2013年2月15日

スパイにされたひとびと(2)――軍機保護法運用の実際

 戦前・戦中の日本社会は、治安政策を強化・拡大させ、多くのひとびとをその影響下におくことに成功しました。最も声だかに流言・デマ統制が叫ばれたのもこの時期です。  今回は、そうした戦前・戦中の日本の治安政策の一例として、軍機保護法に触れたとされる事件を見てみましょう。世にいう「宮澤弘幸・レーン夫妻軍機保護法違反冤罪事件」です。  以下は、1986年、自民党によるスパイ防止法案をめぐる議論がつづくなかで、朝日新聞が「スパイ防止ってなんだ・新聞週間を機に」という表題で連載した記事からの抜粋です。 参考サイト: 続きを読む
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dabitur @dabitur

[quote] 今日はこのへんをひとつ. / 「スパイ防止ってなんだ・新聞週間を機に:2」『朝日新聞』1986年10月13日朝刊 

2013-02-14 23:57:29
dabitur @dabitur

[quote] 「大西洋無着陸横断の英雄リンドバーグ大佐が、アリューシャン、千島伝いに日本へ飛来したのは、1931年*の8月であった。同月25日付の東京朝日新聞夕刊は、リンドバーグ機が24日朝、根室港に着水したことを、1面トップ、写真付きで報じている」朝日1986年10月13日朝

2013-02-14 23:57:54
dabitur @dabitur

[quote]「1939年の8月には、毎日新聞の双発機『ニッポン号』が*世界一周に飛び立つ。当初計画では根室飛行場を経てアラスカ*へ向かうはずだったが*急きょ、札幌飛行場経由に変更された、と大阪毎日新聞社編の公刊記念誌『ニッポン世界一周』(昭和15年発行)にある」ibid.

2013-02-14 23:58:55
dabitur @dabitur

[quote] 「これでも『根室飛行場』の存在は軍事秘密なのか。北大の学生、宮沢弘幸さんの“スパイ事件”裁判の上告趣意書で、当時の斎藤忠雄弁護人らは1審の有罪判決を厳しく批判した」(朝日新聞1986年10月13日朝)

2013-02-14 23:59:33
dabitur @dabitur

[quote] 「リンドバーグ機飛来もニッポン号の周航も、当時は世界へ送られるニュースだった。つまり、根室港に水上機発着基地があるのも、陸上飛行場が存することも、世界は知っていた。そんな『軍事秘密』はあり得ない」(朝日1986年10月13日朝)

2013-02-15 00:00:00
dabitur @dabitur

[quote] 「さらに1審判決は、根室飛行場の指揮者が兵曹長だ、と話したのも、宮沢さんの『罪』に問うている。だが、飛行場の存在自体が公知なのに、兵曹長発言が独立に軍事秘密を構成するはずがない――弁護側反論の要旨は、こうであった」(朝日1986年10月13日朝)

2013-02-15 00:00:41
dabitur @dabitur

[quote] 「5カ月後の1943年5月、大審院はこの上告を棄却した。判決は言う」(朝日1986年10月13日朝)

2013-02-15 00:02:00
dabitur @dabitur

[quote] 「軍機保護法第1条は『作戦、用兵、動員、出師*其ノ他軍事上秘密ヲ要スル事項又ハ図書物件』を軍事秘密と規定し、それらの種類、範囲は陸、海軍両大臣の決定にゆだねている。*海軍省令*同法施行規則第1条には、海軍の飛行場の位置、配置兵員の数、編成などが『軍事秘密』に指定」

2013-02-15 00:04:04
dabitur @dabitur

[quote] 「これらの指定秘密は、法律や官報で公表されない限り、秘密でありつづける。『縦令(たとえ)一部ノ者ニ於テ之(これ)ヲ知リ居タリトスルモ固(もと)ヨリ其ノ軍事上ノ秘密タルコトニ何等ノ消長ヲ来スコトナシ……』なのである〔と判決は言う〕」(朝日1986年10月13日朝)

2013-02-15 00:05:26
dabitur @dabitur

[quote] 「世界が知っていようといまいと、大臣が秘密に指定しているのだから軍事秘密だ、ということになる」(朝日1986年10月13日朝)

2013-02-15 00:05:52
dabitur @dabitur

[quote] 「秘密保護法規の研究をしている元自由法曹団長の上田誠吉弁護士(60)は説明する。『軍事上の秘密は、法律にその対象や範囲を明確に列記したら秘密でなくなってしまう。従って法の条文での秘密の定義は、抽象的、あいまいにならざるを得ない』」(朝日1986年10月13日朝)

2013-02-15 00:06:24
dabitur @dabitur

[quote] 「そして、外交や経済、科学技術などが広く複雑にからみ合う軍事・防衛の秘密について、裁判官は的確な判断を下す能力を必ずしも持ってはいない。従って『何が秘密か』の判断は、つまるところ、所管官庁の主張に従うことになりがちだ」(朝日1986年10月13日朝)

2013-02-15 00:06:42
dabitur @dabitur

[quote] 「『外事警察概況』を見ると、軍機保護法、国防保安法など数多くの違反事件を通じて、裁判官の秘密漏示の認定は、時と共に過酷になっていく」(朝日1986年10月13日朝)

2013-02-15 00:07:16
dabitur @dabitur

[quote] 「1937年の師走半ばごろ、北海道の旭川市内で、1人のこじき(39)が軍機保護法違反の疑いで逮捕された。*男は北千島幌筵島で海軍飛行場建設の土木作業員をしていたが、脚気で働けなくなってお払い箱。11月末に旭川へ流れて来た」(朝日1986年10月13日朝)

2013-02-15 00:07:55
dabitur @dabitur

[quote] 「気象台の記録では、この年のそのころの気温は最低零下19.6度まで下がっている。*宿賃と故郷横浜への旅費ほしさに、今の身の上を話しながら『1銭恵んで』と*町を回った。その身の上話の中の『幌筵島の海軍飛行場』のくだりが、軍秘密漏らしに問われた」(ibid.)

2013-02-15 00:08:27
dabitur @dabitur

[quote] 「翌年1月、旭川区裁は懲役1年の実刑を判決、こじきは即日服罪した、と『概況』はこの事件の記述を結んでいる」(朝日1986年10月13日朝)

2013-02-15 00:08:45
dabitur @dabitur

[photo] 本日の言論統制 / 「銀座における防諜展『はずむ話で洩らすな軍機』世間話一つにも気をつかうようになった」(纐纈厚(1991)『防諜政策と民衆』より) http://t.co/gyDMjEdO

2013-02-15 00:11:32
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