【何故テレビは面白くなくなったのか】の個人考察

黒猫亭 @chronekotei

受け手が読みたがっているのは、「面白いお話」なのであって、平準化可能なスキルで生み出された、特定の規準において評価可能なプロダクトじゃないんだよ。だから、文章が粗かったり展開が下手糞だったり人物描写が薄っぺらでも、大ヒットする面白い小説が現れたりする。

黒猫亭 @chronekotei

まあ、それは文章が美しかったり技術が巧みな作品に価値がないと謂うこととイコールじゃない。さっきも言ったけど、極端から極端に走ると大概物事の本質を見誤るんだよな。

黒猫亭 @chronekotei

あとなぁ、映画会社はリスクを取っているけど原作者はそうじゃないから、と謂う理屈も変だよな(笑)。企業活動や興行は投機的行動だからリスク・ベネフィットで考えてもいいけど、クリエイションと謂うのは価値の創造なんだから、リスクを取ろうが取るまいがその価値には正当な対価を払うべきじゃん。

黒猫亭 @chronekotei

そう謂うふうに、クリエイションをビジネスの投機と同じ理屈で考えるから面白くなくなっていくんじゃないのかね(笑)。クリエイションの独特なところって、それ以前のプロセスはどうあれ、結果的にいきなり価値が創造されるところなんじゃないの？

黒猫亭 @chronekotei

「この人の作品は汗水垂らしてコストを費やしてリスクも取ったから面白いんです」なんて理屈がまったく通用しなくて、鼻歌まじりに左手で描いた作品でも結果的に物凄い価値を創造することもあるのがクリエイションの間尺に合わないところだね。それをビジネスだけの理屈で捉えちゃダメでしょ。

黒猫亭 @chronekotei

そう謂う考え方で捉えたクリエイションは平準化された作業に過ぎず、要するに時間単価の「賃仕事」と見ているんでしょ？　だからつまんなくなるのよ、と言ってるんだよね。

黒猫亭 @chronekotei

そもそも、文芸って作家個人のそれまでの多様な投資から生み出されるところもあるわけでしょう。でも、そこは一応区別しない建前なわけですよ。どれだけ投資して苦労したか、なんてのは成功譚としては価値があるけど、別に投資して苦労すれば必ず面白い作品が生み出されるわけじゃない。

黒猫亭 @chronekotei

だから、文芸って飽くまで生み出された作品の面白さでしか価値を量らないわけですよ。何の苦労もしてない世間知らずな人が生み出した作品でも、面白ければそんなのはどうでもいい、その作品には価値があるわけです。その価値には正当な対価を与えましょう、と謂う極普通の一般論だね。

黒猫亭 @chronekotei

そう謂うふうに、作家や作品個別のプロセスはあるんだろうけど、それは問わずにいきなり生み出された価値だけで評価するのがクリエイションの世界なんだよね。だからまあ、ビジネス的な投機の枠組みで考えても意味はない。

黒猫亭 @chronekotei

だからね、細かいことを考え出すと幾らでも話は分岐するから、ザックリの大枠で一般論を語っているわけでね。各論に下りたいのなら、寸鉄みたいなことを言ってないでもっとコンクリートな話をしたほうがいいですよ。

黒猫亭 @chronekotei

まあでも、一握りのビッグネーム以外のクリエイターが割と出入り業者的な扱いなのは、それは産業構造の問題だろうし、非正規労働者の待遇問題なんかにも根があるから、それにはそれなりの理由があるわけ。だから、そこはこの際論点ではないんだよ。

黒猫亭 @chronekotei

オレが言っているのは、そんなコンテンツの中核となるアイディアに正当な対価を払おうとしない現状で「テレビがつまらない」とか言ってても、それは当たり前の話でしょ、と謂う理路だけなんだよね。それが不当か不当でないかは論点じゃない。単にそれだとつまんないのが当たり前ですよ、と謂う話ね。

黒猫亭 @chronekotei

システムやインフラにこそ価値があって、アイディアなんて何でもいいと思ってたんでしょ、でも、そう謂う料簡でビジネスを回していたから現に今つまんなくなっているんであって、それはしょうがないじゃん、と謂う話をしているんだよね(笑)。

黒猫亭 @chronekotei

そう言えば、「海猿」が引き合いに出されているけれども、CXにしてみれば、あれは局側が制作したドラマや映画が優れたコンテンツだからヒットしたんだ、自分たちのコンテンツでもあるんだ、と思っているから関係がこじれたんだろうね。

黒猫亭 @chronekotei

いやまあ、それはそうなんだけれども、じゃあなんで「海猿」の原作がヒットした時に、同じ題材のオリジナル企画を練って勝負せずに、映像化権を買ってドラマ化したんですか？と謂う話だよなぁ(笑)。それには相応の事情があるんだろうけれど、それは原作者に向かって堂々と主張出来る事情ですか？と。