《『福島民報』連載 「安全の指標」第18回》

今日は、ホールボディカウンターで現在のセシウムだけを測って「大丈夫だよ」、という話。 なぜWBC実施データが県に集まらないか、なぜ事故発生初期にWBC検査を実施しなかったか、など肝心な部分は書かない。
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宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

24 実際に、原発事故発生著後の2011年4月から5月に、福島原発以外の原発の作業再開の際に、規定に従ってWBC検査を受けた原発作業員の中で、事故後福島県に立ち寄っただけの人からもかなり高い放射性物質が検出されている。日本にもWBCはあり、早期に検査を受けている人はいたのだ。

2013-04-02 12:57:17
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

25 事故発生直後から、中手聖一さんをはじめ原発事故にそれなりの知識を持っていた人たちは、住民特に子どもの放射性ヨウ素被曝を計測するため、WBC検査の早期実施を要求してきた。福島県には、原発の作業員用に浜通りに、また2次被曝医療用として福島県立医大にあることがわかっていたからだ。

2013-04-02 13:23:38
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

26 この記事では、福島県内のどこに原発事故前からWBCがあったのか、それがどうなっているかが書かれていない。また、何を計測するために早期のWBC検査が必要だったのかも書かれていない。これだとまるで、必要の無いWBC検査を、住民の不安解消の為に適切に実施したようにしか読めない。

2013-04-02 13:28:10
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

27 さらに補足する。先ほどの補足資料2と今回の記事を対比させるとわかるのだが、福島県がデータを回収できたWBC検査は118930人。検査を受けた県民の人数の推計は約30万人。県がデータを把握できたのは、実施推定人数の3分の1。住民が県にデータを把握されることを承諾しないのだ。

2013-04-02 13:32:23
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

28 つまり、このWBC検査に関しても、福島県民健康管理調査の基本調査と同じく、多数の県民が福島県によるデータ管理を拒みたいのだ。「県が絡んだら、まともな数字が戻ってこなくなるから」という感覚は、甲状腺検査の本人へのデータ返還に基づく、根拠がある推測なのだ。

2013-04-02 13:37:15
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

29 チェルノブイリ原発事故後の影響に関して、ベラルーシでは今でも、年に2回以上のWBC検査が実施されている。そこで問題になる物質は今回の記事と同じ、放射性セシウムだ。事故収束後25年以上経過して、放射性ヨウ素はもう観測できる量では存在しないからだ。

2013-04-02 13:41:58
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

30 2011年9月以降の日本に関しても、WBCで計測できるのは、放射性ヨウ素ではない。放射性セシウムなど、半減期が長い物質だけになってしまった。以上、補足終了。

2013-04-02 13:52:29
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

31 それでは記事に対する疑問と感想など。記事に一応、虚偽は書かれていない。なぜWBC検査が必要なのか、何を確かめるための検査なのか、という必要なことが書かれていないだけだ。また、WBC検査は誰が要求し、福島県はこれまでどのような姿勢で対応してきたか、が書かれていないだけだ。

2013-04-02 14:15:57
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

32 さらに、県民健康管理調査にWBC検査がなぜ関わっていないのか、山下俊一氏らはWBC検査に関してどのような見解なのか、が書かれていないだけだ。放射性ヨウ素による子どもの甲状腺異常以外の健康被害を認めない山下俊一氏らの考え方によれば、現在WBC検査を実施することは無意味なのだ。

2013-04-02 14:20:46
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

33 福島県は当初、住民のWBC検査を行うことについて否定的だった。しかし、さまざまな団体や個人からの要望を受けて、全く実施しないわけには行かなくなった。そこで福島県は、放射性ヨウ素が十分に減衰して検出できなくなった頃に、WBC検査を始めたのだ。

2013-04-02 14:40:59
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

34 ところで、福島県にあったWBCはどうなったのか?福島第1原発と第2原発の作業員の検査用に使われていたWBCは、原発事故後あまりにも周りの汚染が強く、しばらく使えなくなったと言われている。その後、除染され、校正を受けて、現在はJビレッジで運用されていると聞く。

2013-04-02 14:51:12
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

35 福島県立医大に設置されていたWBCだが、はっきりしていることは、これまで一般県民の検査に使われたことは無い、ということだ。未確認だが、原発事故発生まもなくに起きた作業員の重度被曝事故で作業員が運ばれた際に誤って機器を汚染してしまった、という話も聞いた。

2013-04-02 14:54:53
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

36 とにかく、記事にあるとおり、現在は福島県の8台と、県外にある8台の計16台で検査した数字が福島県庁で把握されているデータだ。自治体や民間が他にもWBCを入手して検査しているが、そのデータは県庁に集まらない。自治体と住民が承諾しないからだ。

2013-04-02 15:09:10
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

37 1台1億円のWBCが安いとは、私も思わない。しかし、もしWBCによる検査を住民に義務付けているベラルーシの例を参考にすれば、現在の台数ではあまりにも少ない。放射性ヨウ素はもう検出できないだろうが、放射性セシウムはこれから長く付き合わざるを得ないからだ。

2013-04-02 15:12:10
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

38 ベラルーシのWBCは、実は日本からの援助で購入したものが多数含まれている。旧ソ連から分離独立したベラルーシには、WBCを大量に購入する資金的な余裕が無かった。それを、日本のさまざまな人々が援助したり、ある財団が多額の援助を出したりして、大量に設置できたのだ。

2013-04-02 15:14:40
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

39 ベラルーシにWBC設置を援助した財団は、名前こそ変わったが、現在も日本に存在する。しかし、その財団の援助で福島県に多数のWBCが導入されたという話は、少なくとも私は聴いた記憶が無い。民間で購入、寄付してくれた最初の1台は、広河隆一氏たちだったと記憶している。

2013-04-02 15:17:43
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

40 福島県では、原発事故発生後繰り返された言葉がいくつかある。そのうちの一つが「チェルノブイリとは違う」だった。曰く「こちらは水素爆発なので、水蒸気爆発よりも放射性物質の飛散が少ない」。曰く「こっちには格納容器がある分だけ拡散を抑えた」。曰く「推定放出量が何桁も低い」。

2013-04-02 15:21:24
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

41 引き合いに出して申し訳ないが、広島と長崎で原爆の被害の差を比べあって、「ウチの方がまだマシだった」と言っているような状態と大差ないように私には思える。そういう比較をすることで、被害が軽減できるだろうか?必要なのは、今後起こりうる被害を最小限に留めることではないのだろうか?

2013-04-02 15:24:50
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

42 広島や長崎はそのような不毛な比較をしなかっただろうと思うが、福島県では不毛な比較が各所でなされた。「ウチは強制避難させられなかった分だけマシ」とか「福島市は23μまで上がったけど、郡山市は最高8μまでだからマシ」(これは単なる公式発表の差、だけど)とか。

2013-04-02 15:34:18
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

43 さて、WBCから得られた預託実効線量の話だが、これまで私が延々と書いてきた放射性ヨウ素の話が重要になる。県が集めたデータでは、放射性セシウムしか問題にならない。WBC検査開始が遅すぎたので、放射性ヨウ素ほか半減期が短い核種の評価ができていないのだ。

2013-04-02 16:31:48
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

44 では、WBC検査はもう必要ないのか、関係ないのか、というと、今後、別な意味で必要になってくるのだ。初期被曝を計測できるという意味でのWBC検査は、見事にスルーされた。しかし、汚染された環境で今後生活しなければならないという状況の下では、放射性物質摂取を計測する必要がある。

2013-04-02 17:35:59
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

45 問題は今後、呼吸による吸入と、それ以上に多くなりそうな飲食物の摂取による内部被曝なのだ。それは、現在食料品の計測を実施している福島県内産の流通品ではなく、福島県内産の自家用品と、県外産の流通品の方が、計測をしていないで流通する分だけ、危険性が高い。

2013-04-02 17:38:30
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

46 記事は、「県は各市町村の実施状況の詳細なデータを確認し切れておらず、当面の検査対象分が全て終了するのが25年度のいつになるのかも見通せていない。」と書きつつ、なぜ自治体が県にデータを渡さないのかについては触れない。福島県庁が住民からの信頼を喪失していることを書かない。

2013-04-02 17:40:53
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

47 本来住民にとって、都道府県の、特に健康管理部門は信頼すべき味方であった。しかし福島県は原発事故発生直後から、住民に適切な警告を出さず、子どもの被曝を止めようともせず、被曝に関する検査を遅らせた。そして「安心」だけを伝えようとする山下俊一氏のような人物をアドバイザーに選んだ。

2013-04-02 17:44:28
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

48 住民の生活再建に関しても、政府や東京電力との交渉に、福島県は積極的に住民側に立って参加してはくれなかった。賠償に関しても、一部の事業者に関しては尽力しているようだが、住民の各世帯に対しては協力的ではなかった。自治体内の分断に関しても、国の為すがままだった。

2013-04-02 17:48:26