プーチン大統領を描いたコメディー番組「はい、大統領閣下!」
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プーチン番組26)プーチンさんの目の前を、お金をばらまきながら年金生活者のおばあさんが通り過ぎます。「年金が多くてなんてすばらしいのでしょう。何に使おうか」などと笑いながら言っています。それを見てプーチンさんは怒りがわき、SPに「次を急ごう。まだ国の半分も回らなければならない」。
2013-03-10 00:01:40プーチン番組27)それに対し、地方行政府の高官(知事)が、「私たちはここでは良い暮らしを送っていますと話して下さいね」とプーチンさんに言うと、ついに怒りが頂点に達したのか、胸ぐらをつかんで空高く高官を放り投げてしまいます。
2013-03-10 00:03:16プーチン番組28)プーチンさんがしばしば地方視察のときに、地方行政府高官の堕落ぶりに激怒するという毎度おなじみの出来事をパロディーにしたものと思われます。そしてその次は再びドパルデューさんの電話。パスポートを取得した彼に「本当のロシア人になったな。おめでとう」とプーチンさん。
2013-03-10 00:11:15プーチン番組29)そして、朝まで飲んでいたドパルデューさんに対し、「今朝の6時だぞ。いいか、本物のロシアの男はな、6時15分には家に帰るんだ。帰りなさい。これは古くからのロシアの伝統だ」とプーチンさんは言います。ちょっとここのオチは私にもよくわかりまわせんでした。
2013-03-10 00:13:34プーチン番組30)場面は変わってクマ「退治」のシーン。15分26秒あたりです。待ち受ける報道陣に到着が遅れたことをわびるプーチンさん。その理由は、冬眠するはずのクマが出没していると村人から連絡があり、急行したのだと言います。「銃で撃ったのですか?」と問いかける記者にプーチンさんは
2013-03-10 00:16:29プーチン番組31)「撃つことはいつでもできる。しかし、私はクマを寝かしつけた。クマというものは冬眠しなければならないから」と余裕の表情で答えます。その後「ちょっと着替えてくる」と言って立ち去るプーチンさんの背中には、ざっくりクマの爪にひっかかれた後が残っているというオチです。
2013-03-10 00:19:13プーチン番組32)その後は16時43秒ごろから、真冬の中、野外でバーベキューをやって記者に肉を焼いてあげるというシーンなのですが、ここの笑いはよくわかりませんでした。そして次は側近らとゲームをやるシーンです。
2013-03-10 00:21:57プーチン番組33)自分からは見えないようにして、頭にポストイットを貼り、そこに書いてある内容を、側近らからヒントをもらって言い当てるというもの。書いてあるのは「セルゲイ・ミローノフ」。野党「公正ロシア」党首の名前です。プーチンさんがまず「これは人か?」と聞き、側近たちが「はい」。
2013-03-10 00:23:35プーチン番組34)「男?」とさらにプーチンが聞くと、「はい、もちろん」と側近ら。プーチンさん、今度は「ひょっとして、政治家?」と聞きます。すると側近たちはちょっと考えて、「そう言えるかもしれません」と微妙な言い方。プーチンさんが「ロシアの政治家?」と聞くと、側近たちは「はい」。
2013-03-10 00:25:43プーチン番組35)プーチンさんが「与党?それとも野党?」と聞きます。側近たちは答えに困っています。するとプーチンさんが「君たちは永遠に謎にしておきたいのかな?」と言います。ここは解説が必要ですね。まずセルゲイ・ミローノフさん。
2013-03-10 00:28:26プーチン番組36)この人は、野党党首でありながら、プーチンさんには逆らわない、こういう言い方は極論かもしれませんが、政権の手のひらで野党を演じているとロシアでは思われています。下院に議席がある共産党、自由民主党と併せて「体制内野党」と揶揄されています。
2013-03-10 00:30:12プーチン番組37)だから、本当に政治家と言えるか、野党と言えるか、と側近たちは答えるのに迷ったのだと思います。19分8秒からは公邸でくつろぐプーチンのシーンです。いすに足をぶつけて、相当痛かったのか一瞬叫びます。するとSPがすぐに駆けつけ「大統領、どうしましたか?」と聞きます。
2013-03-10 00:32:11プーチン番組38)プーチンさんは「大丈夫。たんに打っただけ。大丈夫だ」と言いますが、その後、庭ではいすがSPによって燃やされるというオチです。
2013-03-10 00:34:49プーチン番組39)20分5秒あたりからは執務室のシーン。その日の仕事が終わり、プーチンさんは部下をねぎらいます。でも自分はまだ仕事が残っていると言って、座ります。水筒を開けると、地球のホログラムが現れ、スパイとしての「仕事」の指令が来ます。そして建物をよじ登って小窓まで来ると、
2013-03-10 00:38:31プーチン番組40)「シルビオ、シルビオ」とプーチンさんは呼びかけます。シルビオとは、プーチンさんの親友でイタリアの元首相、ベルルスコーニさんのことです。番組でベルルスコーニさんは服役中という設定。「ベルルスコーニさんが「待ちかねたぞ」と言うと、プーチンさんはあるものを差しれます。
2013-03-10 00:40:57プーチン番組41)その差し入れとは、ポルノ雑誌です。ベルルスコーニさんが「何でポルノ雑誌?俺は助けてくれと頼んだんだ」と言うと、プーチンさんは「いったい私に何ができる?君は罪を犯した、だから服役している」と全く冷徹というか、KYというか、頭が硬い面を見せます。
2013-03-10 00:43:06プーチン番組42)ベルルスコーニさんは「イタリアを買え!そして俺を解放しろ」とむちゃぶりしますが、「頭でもおかしくなったか?」とあくまで冷静なプーチンさん。そしてもう時間だと立ち去ろうとします。最後に思い出したかのように、「すまん。ところでその雑誌は半年の購読になっているから」。
2013-03-10 00:44:44プーチン番組43)以上で番組の解説は終わりです。ところでこの番組のロシアでの評価は割れています。番組をつくったNTVはエリツィン時代、鋭い政権批判で知られたテレビ局で、政治風刺の人形劇「クークリ(人形)」が人気でした。ですが、プーチン氏が大統領(1期目)に就任してまもなく、
2013-03-10 00:48:26プーチン番組44)オーナーの富豪(ロシアではオリガルヒと言います)グシンスキーさんが脱税などで逮捕され、テレビ局も国営会社ガスプロムに買収されてしまいます。政権批判はすっかりなくなり、むしろ政権擁護の姿勢に転換。反プーチン集会についても当初は報道せずに「黙殺」、批判を浴びました。
2013-03-10 00:50:33プーチン番組45)番組を評価する人たちは、NTVの政治風刺の伝統が復活したといい、批判的な人たちは風刺的要素はなく、単にプーチンさんの庶民的でユーモアのあるイメージをつくろうとしているだけだ、と指摘しています。
2013-03-10 00:52:50プーチン番組46)大統領のペスコフ報道官は、大統領は放送前に番組を見たことを明らかにしました。「検閲ではないのか」との記者たちの疑問に対しては、「テレビ局がわから見て欲しいと依頼があったから見ただけ。内容の変更は行ってないし、求めてもいない」と釈明しました。
2013-03-10 00:54:21プーチン番組47)プーチンさんの支持率は新しい数値によると45%。書記の頃は70%以上あり、それに比べると落差があります。長期政権に対する飽き飽き感や、官僚主義的で汚職が多い今の政治、社会を生み出したのはプーチン体制だ、との国民の思いが支持率を下げているとみられます。
2013-03-10 00:57:14プーチン番組48)一方で、プーチンさんの指導力を評価する声も多く、欧米、日本も含めて言いがちな「強権体質」との批判はロシア人の心にはあまり響いていないようです。なぜなら、あらっぽく言えば、これだけ広い国土、他民族をまとめ上げるには剛腕が必要だ、とロシア人自身が考えているからです。
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