が魅力的。まだ色々読み取れそう。

2013-02-07 22:31:38
島田 暁 @Akira_Shimada

座・高円寺ドキュメンタリー映画祭で観た亀井文夫「支那事変後方記録 上海」。2005年にブログに感想を書いてたのを思い出しました。DVDも出てるので未見の方オススメ。「戦意高揚目的」で依頼されても映像はここまで逸脱できるのかと感心しますよ。 http://t.co/ienE2E0u

2013-02-07 22:35:36
島田 暁 @Akira_Shimada

あ。座・高円寺ドキュメンタリー映画祭じゃなくて「ドキュメンタリーフェスティバル」だったと今更気付く。以後はそう書きます~。(もう書いちゃったものは直すの面倒なのでそのままにw)

2013-02-07 22:38:25
島田 暁 @Akira_Shimada

座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル特集<越境/日韓国際共同制作>で観た『映画人は海峡を越えた〜二人の旅人がたどる日韓40年』では、なんとアニメ『黄金バット』や『妖怪人間ベム』が1966年に実現した日韓合作だったと知りました。 http://t.co/y2I9qILM

2013-02-07 22:41:51
島田 暁 @Akira_Shimada

→1965年の日韓基本条約後、テレビや映画で「日韓合作」の企画がいくつか進んだようで、梶山季之の原作映画『李朝残影』を日本と韓国どちらの視点も入れ込み作る話が大手映画会社で進み、新聞発表までされたのに、結局日本の映画会社が下りて韓国視点のみで製作されたという歴史も、初めて知った→

2013-02-07 22:45:49
島田 暁 @Akira_Shimada

→結局、アニメ『黄金バット』『妖怪人間ベム』以外での日韓合作映画は1999年の『ペパーミント・キャンディ』まで製作されず。つまり『李朝残影』が流れてから33年もかかってしまった。歴史って何か一つが動く/動かないで大きく左右されるのだ。 http://t.co/hJclpAe7

2013-02-07 22:52:09
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@Akira_Shimada 『ペパーミント・キャンディ』って日韓合作ではなかったかと存じます...

2013-02-07 23:21:38
島田 暁 @Akira_Shimada

プロデューサーにNHKの方が入られており「初の合作」と語られているのをよく目にしてきたので、僕はそういう認識でした。 http://t.co/K326rQpw @confuocoDalnara 『ペパーミント・キャンディ』って日韓合作ではなかったかと存じます..

2013-02-07 23:29:51
CeaseFireNOW💜முள்ளெலி💜ㄷЛㄹЛ💜⁷💜🦜💜🎗️💜🐨💜 @Boswelliasacra

@Akira_Shimada そうなのですね。プロデューサー参加だけでない定義をすると...1997年の『愛の黙示録』もあります。

2013-02-07 23:41:19
島田 暁 @Akira_Shimada

ありがとうございます。『愛の黙示録』は未見なのでぜひ観たいと思います。たしか石田えりさんが『釣りバカ日誌』をシリーズ途中降板して取り組んだ作品。 @confuocoDalnara そうなのですね。プロデューサー参加だけでない定義をすると...1997年の『愛の黙示録』もあります。

2013-02-08 00:31:34
島田 暁 @Akira_Shimada

座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル特集<越境/鈴木昭典>『ジャピンド2 インドネシア残留日本兵』は、インドネシアで終戦を迎えた日本兵で、そのまま現地でインドネシア独立戦争に身を投じた人々の足取りを1982年に追いかけたテレビ番組。 http://t.co/OGZrDQZC

2013-02-07 22:56:10
島田 暁 @Akira_Shimada

→びっくりしたのが、東京とジャカルタを衛星放送で結び、30数年ぶりに家族を「テレビで再会させる様子」をスタジオで収録し、それをドキュメンタリー番組に組み込んでいること。つまりこのテーマを「テレビショー」にしてしまうテレビの胃袋の巨大さ。その収録を行うがために取材が行われてるのだ。

2013-02-07 22:59:15
島田 暁 @Akira_Shimada

→そんな『ジャピンド2』上映後には、83歳で現役で活躍してる鈴木昭典さんがトークに登場され、当時の思いや現在のテレビ界に対する意見等を、淀みなく鋭く話されていたのが圧倒的に面白かった。こんな素敵なテレビドキュメンタリストが日本にいらっしゃったとは!鈴木さんの業績をもっと辿りたい→

2013-02-07 23:02:39
島田 暁 @Akira_Shimada

→鈴木昭典さんの発言で印象に残ったこと。「テレビは色んなものを映し出し、皆が色々と『知った気』になってるが、『知った気』にさせるもの(のみ)描かれてきたという事だ。かつては次から次へ描くことが見つかったが今は描き尽くされたかのように『感じさせられてる』。でもそうではないはずだ」→

2013-02-07 23:10:46
島田 暁 @Akira_Shimada

→それを聞いて、僕は「ジェンダー/セクシュアリティ関連」についてはテレビはまだ全然『描いたと語れるレベルにも達してない』と思うので、鈴木昭典さんが言いたかったことに物凄く納得です。「テーマが無い」とか感じる人ってどこに目があるの?こちとら選びきれない位湧き出しまくってるがなっ!w

2013-02-07 23:15:08
島田 暁 @Akira_Shimada

→あと鈴木昭典さんはこんなことも。「テレビのドキュメンタリストは偉いわけではない。テーマについて、知らなかった所から始めて学んで学んでようやく描くレベルまで行くわけだから。昨今のテレビドキュメンタリーは『作品論』的になってしまっているように感じる。」

2013-02-07 23:17:22
島田 暁 @Akira_Shimada

→それにしても、テレビを草創期の頃から観ていて、しかもクールに批評的に語ることが出来つつ現場の製作者で有り続けてる人が居るというのは奇跡的な事なのではないかと思います。ミイラ取りがミイラにならず批評眼を保ち続けてる秘訣や条件はなんだったのか、鈴木昭典さんに物凄く興味が湧きました。

2013-02-07 23:21:12
島田 暁 @Akira_Shimada

→普及以後のテレビって「テレビに出たくない人などこの世に居ないに違いない」と勘違いしてる人たちが多数派で運営されてますから、その傲慢さに無自覚にならず、でも利用しながら自覚的に番組に取り入れ自己検証も出来る『ジャピンド2』のスタジオ収録場面は、テレビ的という意味で秀逸でした。

2013-02-07 23:26:14
島田 暁 @Akira_Shimada

→83歳の現役テレビドキュメンタリスト、鈴木昭典さんはこんなこともおっしゃってた。「今、海外のテレビドキュメンタリストからよく言われる。なぜ日本のメディア人は福島第一原発に真っ先に入ってプロとして撮影しないのか。プロがきちんと記録しておけば、後から検証に使えるはずなのに」。

2013-02-07 23:35:16
島田 暁 @Akira_Shimada

座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル<森達也セレクション>森口豁『ひめゆり戦史・いま問う国家と教育』(1979年)『空白の戦史・沖縄住民虐殺35年』(1980年)は『ぬちがふぅ』(2012年)へと沖縄戦映像史がどう繋がるか興味深く観た http://t.co/AdQMmu2q

2013-02-07 23:44:08
島田 暁 @Akira_Shimada

沖縄戦において女性への戦時性暴力がどう描かれてきたのか、という観点からすると、NNNドキュメントで森口豁ディレクターが1979年に製作した『ひめゆり戦史・いま問う国家と教育』は、ナレーションで少し触れている程度で、そこを掘り下げていくことには製作者の関心は行かなかったようだ。→

2013-02-07 23:47:36