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宇都宮泰氏による「純正律とは何か」vol.1

文壇デビューを果たした音楽家・プロデューサー・エンジニア宇都宮泰氏による純正律講座。
音楽 調律 純正律 平均律
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宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F88h 音律について、日本の演奏家はあまり口にしない。音大でも演奏系ではある意味タブー。日本ではどちらかというと調律用語。あるいは一部の音楽学者。結構数字や数式が出てくるのでびびらないで。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F89h 手近なところから、ギターの調弦。。1弦ずつクロマチック・チューニングメータ(普通のヤツ)で合わせるのは、平均律。5弦Aのみ音叉やチューニングメータであわせ、残りをハーモニックスで合わせるのは、純正律的調弦。それぞれの調弦結果は一致しない。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F8Ah 脚注:一部の回転円盤ストロボ式のチューナー(デービド・ギルモアが後ろにおいてるもの)は、純正律可能。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F8Bh 音階とは::ほとんど全ての音楽形態に一致する概念に「オクターブ」があります。1オクターブ上がるとは、「同じ音名」「周波数比1:2」「同じ匂い」「周回してきた・・」、、などの物理性質や感覚があり、音律や音階の基本になります。物理性質の周波数比1:2に着目。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F8Ch この周波数比1:2(A音440に対してオクターブ上Aは880Hz)を均等に12に分割したものが西洋音楽の平均律ド、レ、ミ・・です。  さて、均等にどうやって分けるか。○○Hzずつ上げる・・上A880Hzから下A440Hzを引き12で割ると36.6Hzずつ・・NO!
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F8Dh 上A880Hzからさらに36.6Hzずつ12音上がっても1320Hz(上E音)にしかならない・・間違いです(これは等差級数)。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F8Eh どこまでも、12音ずつ上がったときに、オクターブ間隔を保つには、等差数列的(比率が一定になるように)上がらなくてはいけません。 つまり1半音をtとしたとき、t×t×t×・・と12回かけたときに2になる数・・・ =tの12乗が2となる数、が1半音の周波数倍率になります。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F8Fh この数tは12√2 (2の12乗根)=1.0594630943592953・・というとてつもなく半端な数になります。A 440 Hzの半音上は440Hz×1.0594=466.1637615・・・  これを12回繰り返すと880Hzになる。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F90h ギターをハーモニクスで合わせる場合(流儀はあるが・・)、差音(うなり)が出ない状態では、ハーモニクスどうしでは完全一致、、それぞれの弦では、完全4度となりますが、完全4度では周波数比は正確に3:4となります(ハモった状態)。 先ほどの平均律の計算では・・・
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F91h 完全4度は5半音なので、1.059・・の5乗=1.3348398・・・となります。ハモった完全4度では周波数比は3:4(=1.333・・)なので、一致しません。(が、まあ、そこそこ近いとは言えます)
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F92h 完全5度では周波数比は2:3(または、下へ4度降りて、1オクターブ上へ、とも)なので、やはり同程度の誤差があります。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F93h ピアノの調律を見学すると、この4度、5度を用いて、それを12回繰り返すと、全ての音が・・実は完全4度5度から、この数値分ずらせながら12回繰り返しています。「「ぴったり4度5度で12回繰り返すと・・・なんともとの音名に戻れないのです」」
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F94h 調律の世界では、この泥沼平均律1半音のことを100セント(1オクターブを1200セント)と呼び、考えやすくしています。完全4度または5度で12回繰り返したときに、オクターブとの差は、23.46・・セントにも及びます。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F55h この差のことを「ピタゴラスのコンマ」といい、紀元前から知られていた不思議です(もちろん平均律以前・・平均律の普及は大バッハのころ)
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F56h この計算は対数の底変換を使うと楽に計算できます。電卓などでは、コンマ(セント)=log(誤差)/log(1セント)=log((3/2)^12/2^7)/log(2^(1/1200))で求められますが、1セントが1.0005・・で計算誤差が大きくなるので
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F57h 変形しコンマ(セント)=1000*log((3/2)^12/2^7)/log(2^(1/1.2))  の方が正確に求められるでしょう。 数式やめます。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F58h 1オクターブは一致、4度5度は少し誤差(完全系純正律ではコンマが発生するが、ハーモニーする)、、、さらに3度6度では・・
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F59h ハーモニーしているとは、ハーモニーを構成している音の周波数差から、きちゃない差音が出ない、ということなのですが、そのためには、それぞれの周波数が、単純整数比になっている必要があります。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F5Ah 周波数比1:1(ユニゾン)、1:2(オクターブ)、1:3(1オクターブ+5度)、1:4(2オクターブ)、2:3(5度)、3:4(4度)、4:5(長3度)・・以下wikiなんかにも記載があります。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F5Bh 0F59h 単純整数比になっている必要~のように書きましたが、ハーモニーさせると自動的に単純整数比になっている(あるいはそのような感覚)という必然なのであって、押し付けられるものでは有りません。勘違いしないように!
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F5Ch 実はハーモニーには「強さ」の概念もあります。最強はユニゾン、次いでオクターブ、その次が4度5度(パワーコードと言われるゆえん)、3度6度なんかは強度で言うなら、かなり弱い。エヴァなんかにも、それは出てくる。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F5Dh ちなみに雅楽なんかは基本ユニゾン。稚拙だからユニゾンなのではなく、ユニゾンに陥ってしまうとハーモニ世界は弱くて混在できない。機能和声では平行やユニゾン(笑)を禁止しているが、ハーモニーに対して強すぎるため、整合しないから・・というのが本当の理由。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F5Eh ベトベンだってモツァルトだってユニゾンは常套手段。ただ、細心の注意を払ってる。能ある鷹はユニゾン隠す。わが国の国歌もユニゾンに戻すべきだ・・うーーー。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F5Fh スタートレック(TNG)だってボーグはユニゾンで表し、連邦はハーモニー世界。まあ、ハーモニーの方が色気があって、色彩豊かだが(同じか)。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com
0F60h いわゆるメタル、パワーコード全開だが、これは3度6度のハーモニーを廃した結果。キーボードすら排除。ゆえに長調なのか短調なのかわからない。さらに強さで進化させるには、ユニゾンバンド・・・。
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コメント

T.K @2I000mg 2013-03-15 15:04:47
3種類の調律聞き比べ(平均律・純正律・キルンベルガー)/ 3 different tunings: http://youtu.be/fx3PwP6UP5s @youtubeさんから
T.K @2I000mg 2013-03-15 15:11:08
Chopin Etude Op.10-12 「革命」 ピタゴラス律 Pythagorean tuning: http://youtu.be/DcgAB7oVGmc @youtubeさんから
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-03-15 22:58:24
0F7Bh 普通はこんな解説。いろんな解説を読むのは、理解の助けに。http://www.ne.jp/asahi/voce/home/MameChisiki/Tyouritu.htm
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-03-16 00:09:41
0F7Ch 0F55h訂正:大バッハの時代、普及はまだまだ。試作の段階と思う。玉木氏の見解が正しい。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-03-16 00:13:14
0F7Dh 玉木宏樹 ‏の関連サイトはかなり深い。彼をはじめてみたのはNHKのスタジオ102だったか、パッヘルベル「カノン」だか。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-03-17 13:27:23
0FA8h 0F8Eh 訂正:等比数列の誤りです。最初に等差数列の間違い例を出して、自分でひっかかってしまいました・・・。ご指摘ありがとうございます。
T.K @2I000mg 2013-03-17 15:47:59
オススメ商品の編集、ありがとうございます。
いしかわ ひさし @cQ_Q 2013-03-19 13:32:47
純正律のピアノの音、和音を聴いたときに玉のような塊の音だなと印象でした。しかしピアノの筐体の共鳴を調整するのは大変だろなと思いました。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-03-24 05:00:13
1041h 冒頭、ギターのチューニングの件、とくに「メタル」分野では歪系のエフェクトを多用するが、純正律になっていないと、とてつもなく汚い音に。合っていても3度と6度はどうにも落ち着きが悪い。レコーディングでは第3弦をミュートしたり外したり、あるいは変則調弦し、さらにボルトで固定・・・・。まあフレットは平均律的なのだが。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-03-24 23:41:26
1044h 古典調律として知られる、ベルクマイスター、キルンベルガー、ミーントーン(中全律)などは、純正律を固定音程のピアノなどに適用するための改良手法。単音楽器(や声)のアンサンブルの場合にはこの語を使うことは正しくない(使う場合がある・・)。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-03-24 23:48:08
1045h ピタゴラス律は、ちょっと別格扱い。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-03-27 01:24:54
1038h ステレオフォニックにおいても、強さの概念はある。最強:L=R:センターモ>位相差なし、LR相関ありのLまたはR定位>位相差なし、LR相関なしのLまたはRの定位>位相差ありLまたはR定位、、というが、これは「モノ互換ステレオ」が支配していた時代の話。モノ概念の希薄な現代では考え直すべき。
宇都宮泰 @utsunomiaa_com 2013-03-27 01:31:29
1039h ↑ http://togetter.com/li/462669 のリサージュ観察と照らし合わせて見るとよく理解できる、はず。この例は純正律とは何の関係も無いが、楽曲の構築と言う点、強度設計という点では同じニュアンス。
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