信号機にも春が来たから
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くたびれてた信号機が 新しくなっていた 僕は残念に思ったけど 春だから仕方ない だけどその一つ向こうの くたびれてた信号機は くたびれたままで それでも不思議とその赤や青は 鮮やかだったんだ それもきっと春だから 当然のことなんだ #信号機にも春が来たから
2013-03-09 00:00:08そんな風に何気無く 春ってやつはやってくる 信号機にも春が来たから きっと君のところにも来てるだろう 君の周りにやってきた春は 一体どんなやつだい ? どんな形をしている ? どんな匂いがする ? どんな雰囲気をまとってる ? それを教えてほしいな #信号機にも春が来たから
2013-03-09 00:02:03気づけばもう、春だった。頭の上で背比べをしていた雪は溶けて、ばいばいと笑いながら水になった。すこし、悲しかった。気づけばもう、春だった。車も傘もみんな笑顔。ちょうちょだってひらひら踊ってる。桜の花びらがこんにちは、僕の上で休んでる。とても、愛おしいなあ。 #信号機にも春が来たから
2013-03-09 00:06:53たとえば桃色の花だったり 憂鬱に震える睫毛だったり 得意気に選ぶランドセルだったり ふんわり香る好奇心だったり 君が見たままの春でもいい 僕は春がそれほど好きではないんだ 春を 好きになりたいのさ #信号機にも春が来たから
2013-03-09 00:35:40僕を追いかける温もりは きっと染まればしあわせで 外から眺めると 憂鬱なものだ 春はにんげんを狂わせて ほんの少し強気にさせる だから僕が放った言葉は きっと春が放った言葉なんだ #信号機にも春が来たから
2013-03-09 00:43:433・2・1、カウントする、色がぱちんと切り替わる。そこまで簡単に、季節は変わらないものなのだってさ。けれど少しずつ。空気がほどけてきて。陽射しがやわらかくなって。いつも見かける背中が、弾んでいるような気がするから。ゆっくり、変わってるんだと。思う今日。 #信号機にも春が来たから
2013-03-09 01:16:48停滞を余儀なくされていた空気が身動ぎ始める。もう空白を留めることが出来ないから。煌いた光に、世界はもう色を変えた。きっとまた僕らは足を止めるけれど、それまでは。揺らぎ続けよう、と。強く、風が吹いた。陽だまりへの、一歩。 #信号機にも春が来たから
2013-03-09 04:31:25冬は白かった朝の陽射しに ほんのり青がのって きらめく世界も鮮やかになって 僕ら柔らかな道をゆく 吹く風は緑がかって その通り路から命が始まる 冬が塗り替えられるよ こんなにゆっくりと 身構えることはないぜ 僕ら無意識に染まってゆくから #信号機にも春が来たから
2013-03-09 08:49:25#信号機にも春が来たから 赤信号が期間限定、桜色 青信号が期間限定、若草色 なのに、黄信号だけはいつも通り いじけて、黄砂を呼んでいる
2013-03-09 12:41:05夕暮れは優しいし 柔らかいんだ 冬は 夕暮れが切ないけど 春の夕暮れは なんだかどきどきする ここから 何か始まるような気がするんだ 夕陽から 何か 始まるような #信号機にも春が来たから
2013-03-09 16:14:40朝と夕方には 家の窓を開けて 空気をいっぱいに取り込んで そとの匂いをかぐ こどものはしゃぐ声が 家へ飛び込んできて 穏やかに文庫本のページをめくる #信号機にも春が来たから 世界はまあるくなって ゆったり動く 春
2013-03-09 16:55:10息を、大きく吸い込む。どこからか漂う甘い匂い、きらきら反射して。 君のいない季節が、ひとつ巡ったよ。 目をつぶれば、風に翻る淡いスカート。 たんぽぽの綿毛に、息を吹きかける。 僕も、そろそろ行かなくちゃ。 手を合わせたここには、いないかもしれないけれど。 #信号機にも春が来たから
2013-03-09 19:07:38空気を溶かして 春は行く はりつめた緊張はここにはいらないんだって 聞いた話だけど 少年少女は楽しそうにくすくす笑い くるりとまわってみせて ワンピースの乙女 ふんわり広がる春に吸い込まれて 空を眺める瞳には スピカが冷たく輝いて 嬉しそうにまばたきした #信号機にも春が来たから
2013-03-09 19:10:01