ウェイティング・ヘッズ・アウト・オブ・ワールド

とある方のツイートを読んでビビっときて速攻で描き上げた謎の物語。ニンジャスレイヤーのようでニンジャスレイヤーでない何か。※現在作成途中
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劉度 @arther456

『布教』は第二段階に入った。生存者を次々と拉致し、この市庁舎に監禁し、ニンジャスレイヤーの過去ログと物理書籍を全て読破、暗記させる。そうして選ばれた者達にネオサイタマ市民の役を与え、この地に解き放つ。完璧かと思われた布教だったが、信奉者は未だに後ろのオイラン一人しかいない。23

2013-03-16 21:39:45
劉度 @arther456

「ファック、更新はまだか。おい、サケだ!サケを持ってこい!」「かしこまりましたドスエ」ヒグチが命じると、オイランはおぼつかない足取りで建物の奥に向かっていく。ヒグチはイラついていた。SAKIBUREが来たのは嬉しい。だが、更新はいつなのか。「朝か、夕方か……それとも深夜か?」24

2013-03-16 21:48:59
劉度 @arther456

「SAKIBUREが飛んだからといって更新が来るわけではない」ヒグチはその声に弾かれたように振り返った。入り口に見知らぬ男がいる。「ニンジャスレイヤーは君の願いに応じてアイテムを出してくれる魔法の袋ではない。いいね?」弓と剣を身につけた戦士は諭すように言った。25

2013-03-16 21:50:25
劉度 @arther456

「ドーモ、ヒグチ・テツノです」突然の侵入者に対し、ヒグチはまず礼をして挨拶した。それがニンジャの礼儀なのだ。「ふむ、ここに来た時から思っていたが……君は随分と熱心なニンジャヘッズのようだ」「分かっているなら話は早い。お前もアイサツせよ!」26

2013-03-16 21:52:44
劉度 @arther456

「私はヘッズではないし、名前もない。君の挨拶に答えることはできないんだ」「スゴイ・シツレイ!」ヒグチが声を荒げる。「何をしに来た、非ヘッズめ!」「止めに来た」「俺の『布教』をか!?そう言う人間は昔は何十人もいたな。一人残らず、その死体の山の土台にしてやったがな!」27

2013-03-16 21:55:37
劉度 @arther456

「そのような惨劇を、私は何度も見てきた」戦士が背負った弓を構え、矢をつがえた。放射線の影響だろうか、風になびく長髪は真っ白だ。「それをいち早く止める。それが私の使命だ」「ほざけーっ!」怒気とともにヒグチが何かを投げつけた。手裏剣だ!28

2013-03-16 21:59:21
劉度 @arther456

戦士が矢を放つ。矢は手裏剣と相殺され弾き飛んだ。「イヤーッ!」更にヒグチが手裏剣を投げる。今度は二枚同時にだ!だが戦士の動きも早い。二本の矢を握ると同時に放つ。二連続相殺!その直前に戦士は弓を捨て、ヒグチに向かって駆け出した!29

2013-03-16 22:02:02
劉度 @arther456

「ヌウーッ!」手裏剣を四枚同時に放とうとしていた男はその強襲にたじろぎ、バックステップで距離をとりつつ手裏剣を投げつけた。へっぴり腰から放たれた手裏剣を、戦士は剣で弾き飛ばす。そして二人は格闘戦の間合いに入った。30

2013-03-16 22:04:44
劉度 @arther456

「せいやっ!」「イヤーッ!」戦士の振り下ろしに対し、ヒグチはブレーザーで刃を受け止める。「イヤーッ!」ヒグチはそのまま剣を押し返し、回し蹴りを放つ。戦士はそれを潜り抜け、軸足を切り払おうとする。しかしヒグチはその軸足一本で宙に飛び上がった!31

2013-03-16 22:08:17
劉度 @arther456

「バカめ!」ヒグチは腰を使って空中で素早く回転、しゃがみこんだ戦士に対しカカト落としを放つ!しかし戦士はとっさに腕をクロスさせてガード、脳天を打ち砕く衝撃を受け止める。「何ッ!?」「はあっ!」必殺の一撃を受け止められ驚愕するヒグチの足を、戦士の剣が切断した。32

2013-03-16 22:12:28
劉度 @arther456

「グワーッ!」悲鳴を上げるが、ヒグチの闘志は衰えない。残ったもう一本の足で戦士を蹴り飛ばし、むりやり距離をとる。その落下地点にいるのは……!「アイエエエ!?」奥の部屋から日本酒を持ってきていたオイランは、突然自分の主に盾にされて驚愕の悲鳴を上げた。33

2013-03-16 22:16:29
劉度 @arther456

「それ以上近寄るな!」剣を構えて近寄ろうとする戦士に対し、ヒグチは怒鳴り声を上げる。「近づいてみろ、こいつの首を切り落とすぞ!」「アイエエエ!?ナンデ!?人質ナンデ!?」首に手裏剣を突きつけられたオイランは、ただただ混乱するばかりだ。34

2013-03-16 22:21:09
劉度 @arther456

「……君は」立ち止まった戦士が、静かに語りかける。「君は #njslyr を知っているか?」「#njslyr だと?」バカにするな、といった声音でヒグチが答える。「ツイッターでのニンジャスレイヤーの実況タグだ。一時たりとも忘れたことはないぞ!」「そうか、覚えているのだな」35

2013-03-16 22:24:59
劉度 @arther456

戦士が静かに剣を構える。その体は、窓から差し込む夕日を受けて光っていた。「なら聞こう。君はあの場所で、今のように他のヘッズの命を危険に晒していたのか?」「な……!?」ヒグチがうろたえ、オイランと戦士を交互に見る。「バカな、この女がヘッズなど!」36

2013-03-16 22:27:53
劉度 @arther456

「ニンジャヘッズ。それは君のような超人を指す言葉ではない。ニンジャスレイヤーという小説を読み、愛し、面白いと思っていた人々のことだ。君の『布教』は正しいものではないが、それでも彼女はニンジャスレイヤーを面白いと思ったから、ここで生きているのだろう?」37

2013-03-16 22:31:46
劉度 @arther456

◆本編始まるみたいなんで中断します◆

2013-03-16 22:32:10
劉度 @arther456

◆続けよう◆明日から旅行なんでな。なあに、眠かったら後でトゥギャッターにログを纏めておくから、そっちを見ればいいさ。

2013-03-17 02:16:13
劉度 @arther456

(「ニンジャヘッズ。それは君のような超人を指す言葉ではない。ニンジャスレイヤーという小説を読み、愛し、面白いと思っていた人々のことだ。君の『布教』は正しいものではないが、それでも彼女はニンジャスレイヤーを面白いと思ったから、ここで生きているのだろう?」)

2013-03-17 02:17:05
劉度 @arther456

「俺は……」手裏剣を持つ手が、震える。彼の脳裏にはまだ更新があった頃の記憶が蘇っていた。1ツイートに一喜一憂し、ニンジャスレイヤーのバトウに震え、重篤ヘッズたちの考察を感心しながら読み、セルフ管理メントしていたあの平和な時代。38

2013-03-17 02:18:16
劉度 @arther456

あの途中で世界は終わってしまった。だから彼は再開しようとした。再びニンジャのアトモスフィアが帰ってくることを信じていた。そして、実況タグにまたニンジャヘッズたちが戻ってきて、あの頃が戻ってくる、心の何処かでそんな無邪気な妄想を作り上げ、そしてそれを実行して。39

2013-03-17 02:21:25
劉度 @arther456

「あ」オイランが彼の緩んだ腕をすり抜けた。光る戦士が一気に間合いを詰める。片足のない彼に避ける手段は無い。ザクリ、とヒグチの心臓に戦士の剣が突き刺さった。「……サヨナラ」激痛がヒグチの口から絞り出したのは、その一言だった。そして彼の体から力が抜ける。爆発四散はしなかった。40

2013-03-17 02:25:41
劉度 @arther456

「さらばだ」ヒグチの体から剣を引き抜く時、戦士は確かにそう呟いた。マントの裾で返り血を拭ってから鞘に収めた彼は、床にへたり込んだオイラン風の女性にツカツカと歩いて行く。「あの」「貴方はもう自由です。ご安心下さい」戦士は彼女に微笑みかける。41

2013-03-17 02:28:18
劉度 @arther456

「あなた、エルフのせんしですよね?」42

2013-03-17 02:32:49
劉度 @arther456

「……私はエルフでも戦士でもありませんよ。ただの旅人です」「そんなわけありません!その髪、その耳、その剣と弓!なによりあなた、光ってました!」「あれはただの光のいたずらです。それに、もうニンジャスレイヤーにこだわらなくていいんですよ」「ナンデ!?」女が食って掛かる。43

2013-03-17 02:33:14
劉度 @arther456

「ニンジャスレイヤーの更新は希望なんです!あれがあるから生きていけるんです!SAKIBUREは飛んだし、ほんやくチームのあなたも来てくれた!今日は更新があるんでしょう!?さあ、早く!更新を!ダークニンジャの活躍を見せて下さいよ!それとも岡山県の天狗ですか?」44

2013-03-17 02:38:38