【3】おとでおしごと! ~音響監督のお仕事とは その3~

数多くのアニメで音響監督を担当しご活躍なさっている、えびなやすのり氏(@yasunorisan)による音響監督のお仕事解説。 第三回は音楽編。 BGMメニュー決定から作曲家との打ち合わせ、初回収録直前まで。 第一回:http://togetter.com/li/466607 続きを読む
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作曲家との打ち合わせ

えびなやすのり @yasunoriebina

さて作曲家さんとの打ち合わせ。前も書いたけど収録より4ヶ月前位ですかね。念仏のように50曲...50曲と言ってますが、大体ですので。ただ最初の打ち合わせで「曲は50曲位で、」と言われます。それより少ないと何も言われませんが多いとだいたい削られます。

2013-03-14 12:10:42
えびなやすのり @yasunoriebina

作曲家はアニメサイドのリクエストがない場合、音楽制作会社からその作品に合うのではないかという人を連れて来ます。最初に何人か候補を挙げ、こちらで選ぶ場合もあります。前にお願いした人にまた頼む場合もあります。ヨルムンガンドの岩崎琢さんは刀語でご一緒した人でした。

2013-03-14 12:19:58
えびなやすのり @yasunoriebina

岩崎さんと元永監督はゲットバッカーズで組んでました。因みに僕はその作品でミキサーをしてました。ゆるゆりの三澤康広さんはみなみけ、みつどもえ、を一緒にやりました。何度かご一緒した事のある人は、お互いのやり方が分かるので、話を進め易いです。

2013-03-14 12:27:13
えびなやすのり @yasunoriebina

主に監督の方から、この作品はどういう音楽で作りたいのかなどを話してもらいます。こちらから伝えなければならないことは、どういう編成の曲を欲しいのかということです。生録りか打ち込みかもでも大きく変わります。打ち込み音源も最近どんどん音が良くなってきましたがやはり生音には敵いません。

2013-03-14 12:35:29
えびなやすのり @yasunoriebina

何よりモチベーションが変わります。ただなんでも生録りが良いかというとそうでもなく、コミカル系は打ち込み曲で貰ったりもします。これもバランスですかね。バックを打ち込みで作り主メロを生で足すこともします。それだけで打ち込み臭さが消えたりします。

2013-03-14 12:39:05
えびなやすのり @yasunoriebina

規模によって変わりますが、生で収録の場合、オーケストラ演奏になると奏者の手配、スタジオの手配等、とてもおおがかりな作業になります。

2013-03-14 12:43:37
えびなやすのり @yasunoriebina

そういった打ち合わせをして作曲家さんはどの曲でオケが必要なのか、打ち込みで行けるのかなどを考えつつ、打ち合わせを進めます。同時にこの曲のメニューはどういった音楽が欲しいのかをこちらに聞いてきます。なのでメニューは作曲家にわかりやすく書かないといけませんが中々上手くかけないです。

2013-03-14 13:15:17
えびなやすのり @yasunoriebina

作曲家さんが打ち合わせに一人で来る事はなく、マネージャーが同行します。マネージャーさんは打ち合わせを聞きながらどんな楽器が必要かどのスケジュールで収録できるか、演奏者の人数 スタジオの手配 はたまたスコア書きなどもこなします。

2013-03-14 13:20:19
えびなやすのり @yasunoriebina

メニュー打ちの後 作曲家さんからこの曲とこの曲は同じ感じだから纏めましょう。なんて話をされる事もあります。その場合はそれに従います。最終的にプラマイ2曲な曲数になるでしょうか。

2013-03-14 13:47:53
えびなやすのり @yasunoriebina

音楽メニューの話が終わると、次は納品の話です。ここからはマネージャーとの話になります。音楽はダビング当日に貰っても何もできないので、遅くてもダビング二週前。可能ならアフレコ前に貰えるようにします。アフレコ前にあると収録中作品の完成イメージがしやすくなります。

2013-03-14 15:08:25
えびなやすのり @yasunoriebina

音楽打ち合わせの段階で最終話のシナリオが上がってない時は、何曲か追加があるかもしれない旨を作曲家サイドに伝えます。ここで大きな問題がでます。最終話は何かと話を盛り上げて作られる筈なので、曲も盛り上がった曲が予想されます。ラストバトル。大団円。タイトルを聞いただけでも凄いでしょう。

2013-03-14 15:20:50
えびなやすのり @yasunoriebina

ところが音楽制作側は、その2.3曲の為にまた人を集めなければならなく予算的に厳しくなっていきます。最終話で打ち込み曲と言うのも、ちょっと寂しい気がします。生収録はなるべく一度にやるのがセオリーです。それでも最終話用に頑張って貰った事は多々あります。予算はどうなったか知りませんが

2013-03-14 15:28:44
えびなやすのり @yasunoriebina

一度生収録の見学をした事があります。演奏者が集まってスコアを貰っていきます。指揮者が一度テストの為音合わせをします。そこで少し確認をしてすぐ本番です。それを曲数分繰り返します。演者は前日スコアを貰ってリハーサルしてるわけではありません。これぞプロの集まりだと思いました。

2013-03-15 01:51:30

第一話収録までの間に

えびなやすのり @yasunoriebina

音楽打ち合わせが終わるとほぼ収録までの準備はひと段落します。あとは決まってないキャストの候補を探しながら、シナリオの続き、コンテのあがりを待ちます。シナリオの中である程度登場人物が特定できるので、それぞれの話数から登場人数を書き出します。

2013-03-15 12:51:56
えびなやすのり @yasunoriebina

シナリオが遅れていても、原作がある場合は登場人物がどれだけ出るか、どのタイミングで出るかはわかります。シナリオが来ないと分からないのは、やはり名前の無いキャラ達です。学生とか、子供等、比較的若いキャラ達は、若手役者と年齢が近いので、テストの意味も含めてキャスティングします。

2013-03-15 19:32:54
えびなやすのり @yasunoriebina

年輩のキャラで主要キャラはそのイメージにあった人をキャスティングしますが、セリフ数が少ないモブキャラだと、若手の中で老け役のできる人にやってもらいます。その作品に出てる人に兼ねて貰う事もあります。

2013-03-15 20:18:57
えびなやすのり @yasunoriebina

シナリオで作品を再構成する演出の仕方はよくあります。原作だと6巻に出てくるキャラがアニメだと1話から登場したりすることも良く有るので、原作チェックをしっかりして性格を確認しておかなければなりません。特に顔見せとして、一言しか喋らなかったりするので、この後を知るのは重要です。

2013-03-15 20:28:39
えびなやすのり @yasunoriebina

シナリオで登場する人数が分かっていてもキャスティングできない場合があります。例えばアナウンサー コンビニ店員。本当にシナリオではそのように表記されています。これなど男なのか女なのか、若いか 年配なのかわかりません。そんな場合はアニメ会社に問い合わせをしつつ絵コンテを待ちます。

2013-03-16 23:31:42
えびなやすのり @yasunoriebina

1話に出て来るキャラなら進行も進んでいてアナウンサーのキャラ表、性別などは確認することはできますが、シナリオ10話のキャラだったりすると絵コンテも貰えず性別、年齢等まだ決まってない場合も多いです。なので、収録が始まってからでもキャスティングは続いていて、いろいろ候補をます。

2013-03-16 23:37:31
えびなやすのり @yasunoriebina

ほぼそこらへんのキャスティングは音響サイド主体で考えます。シナリオや絵コンテの会話から、男女を連想してキャスティングしますが、時たま男女を間違える時もあります。アナウンサーとか老人は、キャスティング後に「すみませ〜ん男でした〜」なんて事もありました。

2013-03-16 23:43:55
えびなやすのり @yasunoriebina

2個前のツィート なので、収録が始まってからでもキャスティングは続いていて、いろいろ候補をます。→いろいろ候補を探します。 の間違い。

2013-03-16 23:57:21