宇都宮泰氏による「純正律とは何か」vol.1

文壇デビューを果たした音楽家・プロデューサー・エンジニア宇都宮泰氏による純正律講座。
14
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F88h 音律について、日本の演奏家はあまり口にしない。音大でも演奏系ではある意味タブー。日本ではどちらかというと調律用語。あるいは一部の音楽学者。結構数字や数式が出てくるのでびびらないで。

2013-03-15 02:25:35
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F89h 手近なところから、ギターの調弦。。1弦ずつクロマチック・チューニングメータ(普通のヤツ)で合わせるのは、平均律。5弦Aのみ音叉やチューニングメータであわせ、残りをハーモニックスで合わせるのは、純正律的調弦。それぞれの調弦結果は一致しない。

2013-03-15 02:29:35
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F8Ah 脚注:一部の回転円盤ストロボ式のチューナー(デービド・ギルモアが後ろにおいてるもの)は、純正律可能。

2013-03-15 02:31:38
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F8Bh 音階とは::ほとんど全ての音楽形態に一致する概念に「オクターブ」があります。1オクターブ上がるとは、「同じ音名」「周波数比1:2」「同じ匂い」「周回してきた・・」、、などの物理性質や感覚があり、音律や音階の基本になります。物理性質の周波数比1:2に着目。

2013-03-15 02:37:30
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F8Ch この周波数比1:2(A音440に対してオクターブ上Aは880Hz)を均等に12に分割したものが西洋音楽の平均律ド、レ、ミ・・です。  さて、均等にどうやって分けるか。○○Hzずつ上げる・・上A880Hzから下A440Hzを引き12で割ると36.6Hzずつ・・NO!

2013-03-15 02:42:43
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F8Dh 上A880Hzからさらに36.6Hzずつ12音上がっても1320Hz(上E音)にしかならない・・間違いです(これは等差級数)。

2013-03-15 02:44:47
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F8Eh どこまでも、12音ずつ上がったときに、オクターブ間隔を保つには、等差数列的(比率が一定になるように)上がらなくてはいけません。 つまり1半音をtとしたとき、t×t×t×・・と12回かけたときに2になる数・・・ =tの12乗が2となる数、が1半音の周波数倍率になります。

2013-03-15 02:49:14
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F8Fh この数tは12√2 (2の12乗根)=1.0594630943592953・・というとてつもなく半端な数になります。A 440 Hzの半音上は440Hz×1.0594=466.1637615・・・  これを12回繰り返すと880Hzになる。

2013-03-15 02:56:17
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F90h ギターをハーモニクスで合わせる場合(流儀はあるが・・)、差音(うなり)が出ない状態では、ハーモニクスどうしでは完全一致、、それぞれの弦では、完全4度となりますが、完全4度では周波数比は正確に3:4となります(ハモった状態)。 先ほどの平均律の計算では・・・

2013-03-15 03:00:33
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F91h 完全4度は5半音なので、1.059・・の5乗=1.3348398・・・となります。ハモった完全4度では周波数比は3:4(=1.333・・)なので、一致しません。(が、まあ、そこそこ近いとは言えます)

2013-03-15 03:04:15
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F92h 完全5度では周波数比は2:3(または、下へ4度降りて、1オクターブ上へ、とも)なので、やはり同程度の誤差があります。

2013-03-15 03:06:28
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F93h ピアノの調律を見学すると、この4度、5度を用いて、それを12回繰り返すと、全ての音が・・実は完全4度5度から、この数値分ずらせながら12回繰り返しています。「「ぴったり4度5度で12回繰り返すと・・・なんともとの音名に戻れないのです」」

2013-03-15 03:09:55
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F94h 調律の世界では、この泥沼平均律1半音のことを100セント(1オクターブを1200セント)と呼び、考えやすくしています。完全4度または5度で12回繰り返したときに、オクターブとの差は、23.46・・セントにも及びます。

2013-03-15 03:15:00
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F55h この差のことを「ピタゴラスのコンマ」といい、紀元前から知られていた不思議です(もちろん平均律以前・・平均律の普及は大バッハのころ)

2013-03-15 03:17:35
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F56h この計算は対数の底変換を使うと楽に計算できます。電卓などでは、コンマ(セント)=log(誤差)/log(1セント)=log((3/2)^12/2^7)/log(2^(1/1200))で求められますが、1セントが1.0005・・で計算誤差が大きくなるので

2013-03-15 03:24:17
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F57h 変形しコンマ(セント)=1000*log((3/2)^12/2^7)/log(2^(1/1.2))  の方が正確に求められるでしょう。 数式やめます。

2013-03-15 03:27:25
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F58h 1オクターブは一致、4度5度は少し誤差(完全系純正律ではコンマが発生するが、ハーモニーする)、、、さらに3度6度では・・

2013-03-15 03:32:14
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F59h ハーモニーしているとは、ハーモニーを構成している音の周波数差から、きちゃない差音が出ない、ということなのですが、そのためには、それぞれの周波数が、単純整数比になっている必要があります。

2013-03-15 03:34:18
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F5Ah 周波数比1:1(ユニゾン)、1:2(オクターブ)、1:3(1オクターブ+5度)、1:4(2オクターブ)、2:3(5度)、3:4(4度)、4:5(長3度)・・以下wikiなんかにも記載があります。

2013-03-15 03:40:15
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F5Bh 0F59h 単純整数比になっている必要~のように書きましたが、ハーモニーさせると自動的に単純整数比になっている(あるいはそのような感覚)という必然なのであって、押し付けられるものでは有りません。勘違いしないように!

2013-03-15 03:43:20
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F5Ch 実はハーモニーには「強さ」の概念もあります。最強はユニゾン、次いでオクターブ、その次が4度5度(パワーコードと言われるゆえん)、3度6度なんかは強度で言うなら、かなり弱い。エヴァなんかにも、それは出てくる。

2013-03-15 03:46:45
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F5Dh ちなみに雅楽なんかは基本ユニゾン。稚拙だからユニゾンなのではなく、ユニゾンに陥ってしまうとハーモニ世界は弱くて混在できない。機能和声では平行やユニゾン(笑)を禁止しているが、ハーモニーに対して強すぎるため、整合しないから・・というのが本当の理由。

2013-03-15 03:50:21
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F5Eh ベトベンだってモツァルトだってユニゾンは常套手段。ただ、細心の注意を払ってる。能ある鷹はユニゾン隠す。わが国の国歌もユニゾンに戻すべきだ・・うーーー。

2013-03-15 03:55:41
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F5Fh スタートレック(TNG)だってボーグはユニゾンで表し、連邦はハーモニー世界。まあ、ハーモニーの方が色気があって、色彩豊かだが(同じか)。

2013-03-15 03:58:35
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

0F60h いわゆるメタル、パワーコード全開だが、これは3度6度のハーモニーを廃した結果。キーボードすら排除。ゆえに長調なのか短調なのかわからない。さらに強さで進化させるには、ユニゾンバンド・・・。

2013-03-15 04:00:55