「ピアスド・ハート・ハーツ・エブリシング」#2

アズニィ @az21friday

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ニンジャスレイヤー・イミテーションストーリーズより「ピアスド・ハート・ハーツ・エブリシング」#2

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(あらすじ：売れないパンクバンド、ピアスハートのギタリスト、ドウジ。恋人であるカキネと過ごす幸せな日々に、彼は満たされていた。)

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(だがある日、ピアスハートのベーシストが失踪。行方を探す彼の元に、謎の男からの通信。曰く、カキネを預かった、と。一体なぜ、彼はこんな理不尽に巻き込まれたのだ？)

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ネオサイタマ・第三埠頭。この港はあまり使われておらず、特に併設する倉庫は近隣の住民からヤクザの取り引き現場になっていると悪い噂の絶えない場所である。 1

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「こんなところに……カキネ＝サンがいるのか？」彼は恐怖のあまり、つい一人言を発する。IRCに示されたカキネの携帯の位置情報は、確かにここの倉庫を表していた。「行くしか……ないな」彼は道中で拾った鉄パイプを手に、倉庫に入った。 2

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「来たな、ドウジ＝サン」薄暗い倉庫の奥から声！先ほど携帯IRCに連絡した声と同じだ。「……何故カキネ＝サンを浚った？」ドウジは怒りに任せて切り出す。「まあ待ちな。まずは、なんでオマエがこんな事件に巻き込まれたか、知りたくないか？」「エッ？」虚を付かれるドウジ。 3

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「実はな、シラギノ＝サンがヤクザとマッポの裏取引現場を見ちまったんだ……。違法メンタイと引き換えに、マッポの捜査を緩める……癒着現場をな」「ア、アイエッ？」淡々と説明するその声に、ドウジは謎の恐怖を覚えた。 4

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「それを見て、静かに立ち去ればいいものを、何を思ったのか撮影してネットに流し体制に反抗すると来た……。ああ、シラギノ＝サンは海に落ちたと聞いたろ？正解だよ、それ」淡々と、だが芝居がかった口調で、男が続ける。 5

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「今頃シラギノ＝サンは海の底だ。バイオマグロと戯れてるぜ、強制的にな」「……シラギノ＝サンを、殺したのか？」ドウジは怒りを込めた声で聞き返す。鉄パイプを持つ手に力が入った。 6

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「シラギノ＝サン？ああ、シラギノ＝サン、も、だ。そこにある写真を見な」「エッ？」 7

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薄暗くてわからなかったが、床に茶封筒が落ちている。ドウジは慌ててそれを拾い上げ、封を切った。「……ア、アイエエエエエエ！」悲痛な叫び声！「ニロキ＝サン！マルダ＝サン！バカな！こんな、こんなバカな！」 8

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写真には、ピアスハートの二人が写っていた。ボロクズめいて殴られ、ドラム缶から頭だけ出ている……二人の姿が。「さて、これだけ話せば十分だろ？」BLAM！BLAM！「ア、アイエエエ！アバーッ！」響き渡る銃声！ 9

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「俺は慈悲深いんでな。オマエは海に沈めないでいてやるよ」「アイエエエ！痛い……！」拳銃は脇腹と太股に命中！倒れこみ悶え苦しむドウジ！「アッ、言い忘れてたぜ。カキネ＝サンのことをな」「俺は……どうなってもいい！カキネ＝サンだけは！」懇願するドウジ！ 10

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「カキネ＝サンはな……」コツコツと靴音を立て、男が近づく。そして、倒れたドウジの横にしゃがみ、「もう売られたよ」「…………エッ………？」「あんなマブ、そうそういねぇからな……いい金になったぜ！ハハハハハハハハハハ！」 11

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「サンズ・リバーに持っていきな、この話。どのみちその出血じゃ助からねぇからな。強制前後される彼女の姿でも妄想してなぁ！ハハハハハハハハハハ！」陶酔した様子で男が高笑いをする！おお！ブッダ！寝ているのですか！ 12

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((俺は、死ぬのか))血と共に体温が抜けていくのがわかる。((ナンデ。死にたくない。嫌だ。カキネ＝サン))彼の脳裏を絶望が支配する……((痛い))((生きたい))((痛い))((痛い)) 13

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その瞬間。彼の体を血液とも体温とも違う何かが駆け巡った。 14

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「ハハハハハハハハハハ！ハハハハハハ……」高笑いが響く倉庫。俺はドウジに起こった異変に気づいていない。((体が……動く！それに、軽い！))「イヤーッ！」さきほど受けた傷も癒えた！ネックスプリングで起き上がるドウジ！ 15

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「ハハハハ……ハ？」「ドーモ。ところで貴様、私のバンドの名前を知っているか？」「ハ！？ハ！？アイエエエエエエ！？」致命傷から起き上がったドウジを見てパニックになった男は、チャカを乱射！ 16

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「私のバンドは」彼は喋りながら容易に銃弾を回避！「バカな！まさか、その動き……まさか！」「ピアスハート、と言うんだ。イヤーッ！」キックで膝を破壊！「アイエエエ！？ニンジャ！ニンジャナンデ！？」男は痛みと恐怖で失禁！ 17

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「カキネ＝サンをどうした」「い、いまごろヨタモノとヤクザに囲まれて……そういう場に売っちまったんだ！」「そうか」ドウジは彼の右手首を引きちぎる！無慈悲！「アイエエエ！アイエエエ！」「どこにいる」「は、廃墟だ。場所はここだ」 18

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男は残された左手でIRCを動かし、場所を告げた。「そうか」ドウジは男の左手首を粉砕！「アイエエエ！アイエエエエエエ！」痛みに泣き叫ぶ男！「ち、畜生ーッ！」男は最後の手段、含み針をドウジに吹き付けた！ 19

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「グワーッ！」「どうだ！一糸報いてやったぜ！」男は笑う。「刺さると激痛が走る針だ！これでオマエもしばらくは……ア、アイエエエエ！」男は驚愕に目を見開いた！ドウジは身震い一つした程度のダメージで、針を引き抜いたのだ！ 20

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「ピアスハートをバラバラにした貴様に、お似合いの末路を与えてやる」彼はその針を、ゆっくりとゆっくりと男の心臓に突き立てていく！「グワ、アバッ、アバババババッ……」残虐！「痛いか？」ドウジが冷たく問いかける。 21