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1.少し前に、友達に誘われて行った飲み会で出会った彼。名前はキュヒョンさん。大人しいけど、すごく気の遣える優しい人だったのを覚えてる。「今度、連絡してもいい?」私は彼氏がいたけど、ただなんとなく、キュヒョンさんが頭から離れなくて。「うん、待ってるね」 #キュヒョンWD妄想
2013-03-14 23:15:102.私は、彼氏とうまくいってなくて。少し浮ついた癖のある彼氏だったけど、中々別れる事が出来ないままだらだらと関係が続いてた。「ねえ、バレンタイン、あげないの?」「誰に?」キュヒョンさんとは飲み会から何度か連絡を取り合ってて…友達はそれを知っていた。 #キュヒョンWD妄想
2013-03-14 23:19:283.「誰にって…キュヒョンさんに」「え、なんでよ!」更に友達は、私が彼氏とうまくいってない事も知っていたから…だからキュヒョンさんを紹介したんだと思う。「あげたら?連絡、取ってるんでしょ?」「それはそうだけど…」「義理でもなんでもいいからさ。一緒に作ろうよ」 #キュヒョンWD妄想
2013-03-14 23:20:084.バレンタイン当日、言われるがままに友達とチョコレートを作った。「キュヒョンさん…喜ぶかな?」彼氏は遊びに出かけると言って、今日は帰って来なかった…もう、どうにでもなってしまえ。私は普段中々着ないワンピースを着て、キュヒョンさんの大学へ足を運んだ。 #キュヒョンWD妄想
2013-03-14 23:23:205.彼の通う大学…すごく広くて、どこにいたらいいか分からなくて。諦めて校門で待っていると、運悪く柄の悪い人達に捕まってしまった。「1人?誰か待ってんの?」やっぱり、待つべきじゃなかったのかも…小さく後悔をしていると、突然後ろから腕を引かれた。 #キュヒョンWD妄想
2013-03-14 23:26:366.「ごめん、この子、俺の彼女だから」その相手を見上げれば…キュヒョンさんだった。そのまま歩いて行く彼。繋がれた手をぼーっと見つめながら、背、高いんだな、なんて。「…なにしてるの?」程々に足を進めて、立ち止まって振り返る彼。 #キュヒョンWD妄想
2013-03-14 23:29:387.「あ…えっと」「ごめん、彼氏いるのに…あんな事言って」ぱっと手を離す彼。「ありがとう、助けてくれて」恥ずかしくて、つい俯く。「不用心なんだから…」そう言いかけた彼に、用意したチョコを渡した。「あの、これ…キュヒョンさんに、渡したくて」 #キュヒョンWD妄想
2013-03-14 23:33:138.「え」反応が鈍い彼…恐る恐る顔を上げれば、彼は顔を真っ赤にして口元を抑えてた。「もらってくれる?」「あ、ああ、えっと…その、貰えると思ってなかったら」「お世話になってるから」キュヒョンさんは不思議な人だった。いつも、私が寂しい時に限って連絡をくれるんだ。 #キュヒョンWD妄想
2013-03-14 23:37:469.「ありがとう」耳まで赤くしたまま、彼はラッピングした箱を受け取ってくれた。「せっかくだから、ちょっと歩こう」これが、初めてのキュヒョンさんとのデートだった。「元気ないね。ちょっと聞いたけど…彼氏と、うまくいってないんでしょ」歩幅を合わせて歩いてくれる彼。 #キュヒョンWD妄想
2013-03-14 23:41:5210.「ああ、うん…いいの、気にしないで」本当に、人の感情に良く気が付く人だと思った。「気にするよ。俺でよければ、相談乗るから」並んで歩いて、たまにぶつかる腕。いちいちドキドキしてしまう自分がいた。「…ありがと。優しいね、キュヒョンさんって」 #キュヒョンWD妄想
2013-03-14 23:45:1211.思い切って渡しに来て良かったな、と思った。こんなに楽しかったのは、久々かもしれない…彼は、喋ってみるとすごく面白くて、やっぱり優しくて。「また、会いに来てよ」帰り際、少しだけ寂しくなってしまった。「うん、キュヒョンさんもね」「分かった」 #キュヒョンWD妄想
2013-03-14 23:49:3312.彼氏いるのにな…と罪悪感ももちろんあった。それでも、また彼に会いたいと思ってしまうこの感情はなんなんだろう。「キュヒョンさん、すごく合ってると思うよ」友達の言葉を思い出す。それからも、やっぱり彼は不思議と寂しくなった時に限って連絡をくれる人だった。 #キュヒョンWD妄想
2013-03-14 23:53:1213.『元気?』とか『飲みすぎた』とか、そんな何でもない連絡が嬉しくて…。彼氏とは相変わらずうまくいかなくて、あれから一ヶ月経ったホワイトデーにも、もちろんお返しなんかないまま彼は出掛けてしまった。「もう、おしまいかな…」小さく独り言を呟いた時、携帯が光る。 #キュヒョンWD妄想
2013-03-14 23:58:3214.ディスプレイには【キュヒョンさん】と表示されていて。心臓が大きく跳ねるのが自分でも分かった。「もしもし…」『あ…ごめん、急に。何してた?』彼から電話がくるのは、これが初めて。『暇だったらでいいんだけど…ちょっと付き合って欲しくて』私は迷わず頷く。 #キュヒョンWD妄想
2013-03-15 00:01:0115.待ち合わせ場所に行けば、彼は既に待っていて。「ごめんね、お待たせ」彼はポケットに入れていた手を出して、小さく振った。「いいよ、こっちこそ急でごめん」直接会うのは一ヶ月振りだ。本当に、この人はなんで…寂しいと思うと、連絡をくれるんだろう。 #キュヒョンWD妄想
2013-03-15 00:04:3516.この前みたいに、並んで歩いて、何気ない話で笑いあって。寒くない?とか、お腹減ったね、とか…本当によく気が付く人だな。「あそこ、お店入ろうか」彼が指を指した時、私は立ち止まった。「どうしたの」目の前には…女の人と腕を組んで歩く彼氏がいた。 #キュヒョンWD妄想
2013-03-15 00:08:5117.ああ、やっぱり。心のどこかで分かってはいたけど、辛い気持ちになる心を抑える事が出来なかった。「お前、何してんの?」冷たく言い放つ彼、勝ち誇ったような顔をする彼女。もう、こんな人、いらない…。私は咄嗟に、キュヒョンさんの手を握った。 #キュヒョンWD妄想
2013-03-15 00:14:2518.「ごめん、この人、私の彼氏だから」そう言って、歩いて来た道を早足で戻った。何も言わないまま着いてきてくれるキュヒョンさん。覚えてる?バレンタインの時の真似。「…ごめんなさい、キュヒョンさん」ある程度きた所で、足を止める。「私、何してるんだろ」 #キュヒョンWD妄想
2013-03-15 00:17:5319.その瞬間、視界が暗くなって…抱き締められていると気付くのに、時間がかかった。「無理して笑わないで」彼も、心臓が大きく鳴っている。「辛いんでしょ。だったら、笑わなくていいから…」腕にきつく力を込められて、涙が込み上げる。人肌を感じたのは、久しぶりだった。 #キュヒョンWD妄想
2013-03-15 00:21:0920.「俺じゃ…ダメ?」少し体を離して、私を見つめる目があまりにも真剣で。「俺なら、こんな思いさせない」多分ずっと、思ってたのかもしれない。この人とが良い、って…。「キュヒョンさん、」「これ。バレンタインのお返し…のつもりだったんだけど」 #キュヒョンWD妄想
2013-03-15 00:24:3921.「告白になっちゃった」手渡されたそれは、ラッピングされた飴と一緒に入った小さなテディベアのキーホルダー。「もう一回…言わせて」受け取ると、彼は私の肩に手を置いて小さく息を吐いて。「俺が、幸せにするから…俺じゃ、ダメ?」ダメなわけない…この人が良いよ。 #キュヒョンWD妄想
2013-03-15 00:28:5922.「…キュヒョンさんがいい」目に溜まった涙に気付かれたくなくて、今度は私から抱き付いた。「俺の、彼女になって下さい」背中に回る彼の腕。「はい…」小さな返事をして、貰ったテディベアを握り締めた。ホワイトデー。私が、キュヒョンさんの彼女になった日。 end #キュヒョンWD妄想
2013-03-15 00:33:40