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彼にあいたい。俺は一人、彼がよくくる居酒屋に寄って飲んだ。「お相手きませんね、ほどほどにしておいたらどうです」「あいつの顔みないと眠れない」自然と涙が滲む。「ですってよ」店主の明るい声が響くと店の奥から彼が現れた。「寂しがる姿可愛かった。泣き上戸なの?」彼の指が俺の頬に触れた。
2013-03-19 06:16:59![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ジムで彼と喧嘩した。「プロテイン飲むな」「僕は筋肉つけたいの」「体形維持には賛成だが、筋肉は不要だ」「酷いよ、僕だって鍛えたい」「俺は今の抱き心地が好きだ!」絶叫した彼の声に周りの人が振り返る。「蛋白なら俺が特製スープ飲ませてやるから、な?」「うん…」恥ずかしさに僕は身を固めた。
2013-03-21 04:28:33![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「もっとキスして」「望みのままに」ソファに僕の体が深く沈み込む。「いちゃついてると溶けていく飴の気持ちがわかる気がするよ」「幸福になるのはいいが溶けてなくなるなよ」「溶けない飴って股のコレみたい」「可愛い顔しておやじなこというな」「くれないの?」小首を傾げた僕に彼が覆い被さった。
2013-03-22 03:38:36![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
僕らは雨の川縁を歩いた。「このマンションは?」「蚊が多そう」「そうか」「次に住むところなんだからよく考えてよ、雨の音うるさくない?」「実は俺もう決めてるんだ」「え、どこに?」「お前の隣。こうして傘一本の下でも俺は幸せだぞ」「そうだけど愛の巣欲しいじゃん」俯いた僕を彼が抱きしめた。
2013-03-25 05:35:26![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「あ、失敗した。ストロー刺すの難しいんだよな」紙パックから牛乳が腕に飛び散った。ぺろりと舐めた所、屋上の扉が開いた。「ここで何してた」彼が疑いの目で元遊び人の僕をみた。「牛乳だよ。浮気じゃないって」「誰のミルクだか」「だから牛だって。なんなら絞ろうか」挑発すると彼が赤くなった。
2013-03-26 05:41:24![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「僕もプレゼントあげたい。何欲しい?」「お返しはいらないよ」「じゃ、好きにさせて。キッチン借りるね」エプロンをした僕を背後から彼が抱きしめた。「いいな、これ欲しい」「そんなつもりじゃないよ。料理できたら食べて。それとも…デザート先にする?」「ああ」微笑んだ彼が僕の口を塞いだ。
2013-03-27 05:15:40![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「映画館の後、プラネタリウムにいって、帰りに夜景見ながらお散歩したい」「星は夜見れば?」「そっか」「なあ、期待していいのか」「何を?」「お前が選んだの、みんな暗い所だろ、その…」彼が熱を含んだ目で僕を射る。「無意識に選んだけれど、そういうことなのかな?」照れた僕を彼が抱きしめた。
2013-03-28 03:52:18![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
僕は劇場の臨場感に飲まれた。スモークが客席に広がると、まるで雲の上にいるようだ。舞台で天使を演じている彼との一体感に酔いしれる。劇が終わり、僕は楽屋へ顔をだした。「雲海に首まで浸かっている気分になったよ。思わず息止めちゃった」「溺れるのは俺だけにしとけよ」と彼が笑った。
2013-03-29 05:20:12